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令和5年保健師出題基準 公衆衛生看護方法論Ⅱ(地域組織・地域への支援、事業化と施策化)

目標1.地域アセスメント<地域診断>に基づき地域の健康課題を明確化する方法についての基本的な理解を問う。
目標2.地域組織の育成・支援に関わる活動の展開方法について基本的な理解を問う。
目標3.地区・小地域活動の展開方法と事業化について基本的な理解を問う。
目標4.施策化および地域ケアシステムの構築について基本的な理解を問う。
大項目中項目
(出題範囲)
小項目
(キーワード)
1. 地域保健活動の基本A. 地域における活動の意義と対象
  • 地域への責任と公平性
  • 安心できる生活環境の確保、健康なまちづくり
  • 住民・組織の自立支援・協働
  • 生活基盤としてのコミュニティ・地域への支援
2. 地域アセスメント<地域診断>A. 地域アセスメント<地域診断>の目的
  • 地域の全体像の把握、対象のニーズの把握
  • 理論・モデルに基づく地域アセスメント<地域診断>
  • 地域特性にあった保健活動
  • 効果的・効率的な施策や事業の実施と評価
  • 施策・事業・サービスの監査・点検・改善
B. 地域アセスメント<地域診断>のプロセス
  • 対象となる地域・グループ・組織の特定
  • 多面的な情報収集
  • 多角的・系統的なアセスメント
  • 顕在・潜在するニーズの把握と分析
  • 健康課題の特定・予測
  • 社会資源および関係機関・職種の把握
  • 地域の健康に影響する背景・要因の把握
  • 健康課題の解決のための強みと弱みの把握
  • 健康課題の優先度の判断
C. 地域アセスメント<地域診断>の方法
  • 既存の統計資料の分析
  • 実態調査
  • 地区視診
  • エスノグラフィ
  • 疫学を活用した方法(記述疫学、分析疫学)
  • 住民・関係者・関係機関と協働した検討
3. 地域組織(住民組織、地区組織を含む)の育成・支援A. 地域組織の育成・支援の定義と対象
  • 地域組織の構造と特徴
  • 住民参加、コミュニティ・エンパワメント
  • 住民組織(自治会組織、地縁組織)
  • 行政委託型組織
  • 当事者組織
  • 特定非営利活動法人<NPO>、ボランティア組織
B. 地域組織の育成・支援の 目的と方法
  • 住民の自助・互助を基盤とする活動
  • 構成員に共通する健康課題の解決
  • 仲間づくりを意図した育成・支援
  • 発展段階・課題や力量を踏まえた育成・支援
  • 地域における組織化のニーズの把握
  • 構成員および地域組織の主体性を高める支援
  • 地域組織の活動の安定化や活性化を図る支援
  • スーパーバイズ、コンサルテーション
  • ボランティア人材の育成
  • 地域組織のネットワーク化
  • 地域組織の活動による健康課題の解決の評価
  • 地域組織の変化の評価
4. 地区・小地域活動A. 地区・小地域の定義と活動の範囲
  • 行政区域、日常生活圏域
  • 自治会単位、校区単位
B. 地区・小地域活動の目的と展開方法
  • 地域ケアシステムの構築と運営
  • コミュニティ・エンパワメント
  • ソーシャル・キャピタルの醸成と活用
  • 住民・関係者とのパートナーシップの醸成・合意形成
  • 住民・関係者・関係機関との協働による体制づくり
  • 地域特性にあった保健活動・生活や文化に配慮した保健活動の計画策定と方法の選定
  • 各支援方法を組み合わせた活動の展開
  • モニタリング、評価と次年度の活動計画への反映
  • 評価に基づく施策化・事業化
5. 事業化A. 事業化の目的
  • サービスの公平性
  • 利用可能なサービスの創設
  • 社会資源の開発・拡充
B. 事業化のプロセスに応じた展開方法
  • 法的根拠、事業の位置付けの明確化
  • 既存事業の評価・分析
  • 予算の確保、マンパワーの確保と調整
  • 事業計画の策定、プレゼンテーション
  • 事業の周知・広報
  • 事業の実施、事業委託、アウトソーシング
  • モニタリング、進行管理
  • 事業の継続・中止
C. 事業の評価
  • 4つの観点からの評価(ストラクチャー<構造>評価、プロセス<過程>評価、アウトプット<事業実施量>評価、アウトカム<結果>評価)
6. 施策化と地域ケA. 施策化の目的と展開方法
  • 公助
  • 自治体における基本計画との整合性
  • 施策化のプロセス
  • 中・長期的な目標設定と計画
  • 施策の公表と周知
  • 進行管理と評価結果の公表
B. 地域ケアのシステム化
  • 地域ケアシステムの概念
  • 地域ケアシステムの構築
  • 地域ケアシステムの発展過程
  • ケアの連続性と継続性
  • 共通認識・合意の形成と目標の設定
  • 連携する関係者・機関の役割と機能
C. ネットワークの形成とケアコーディネーション
  • 関係者・機関との連携・協働、パートナーシップ
  • 連携のための会議の企画・運営
D. 地域ケアシステムの評価
  • ネットワークによる実践・評価の体制づくり