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第95回助産師国家試験

午後問題
問 31
超音波断層法による妊娠期の診断で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 子宮内に胎嚢が認められるのは妊娠7週以降である。
  2. 多胎妊娠の膜性診断は妊娠8~10週ころに行う。
  3. 子宮頸管長は妊娠30週で30mm以上が正常である。
  4. 児の推定体重は児頭大横径と頭殿長とによって算出する。
  5. AFIは子宮底部と子宮下部との2か所の羊水腔の計測によって求める。
23
問 32
43歳の女性。妊娠9週。超音波断層法で胎児心拍を認める。合併症はない。
この女性に対する説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 流産のリスクが低い。
  2. 胎児の心奇形のリスクが高い。
  3. 妊娠高血圧症候群となるリスクが高い。
  4. 母体血清マーカー試験を受ける必要がある。
  5. 羊水検査による出生前診断の対象となり得る年齢である。
35
問 33
新生児において交換輸血の適応となる核黄疸の症状(PraaghⅠ期症状)はどれか。2つ選べ。
  1. 嗜眠
  2. けいれん
  3. 後弓反張
  4. 落陽現象
  5. 哺乳力の低下
15
問 34
8か月児のいる家庭で、児の事故防止のために必要な日常生活上の助言で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 「小さな物は、お子さんの身長と同じ高さに置いてください」
  2. 「テーブルにはテーブルクロスをかけないでください」
  3. 「洗面所には子ども用の踏み台を設置してください」
  4. 「浴槽の残り湯は20cm以下にしてください」
  5. 「階段には転落防止柵を付けてください」
25
問 35
小学校の低学年を対象に、文部科学省の「学校における性教育の考え方、進め方」に基づいて、性の健康教育を行うこととなった。
テーマとして適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 男女の身体の違い
  2. 性感染症の予防法
  3. 二次性徴と性ホルモン
  4. 月経時の手当ての仕方
  5. 自分を大切にすること
15
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
 29歳の初産婦。妊娠11週。妊娠初期の血液検査で、HBs抗原が陽性であった。手術や輸血の既往はない。
問 36
HBe抗原検査を行う際の妊婦への説明で正しいのはどれか。
  1. 検査は全額自費で実施する。
  2. 結果が陽性の場合、予防接種を受けないと90%以上に母子感染が起こる。
  3. 結果が陰性の場合、予防接種を受けなくても母子感染は起こらない。
  4. 結果が陽性の場合、胎内感染は起こらない。
2
問 37
HBe抗原検査の結果は陽性であった。B型肝炎母子感染防止対策に基づく予防措置について説明したところ、妊婦から「予防措置をした場合、母乳はどうすればよいですか」と質問された。
指導で正しいのはどれか。
  1. 母乳を制限する必要はない。
  2. 搾乳して凍結すれば母乳哺育が可能である。
  3. 搾乳して加熱すれば母乳哺育が可能である。
  4. 人工乳による哺育とする。
1
問 38
妊娠39週日。3,210gの男児を経腟分娩した。
児へのB型肝炎母子感染防止対策で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 臍帯血のHBs抗原検査を行う。
  2. 出生後1週以内に抗HBsヒト免疫グロブリンを注射する。
  3. 生後1か月でHBs抗原検査を行う。
  4. 生後3か月で抗HBsヒト免疫グロブリンを注射する。
  5. B型肝炎ワクチンを3回接種する。
35
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
 34歳の初産婦。保険会社の営業担当で外出が多い勤務をしている。妊娠24週0日までの経過に異常を認めなかった。妊娠28週2日の妊婦健康診査で血圧158/96mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫(-)であった。
問 39
助産師は母性健康管理指導事項連絡カードを発行した。
この妊婦の状態に対する標準措置として定められているのはどれか。2つ選べ。
  1. 勤務時間の短縮
  2. 休業(自宅療養)
  3. 横になっての休憩
  4. 同一姿勢を強制される作業の制限
  5. ストレス・緊張を多く感じる作業の制限
15
問 40
妊娠30週1日。頭痛が出現したため受診し、入院した。血圧162/102mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫(-)である。
治療薬として適切なのはどれか。
  1. ジアゼパム
  2. リトドリン塩酸塩
  3. 硫酸マグネシウム
  4. ヒドララジン塩酸塩
  5. アセトアミノフェン
4
問 41
妊娠30週2日。頭痛は消失した。血圧142/76mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫(-)である。Biophysical profile scoring を行ったところスコアが6点、羊水量は正常と判断された。
この時点の対応で適切なのはどれか。
  1. 1週後の再検査
  2. 3日後の再検査
  3. 24時間以内の再検査
  4. 分娩誘発
  5. 帝王切開
3
次の文を読み42~44の問いに答えよ。
 30歳の初産婦。妊娠40週0日。午前時から陣痛が発来し、午前8時に入院した。妊娠経過に異常を認めなかった。2日前の妊婦健康診査で身長160cm、体重70kg(非妊時58kg)。血圧110/82mmHg。推定児体重3,000g。尿蛋白(-)、尿糖(-)であった。
問 42
入院時の内診で子宮口2cm開大、展退度60%、Station-2、未破水であった。胎児心拍モニタリングを40分間行った。基線は140bpm、基線細変動は10~15bpm。基線から15bpm 以上増加し15秒以上持続する波形を7 回、子宮収縮に伴い15秒で110bpmまで低下後直ちに回復した波形を1回認める。
対応で適切なのはどれか。
  1. 散歩を促す。
  2. 引き続きモニタリングを行う。
  3. 酸素吸入を行う。
  4. 絶飲食にする。
2
問 43
午前10時、産婦は「お尻の方が少し押されてくる感じです」と言う。内診で子宮口6cm開大、展退度80%、Station±0、小泉門を時に触れ、卵膜を触知した。
経過の判断で正しいのはどれか。
  1. 正常経過
  2. 軟産道強靱
  3. CPD
  4. 早期破水
  5. 回旋異常
5
問 44
午後8時、3,100gの児を経腟分娩した。胎盤娩出後に凝血塊を含む暗赤色の出血を大量に認めた。その直後から、産婦は「気分が悪い」と訴えた。顔面は蒼白である。血圧128/68mmHg、脈拍72/分。呼吸困難を認めない。
この時点で最も考えられるのはどれか。
  1. 肺塞栓
  2. 腟血腫
  3. 頸管裂傷
  4. 弛緩出血
4
次の文を読み45~47の問いに答えよ。
 40歳の初産婦。妊娠経過に異常を認めなかった。妊娠41週2日、陣痛発来し未破水で入院した。GBS(-)。胎児機能不全のため、吸引分娩で4,100gの児を娩出した。分娩所要時間は12時間30分であった。
問 45
出生直後、児の啼泣が弱かったため、助産師は体表の水分を拭き取った上で、児の背部を軽く刺激した。出生後1分、啼泣は弱く、心拍数は80/分であった。
児への対応として適切なのはどれか。
  1. 気管挿管
  2. アドレナリン投与
  3. 殿部への強い刺激
  4. バッグ・マスク換気
  5. フリーフローによる酸素投与
4
問 46
出生後分、Apgar〈アプガー〉スコアは8点であった。児の右上肢に運動麻痺を認める。鎖骨骨折はなく、呼吸に伴う胸郭の運動に左右差を認めない。
障害されている部位はどれか。
  1. 第1-2頸椎
  2. 第3-4頸椎
  3. 第5-6頸椎
  4. 第7-8頸椎
  5. 第1-2胸椎
3
問 47
出生後6時間、両下肢の細かい振戦と口をもぐもぐさせる運動とを認める。血糖は60mg/dL。
次に行う検査はどれか。
  1. 腰椎穿刺
  2. 頭部MRI
  3. 動脈血ガス分析
  4. 頭部超音波検査
2 または 4
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
2)理由
複数の正解があるため。
次の文を読み48~50の問いに答えよ。
 Aさん、17歳。レストランでアルバイトをしている。Aさんには親からの被虐待歴があったため、以前から市保健師がAさんを支援していた。Aさんは、妊娠したかもしれないと市保健師に相談した。市保健師に伴われて産科病院を受診した結果、妊娠 7週0日と診断された。同居しているパートナーは20歳の大学生で、同じレストランでアルバイトをしている。
問 48
Aさんは病院助産師に「産みたいけれど、お金がないので心配です。彼は入籍しようと言っています」と言う。病院助産師は市保健師とAさんへの支援について話し合った。
この時点の支援で優先すべきなのはどれか。
  1. 婦人保護施設に入所を勧める。
  2. 入院助産制度について説明する。
  3. 母子保健推進員に見守りを依頼する。
  4. ひとり親家庭医療費助成金について説明する。
2
問 49
妊娠29週0日。身長163cm、体重50kg(非妊時45kg)。体温36.6℃、脈拍
68/分、血圧160/92mmHg。尿蛋白1+、尿糖(-)。Hb9.0g/dL、Ht31%。医師は入院加療を勧めたが、Aさんは「入院はしたくない」と言う。
病院助産師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 次回の妊婦健康診査は
  2. 家事はパートナーがするよう伝えて帰宅させる。
  3. アルバイトを休むよう伝えて帰宅させる。
  4. 入院の必要性を再度説明する。
4
問 50
妊娠33週0日、Aさんは胎児発育不全と診断され入院した。妊娠34週2日に帝王切開で2,020gの児を娩出した。児はNICUに入院となった。Aさんは「赤ちゃんが小さくて怖い。どのように育てればいいのかわかりません」と 話していた。Aさんが退院後、パートナーだけが冷凍した母乳を持って児の面会に来ていた。生後1か月で児は退院が可能となった。病院助産師は市保健師とNICU看護師とで、Aさんへの支援の方針を話し合った。
Aさんへの支援で最も適切なのはどれか。
  1. 乳児院への入所
  2. 里親制度の利用
  3. 「子育てひろば」への参加
  4. 養育支援訪問事業の活用
4
1-30
31-50