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平成15年看護師出題基準 老年看護学

目標1.高齢者の特徴とその生活についての理解を問う。
大項目中項目小項目
1. 老年期の理解A. ライフサイクルからの老年期の理解a. 老年期の定義
b. 老年期の位置づけ
c. 加齢と老化
B. 人口学的指標からの老年期の理解a. 高齢者人口の推移
b. 前期・後期高齢者人口の比較
c. 性差
d. 地域格差
C. 健康指標からの老年期の理解a. 疾病構造と有病率・有訴率
b. 受療行動・受療の動向
c. 要介護高齢者の出現率と動向
d. 死亡率、死因、死亡場所
D. 生活の視点からの老年期の理解a. 生活の構造
b. 生活のリズムと生活習慣
c. 役割と社会活動・余暇活動
d. 家族・世帯構成
e. 住宅と環境
f. 就労・雇用
g. 収入・生計
2. 老年期を生きる人々の特徴A. 老年期の発達と成熟a. 老年期における発達と成熟の意味
b. 老年期の発達課題
c. 人格と尊厳
d. 喪失体験
e. 高齢者のセクシュアリティ
B. 高齢者の多様性a. 高齢者の人生と経験の意味
b. 高齢者の生活史
c. 価値観の多様性
d. 健康状態の多様性
e. 生活習慣・生活様式の多様性
3. 加齢に伴う変化A. 加齢に伴う変化の特徴a. 回復力の変化
b. 予備力の変化
c. 防衛力の変化
d. 適応力の変化
B. 身体的機能の変化a. 感覚器の機能の変化
b. 筋力・筋肉の弾性の変化
c. 体内水分量の変化
d. 神経伝達速度の変化
e. 免疫力の変化
f. ホメオスタシスの変化
g. 復元反応の変化
C. 精神的機能の変化a. 知的機能の変化
b. 情緒的側面の変化
c. 性格の変化
D. 社会的機能の変化a. 社会的役割の変化
b. 家庭内役割の変化
c. 経済力の変化
4. 老年期を生きる人々の健康A. 高齢者にとっての健康a. 老年期の健康のとらえ方
b. 生活習慣と健康
c. 生きがいと生活の満足感
B. 高齢者の健康の特徴a. 健康の不安定さ
b. 慢性化と複合性
5. 高齢者をとりまく社会A. 高齢者と家族a. 高齢者と家族のライフスタイル
b. 家族構成の変化
c. 家族形態の変遷
d. 高齢者と家族の人間関係
B. 高齢者と社会システムa. 高齢者の社会参加
b. 高齢者ソーシャルサポート
c. 高齢者サービスシステム
目標2.高齢者の生命維持・健康生活維持のための看護実践についての理解を問う。
大項目中項目小項目
6. 老年看護学の基本的考え方A. 高齢者とQOL〈クオリティ・オブ・ライフ〉a. 高齢者の尊厳と権利擁護〈アドボカシー〉
b. ノーマライゼーション
c. 自立支援とエンパワメント
B. 老年看護活動の特性a. 安全な生活への看護
b. 健康の保持増進と予防活動の重視
c. 疾病の回復への看護
d. 日常生活能力の維持・改善
e. ターミナルケアと人生の終結への看護
f. 継続ケアと在宅生活への看護
g. 家族との協働と家族看護
h. ケアの調整とリスクマネジメント
i. チームアプローチ
j. 老年看護活動の場の特質と看護
C. 老年看護における倫理的課題a. 自己決定
b. 資源の公平な分配
c. 高齢者差別
d. 虐待・身体拘束
e. 成年後見制度
7. 老年看護の基礎的技術A. 高齢者の観察a. 加齢変化の正常と異常
b. 生活障害の程度と範囲
c. 身体徴候と訴え
B. 高齢者とのコミュニケーションa. 加齢とコミュニケーション能力
b. 高齢者とのコミュニケーションの方法
C. 高齢者の障害受容への看護a. 高齢者の障害受容のプロセス
b. 高齢者の障害受容の特徴の理解
8. 高齢者の健康を支える家族A. 健康生活の維持a. 食生活と栄養
b. 運動とレクリエーション
c. 休息と睡眠
d. 排泄
e. 身だしなみ
f. 性生活
g. 住環境
h. 対人関係と社会的活動
B. 加齢に伴う身体的徴候と看護a. 痛み
b. かゆみ
c. 不眠
d. しびれ
e. 冷え
f. 便秘
g. 振戦
C. 事故・災害の予防と救急への対応a. 転倒・転落
b. 熱傷
c. 窒息
d. 感染
e. 急変・救急時の対応
f. 災害時の対応
9. 障害・疾病をもつ高齢者の看護A. 視覚の障害a. 視覚障害の程度と生活への影響の評価
b. 住環境の整備
c. 眼鏡の適用と管理
d. 白内障治療時の看護
B. 聴覚の障害a. 聴覚障害の程度と生活への影響の評価
b. 会話の方法
c. 補聴器の適用と管理
C. コミュニケーションの障害a. コミュニケーション障害の原因の把握
b. コミュニケーション障害と生活への影響の評価
c. 他者との交流の促進への看護
D. 排泄コントロールの障害a. 排泄コントロール障害の原因の把握
b. 排泄コントロール障害と生活への影響の評価
c. 排泄コントロールに対する看護
E. 日常生活動作〈ADL〉の障害a. 日常生活動作〈ADL〉の評価と看護(移動、食事、排泄、更衣、入浴)
b. 自助具の選択・整備
c. 日常生活動作能力再獲得のための看護
d. 残存機能を引き出す援助方法
F. 長期臥床状態・廃用性症候群a. 長期臥床状態の原因の把握
b. 生活機能障害の程度と残存機能の評価
c. リハビリテーションに向けた看護
d. 合併症の予防
G. 老人性痴呆・精神障害a. 痴呆の種類と評価方法
b. 物忘れと記憶障害
c. 見当識障害
d. 精神症状
e. コミュニケーションの方法
f. 日常生活遂行能力
g. 情緒安定をはかる看護
h. 療法的なアプローチ
i. 老年期に多い精神障害
H. 骨粗鬆症a. 骨粗鬆症の程度と生活への影響の評価
b. 転倒・骨折の予防
c. 合併症の予防
I. 老年期に特徴的な疾患と看護a. 老年期に特徴的な疾患の理解
b. 老年期に特徴的な疾患をもつ患者の看護
10. 治療を受ける高齢者への看護A. 薬物療法a. 加齢と薬物動態
b. 疾患の重複による多剤投与
c. 副作用をまねきやすい薬物
d. 薬物副作用の徴候の観察・評価
e. 薬物副作用の予防
f. 服薬過誤の予防と看護
g. 薬物管理とリスクマネジメント
B. 手術a. 検査・手術に関する説明と了解
b. 術前の指導と術中・術後の管理
c. 早期離床への援助
d. 術後せん妄と看護
e. 合併症の予防
C. 受療形態に応じた看護a. 治療を受ける高齢者の心身の特徴と看護
b. 入院
c. 外来、デイケア
11. 高齢者の終末期の看護A. 終末期にある高齢者の看護a. 高齢者の死のとらえ方
b. 死の迎え方の意向〈リビングウィル〉と対応
c. 看取りに対する合意の形成
d. 死の受容への看護
e. 死の徴候の観察・評価
f. 合併症の予防
g. 苦痛の緩和と安楽への看護
h. 臨死期の対応
i. 家族の参加と家族への看護
B. 看取り終えた家族への看護a. 家族の心理の理解と看護
b. 家族へのグリーフワーク
c. 家族の生活の再構築への看護
目標3.保健医療福祉制度の変革が老年看護に与える影響、看護師の果たす役割の変化についての理解を問う。
大項目中項目小項目
12. 介護保険と高齢者看護A. 介護保険制度の理解と高齢者ケアa. 介護保険制度の理念と特徴
b. しくみの理解
B. 介護保険サービスa. サービスの理解と活用方法
b. 介護施設サービス
c. 居宅介護サービス
C. ケアマネジメントとケアプランa. ケアマネジメントと看護職者のケアマネジャーの役割
b. ケアプランの作成
c. チームケアと連携の方法
13. 高齢者の保健医療福祉施設における看護A. 長期療養型病床群の特徴と看護a. 制度・サービスの理解
b. サービスの活用と看護の役割
B. 老人保健施設の特徴と看護a. 制度・サービスの理解
b. サービスの活用と看護の役割
C. 特別養護老人ホームの特徴と看護a. 制度・サービスの理解
b. サービスの活用と看護の役割
D. グループホームの特徴と看護a. 制度・サービスの理解
b. サービスの活用と看護の役割
14. 在宅高齢者の看護A. 訪問看護a. 訪問看護の目的と役割
b. 訪問看護の特徴と援助技術
B. チームアプローチa. 他機関・施設との連携とサービスの理解
b. 他職種との連携・協働
c. チームケアと看護の役割
d. 家族への支援と協働
C. 社会資源の活用a. フォーマルな資源とその活用
b. インフォーマルな資源とその活用
15. 高齢者を介護する家族への看護A. 介護家族の生活と健康a. 要介護高齢者と家族の理解
b. 介護者の健康と介護力
c. 家族生活への影響
B. 家族家族への看護a. 家族介護状況の把握と分析
b. 家族援助の視点と看護
c. 介護力の評価
d. 介護受容の過程への看護
e. 支援ネットワークづくり
C. 家族介護の課題a. 介護問題の社会的動向
b. 地域支援と市民参加
c. 介護の社会化と看護の役割