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平成15年保健師出題基準 地域看護学Ⅲ

目標1.地域に顕在あるいは潜在している健康問題の把握方法、地域診断に基づく活動計画と評価、さらに住民ニーズの施策化など、組織的に解決する基礎的能力を問う。
大項目中項目小項目
1. 地域診断と情報収集A. 地域特性、地域集団の特徴の把握a. 地域診断の概念、アセスメントの方法
b. 日常的な保健師活動からの潜在・顕在ニーズの把握と分析
c. 住民ニーズの把握と、住民の意見聴取
d. 既存の統計資料の分析と解釈
e. 社会資源・関係機関の把握と分析
f. 実態調査
2. 活動・事業計画と保健師の役割A. 活動目標・事業計画の策定a. 情報分析と健康課題の提示
b. 解決すべき健康問題の特定、優先順位の決定
c. 目的、目標の明確化と合意形成
d. 計画の根拠の明確化
e. 活動内容・方法の選定と手順
f. 保健師活動の必要量と稼働量
g. マンパワー、予算の確保
B. 計画の推進(進行管理、計画調整)a. 関係者との連絡・調整
b. 事業の運営、モニタリング
c. 計画変更などの調整
C. 計画の見直し、評価a. 計画の達成状況の確認
b. 評価(目標、計画・企画、運営のプロセスの評価)
c. 事業の効果測定(コストベネフィットを含む)
d. 次年度への反映
3. 自治体(保健所・市町村)における計画策定・施策化と予算のしくみA. 保健福祉対策と事業計画・評価a. 公共政策と保健計画
b. 都道府県および市町村の基本的な計画の位置づけ
c. 法制度や条例に基づく保健計画の策定
d. 新たな健康課題を解決する事業計画の策定
e. 計画策定への住民参加の促進
f. 保健政策と医療、福祉、教育、労働、産業等の政策との連携
g. 評価(健康課題と達成状況の提示)
B. 予算のしくみa. 予算(活動の財政的計画)
b. 予算編成と執行
4. 地域看護管理A. 地域看護管理のしくみa. 地域における保健活動・在宅ケアの方法づけ
b. サービスの提供体制の整備、指導・監視
c. コミュニティの健康水準の向上への提言
d. 職員と住民の権利保障
e. 職業倫理
B. 情報管理a. 関連情報の収集、情報ネットワークの構築
b. 情報管理の方法
c. 情報開示、マスコミ対応
d. 個人情報の保護
C. 地域ケアの質と保証a. サービス提供組織の診断
b. 地域における看護の継続性、総合性の推進
c. 他職種・他機関との事例検討
d. 地域の特性をいかした社会資源の開発と管理
D. 組織運営・管理a. 組織目的、各部門の役割、指示系統の確認
b. 業務管理
c. 他部門との連携、情報の共有、協働
E. 人材育成a. 人材育成方針の策定(組織内)
b. 現任訓練、教育研修の計画と評価
F. 予算管理a. 保険事業と人材育成の予算編成
b. 目的、効率・効果、代替案の明確化
c. 主務者、財務部門、議会への説明
目標2.地域の人々がみずからの健康問題を意識し、健康の保持増進をはかり、社会資源を活用できるようにするために、グループを育成し、活動を支援していくための基礎的能力を問う。また、地域ケアシステムの充実をはかることができる基礎的能力を問う。
大項目中項目小項目
5. グループ支援、組織化A. グループの役割・機能a. グループの種類と機能
b. グループの発展過程
c. グループダイナミクスの理論
d. グループ支援における保健師の役割
B. グループメンバー個々人の変化とグループ全体の変化a. 主体性の確立
b. 自己洞察の深まり
c. エンパワメント
C. グループの育成支援と組織化a. グループの育成と組織化支援
b. セルフヘルプグループの特徴と支援方法
c. 健康学習を促進する媒体、人的つながり
D. 住民組織・地区組織a. 組織の育成・支援
b. 地域住民の自助、互助および共同活動の把握と推進
c. 専門職、行政職、他の住民組織等との連携
E. グループ支援と地域活動への発展・貢献a. グループ間での情報共有とネットワーキング
b. 共同事業・共同活動の発展と支援
c. 民間、NPO支援
6. 地域ケアシステムづくりA. 地域ケアシステムの構築a. 地域ケアシステム、組織の概念
b. 地域ケアシステムの発展過程
c. 共通認識の形成と目標の設定
d. 地域ケアシステムにおける個人と組織の役割、機能
B. ネットワークの形成と地域ケアコーディネーションa. 仲間づくりと関係者のネットワーク
b. 住民とのパートナーシップ
c. 住民、関係者とのチームワーク、共同活動
d. 関係機関、関係職種との連携
e. 連携会議の企画運営