第104回 保健師国家試験 午前問題(31 - 55問)
問 31
分母として人口データが得られない場合に、疾病の罹患や死亡などの全発生数を分母に用いて、ある疾病や年齢区分での発生が占める割合を示す指標はどれか。
  1. 相対危険
  2. 相対頻度
  3. 累積罹患率
  4. 人口寄与危険
  5. 人口寄与危険割合
2
問 32
日本の死因別死亡率の年次推移を図に示す。
問32の画像
説明として正しいのはどれか。
  1. 縦軸の死亡率は年齢を調整した値である。
  2. 死因Aが上昇傾向にある主な理由は野菜摂取量の減少である。
  3. 死因Bの平成7年の急激な低下は国際生活機能分類〈ICF〉改訂の影響である。
  4. 死因Cが上昇傾向にある主な理由は生活習慣の欧米化である。
  5. 死因Dが低下傾向にある主な理由は血圧の管理である。
5
問 33
健康日本21(第二次)における健康寿命について正しいのはどれか。
  1. 患者調査の結果を計算に用いる。
  2. 年齢別死亡率は計算に不要である。
  3. 日常生活に制限のない者の平均年齢である。
  4. 健康寿命の増加分を上回る平均寿命の増加を目標とする。
  5. 平成25年(2013年)の健康寿命と平均寿命の差は男性より女性が大きい。
5
問 34
日本における再興感染症はどれか。2つ選べ。
  1. 麻疹
  2. デング熱
  3. エボラ出血熱
  4. ウエストナイル熱
  5. 重症急性呼吸器症候群〈SARS〉
12
問 35
Aさん(20歳、男性)。1人暮らし。下肢に障害があり車椅子を利用しており、障害支援区分3である。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、Aさんが利用できる障害福祉サービスはどれか。2つ選べ。
  1. 行動援護
  2. 同行援護
  3. 居宅介護
  4. 生活介護
  5. 療養介護
34
問 36
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉における1類感染症はどれか。2つ選べ。
  1. コレラ
  2. 痘そう
  3. ペスト
  4. マラリア
  5. 急性灰白髄炎
23
問 37
疾病の罹患群や非罹患群のスクリーニングの要件で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 検査方法が対象者よりも測定者にとって受け入れやすい。
  2. 確定診断の手法が確立していない疾病も対象となる。
  3. 治療法が確立していない疾病も対象となる。
  4. 疾病予防対策の効率の向上が期待される。
  5. 測定者による結果の変動が少ない。
45
問 38
ある集団の特定健康診査で得られたBMIと血圧との関連を表すのに適した指標はどれか。2つ選べ。
  1. 散布度
  2. 四分位数
  3. 相関係数
  4. 変動係数
  5. 回帰係数
35
問 39
生活保護制度について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 扶助の種類は7種類である。
  2. 保護施設に更生施設がある。
  3. 日本国憲法第14条の理念に基づいている。
  4. 保護は世帯を単位とすることを原則とする。
  5. 介護扶助によって介護保険料が現金給付される。
24
問 40
40歳以上の男性を対象とした疫学研究で、虚血性心疾患死亡率(10万人年対)を観察した。虚血性心疾患死亡率は、喫煙群では40.0、非喫煙群では24.0であった。
このときの寄与危険割合を百分率で求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

解答:%
11
22
33
44
55
66
77
88
99
40
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
 Aさん(26歳、女性)。会社員の夫と長女のBちゃん(1歳8か月)との3人暮らし。Bちゃんは1歳児健康診査を受診しており、異常はなかった。1歳6か月児健康診査が未受診だったため、地区担当の保健師が電話で次回の1歳6か月児健康診査の日程を連絡した。Aさんが電話に出たが、対応の声は小さく「Bは元気です。心配なことはありません」と言い、保健師の受診の勧めに応じなかった。保健師は「健康診査の会場でお渡しする予防接種の書類がありますので、受診できないようならお持ちしますね」と伝えて電話を切り、家庭訪問を行うこととした。
問 41
家庭訪問時、夫は会社に出勤しており不在であった。Bちゃんは一人歩きが可能で、意味のある言葉を発している。Aさんはマスクをしており、左眼の下から顎にかけて紫色に変色した内出血がある。玄関から見える室内は、ふすまが破れているなど荒んだ様子がみられる。
保健師が追加で確認するBちゃんの状態で優先度が高いのはどれか。
  1. 偏食
  2. う蝕
  3. 身体の外傷
  4. オムツかぶれ
3
問 42
家庭訪問の間、Bちゃんは機嫌よく過ごしている。保健師が予防接種の書類の説明を行っている間、Aさんは顔を伏せたままであった。ドメスティック・バイオレンス〈DV〉のスクリーニングとして、保健師は「家庭訪問をした方にお聞きしている質問がありますのでお尋ねしますね」とAさんに説明してから質問を行った。ドメスティック・バイオレンス〈DV〉のスクリーニングとして保健師が行う質問で最も適切なのはどれか。
  1. 「今一番困っていることは何ですか」
  2. 「何もできないと落ち込むことがありますか」
  3. 「嫌なことがあってもすぐに忘れることができますか」
  4. 「パートナーといるときに怖いと感じることがありますか」
4
問 43
Aさんは「実は昨夜、夫に殴られました。半年くらい前から夫に殴られることが時々あります。今まで誰にも言えませんでした」と言う。Aさんには腹部にも大きなあざがあった。
このときの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。
  1. Aさんの夫との面接を行う。
  2. Aさんの医療機関への受診を勧める。
  3. AさんとBちゃんの婦人保護施設への避難を勧める。
  4. 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉について説明する。
2 / 3
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
2)理由
複数の正解があるため。
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
 Aさん(65歳、女性)。夫、長女および長女の子どもとの4人暮らし。長女の夫は単身赴任中である。Aさんは2か月前から軽い咳があったが、1週前から咳が激しくなり、倦怠感が出現したため自宅近くのかかりつけ医を受診した。胸部エックス線写真で異常陰影が認められ、病院を紹介された。喀痰塗抹検査陽性および結核菌PCR陽性のため肺結核と診断され、入院した。診断した医師から保健所に発生届が提出された。既往歴に特記すべきことはない。
問 44
Aさんの治療や検査について正しいのはどれか。
  1. 抗結核薬3剤で治療する。
  2. 薬剤感受性検査を実施する。
  3. 喀痰培養検査は不要である。
  4. インターフェロンγ遊離試験〈IGRA〉を実施する。
2
問 45
保健師が病院を訪問し、Aさんに確認した接触者の情報を表に示す。
問45の画像
接触者健康診断におけるハイリスク接触者はどれか。
  1. 長女
  2. 長女の夫
  3. 長女の子ども
  4. 友人
4
問 46
入院から4週後、Aさんは服薬を自己管理できており、薬剤による副作用(有害事象)もみられていない。喀痰塗抹検査が連続して3回陰性となったため退院することとなった。病院を訪問した保健師にAさんから「服薬を続ける以外に、自宅に帰ってから結核をうつさないために私や家族が何かすることはありますか」と相談があった。
退院後の結核の二次感染予防について、Aさんに行う説明で適切なのはどれか。
  1. Aさんと接する者はN95マスクをしてもらう。
  2. 長女の子どもとは服薬終了まで接触しない。
  3. 長女の夫にBCGの接種を勧める。
  4. 二次感染の予防対策は必要ない。
  5. Aさんが触れた物は消毒する。
4
次の文を読み47、48の問いに答えよ。
 Aちゃん(日齢20、男児)は、両親と3人暮らし。出産の状態および早期新生児期の経過を記した母子健康手帳の一部を以下に示す。保健師は新生児訪問のため、6月30日に自宅を訪問した。訪問時のAちゃんは、身長49.5cm、体重3,150g。授乳後で機嫌よく活発に四肢を動かしていたが、その後は眠ってしまった。栄養は母乳のみで1日の授乳回数は8、9回程度、授乳間隔は約3時間であった。授乳前のオムツ交換のたびに排尿あり。排便は3~5回/日。黄疸はない。顔面の湿疹および前頭部に脂漏性の湿疹あり。音への反応あり。父親の仕事の都合で、Aちゃんの1か月児健康診査は7月15日に予約している。
状況設定問題の画像
問 47
新生児訪問時のAちゃんのアセスメントを行うために、追加で確認すべき情報で最も優先度が高いのはどれか。
  1. 聴覚検査の結果
  2. 1回の授乳時間
  3. 股関節の開排の制限の有無
  4. 入浴時の石けんの使用の有無
2
問 48
保健師は、Aちゃんの新生児訪問時の状況を母子健康手帳に記載し、予防接種を受けるかかりつけの小児科クリニックを決めておくと良いことなどを説明した。保健師がAちゃんの母親に心配なことはないか聞くと「Aと視線が合わないことや、大きな音がしたときに驚いたように両手を広げることがあり、心配だ」と話した。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。
  1. 1か月児健康診査の受診日を早めるよう勧める。
  2. Aちゃんの近くで大きな音を立てて反応を確認する。
  3. 新生児にみられる正常なことであり心配ないと説明する。
  4. 予防接種は病気の有無を確認してから受けるよう説明する。
3
次の文を読み49、50の問いに答えよ。
 人口5万人、高齢化率34%のA市。主な産業は農業と農産加工業である。平成25年度から第2期特定健康診査等実施計画に基づき、60歳未満の特定健康診査受診率の向上および生活習慣病の予防対策に取り組んできた。今後は重症化予防に力を入れて取り組む予定である。特定健康診査実施後の結果を表に示す。
問 49
この結果から読み取れるのはどれか。
  1. 特定健康診査受診率は今後横ばいとなる。
  2. 特定保健指導によって医療費が削減された。
  3. 特定保健指導によって健康状態が改善している。
  4. 60歳未満の者の特定健康診査受診率は今後増加する。
  5. 特定健康診査受診者のうち、メタボリックシンドローム該当者の割合は60歳未満より60歳以上で高い。
5
問 50
A市保健師は、A市郊外の農村地区にあるB地区を対象に、糖尿病の重症化予防に取り組むことにした。B地区は人口約3,000人、高齢化率44%であり、内科無床診療所が1か所あるが、市立総合病院までは車で30分かかる。糖尿病と診断されたことがある者の全戸訪問に取り組んだところ「B地区から市中心地区にある市立総合病院に受診すると、通院と待ち時間で半日以上必要なため、特に農繁期に治療を中断してしまう」と言う者が多かった。そこで保健師は、B地区の糖尿病患者が継続的に糖尿病の治療が受けられるよう検討することが必要であると考えた。
治療継続のための対策として最も適切なのはどれか。
  1. B地区での糖尿病患者会の発足
  2. 糖尿病の治療中断者への特定健康診査の受診勧奨
  3. B地区住民専用の市立総合病院への送迎バスの運行
  4. B地区診療所における月回の糖尿病専門外来の開設
4
次の文を読み51、52の問いに答えよ。
 Aさん(45歳、男性)。両親と3人暮らし。統合失調症で治療中。就労移行支援としてB事業所に週5日通所している。就労中に独語がみられるが、作業に支障はない。B事業所の生活指導員から市の保健師に「Aさんの父親が筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で入院している。70歳になるAさんの母親は事業所の家族会でも積極的に発言するなどしっかりしている。しかし、Aさんは、自分が父親を人で介護しなくてはならないと思い込み悩んでいるので、支援して欲しい」と連絡があり、Aさんの希望でB事業所において地区担当の保健師が初回の面接を行った。
問 51
Aさんに対する保健師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 保健所保健師への相談を提案する。
  2. 父親の介護は母親に任せるよう提案する。
  3. 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の症状について説明する。
  4. 父親の介護について母親を交えて話し合うことを提案する。
4
問 52
その後Aさんの父親の病状が安定したため、関係者によるAさんの父親の退院に向けた検討会を実施した。検討会には、Aさんの希望で地区担当の保健師も出席した。父親は介護認定審査中であり、父親の主治医は在宅療養をするためには訪問介護の利用が必要であるとの意見であった。それに対しAさんは「知らない人が家に来るのが不安だ。自分の病気のことを理解してもらえるだろうか」と話した。
このときのAさんに対する保健師の説明で最も適切なのはどれか。
  1. 「Aさんの主治医に相談しましょう」
  2. 「訪問介護員はいつでも交代できますよ」
  3. 「Aさんがご自身の病気について説明するときに私も同席しますよ」
  4. 「お父さんのサービス利用はAさんが不在の時間帯に行いましょう」
3
次の文を読み53、54の問いに答えよ。
 A市は、平成18年に5つの市町村が合併してできた人口約6万人、高齢化率32%の市である。主要産業は漁業と農業である。市街地が分散しており、学校や福祉施設も多い。一部の町内会は活発に活動している。A市総合計画では、健康増進および居宅での介護体制の推進を掲げており、介護保険施設の入所定員は増やさない方針である。
問 53
A市の保健師は、健康相談のときに50歳代の住民から「自分の祖父母は70歳代から施設に入所していた。自分の親が80歳になり、できる限り自宅で暮らしたいと言っているが、将来自宅で親を看取ることについては想像がつかない」という話を聞いた。
市民全体の看取りの現状を把握するために収集する情報で優先されるのはどれか。
  1. 要介護認定者数
  2. 死亡場所別の死亡者数
  3. 長期入院中の高齢者数
  4. 介護保険施設の平均入所年数
  5. 介護保険の居宅サービスの利用者数
2
問 54
A市住民からは、「自宅で長く暮らしたい」という意見が多く聞かれた。一方で、従来とは労働形態や家族形態が変化し、高齢者のみの世帯も増えており、「1人では不安だ」との意見も聞かれる。
A市における共生社会の実現を目指して、保健師が取り組む事業で最も適切なのはどれか。
  1. 認知症予防教室
  2. 介護技術を学習する教室
  3. 住民相互の高齢者見守り活動の推進
  4. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉の見学会
3
次の文を読み55の問いに答えよ。
 従業員300人の文具会社。部署は開発部門、販売部門、広報部門に分かれている。この会社の定期健康診断の問診時の主訴で多かったのは、腰痛および眼の疲れであった。社内の健康管理室の保健師が、これらの主訴を配属別に分類したところ、腰痛は販売部門の配送センターの社員に特に多いことが分かった。配送センターには、注文に応じて商品の仕分け作業をする社員50人が働いている。健康管理室の保健師は、配送センターにおける腰痛への対策を行う必要があると考えた。
問 55
保健師が実施することで最も優先されるのはどれか。
  1. 職場巡視を行う。
  2. 腰痛を訴える者に保健指導を行う。
  3. 腰痛体操を休憩時間に行うことを計画する。
  4. 配送センターの社員に運動機能の測定を行う。
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