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第101回保健師国家試験

午後問題
問 31
障害者自立支援法から障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律への改正時に、変更された内容はどれか。2つ選べ。
  1. 難病は支援の対象から除外された。
  2. 障害程度区分を障害支援区分とした。
  3. 支援の対象者に精神障害者を追加した。
  4. 利用者の負担額は利用した障害福祉サービスの額の3割とした。
  5. 地域生活支援事業として障害者に対する理解を深めるための研修や啓発を行う事業を追加した。
25
問 32
エボラ出血熱について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 空気感染する。
  2. 一類感染症である。
  3. 定点把握対象疾患である。
  4. 致命率〈致死率〉は10%である。
  5. 患者は感染症指定医療機関に移送される。
25
問 33
国際生活機能分類〈ICF〉で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 健康と障害を生活機能の枠組みの中で捉えたものである。
  2. 世界保健機関〈WHO〉の国際統計分類の1つである。
  3. 国際疾病分類〈ICD〉を含む上位概念である。
  4. 分類が目的であり評価は行わない。
  5. 子どもの障害は対象としない。
12
問 34
市町村が策定しなければならない計画はどれか。2つ選べ。
  1. 障害者計画
  2. 医療費適正化計画
  3. 予防接種基本計画
  4. 特定健康診査等実施計画
  5. 感染症の予防のための施策の実施に関する計画
14
問 35
自殺対策基本法について適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 事業主に長時間労働の禁止を規定している。
  2. 自殺総合対策大綱で自殺対策の指針が策定された。
  3. 自殺者の親族に対する適切な支援が目的に含まれる。
  4. 保健所を自殺予防総合対策センターに位置付けている。
  5. 自殺予防総合相談窓口の設置を市町村に義務付けている。
23
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
 市内の幼稚園に通う5歳の男児の母親から「幼稚園で子どもがたびたびかんしゃくを起こし、集団生活になじめていないようです。幼稚園の先生から保健師に相談してみてはどうかといわれました」と保健センターに電話相談があった。
問 36
このときの対応で最も適切なのはどれか。
  1. 男児の家庭での様子を聞く。
  2. 幼稚園を休ませるよう勧める。
  3. 男児に障害がある可能性を伝える。
  4. 発達障害者支援センターを紹介する。
1
問 37
男児は、近所の小児科を受診した際に広汎性発達障害の可能性があるといわれた。小児科医は、母親が育児に関する不安を訴えたため、身近な相談先として保健センターの発達相談を勧めた。その後、母親は発達相談のため来所し「最近、息子が言うことを聞かず、よくパニックを起こして手がつけられません。どうしたらよいでしょうか」と訴えた。
このときの対応で最も適切なのはどれか。
  1. 幼児が使う言葉で話すように伝える。
  2. 男児が嫌がることは避けるよう提案する。
  3. どのようなきっかけでパニックを起こすのか確認する。
  4. パニックを起こしたときは大きな声で話すように伝える。
3
問 38
保健師は母親の了解を得て、幼稚園と定期的に情報交換を行うことにした。1か月後、園長から「最近、男児の元気がない。母親も育児に疲れているようで表情が乏しい」と保健センターに電話相談があった。
このときの園長への対応で優先度が高いのはどれか。
  1. もう少し様子をみるよう伝える。
  2. 小児科を受診させるよう依頼する。
  3. 母親と一緒に保健センターへ来所するよう勧める。
  4. 男児の対応について保護者会で話し合うよう勧める。
3
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
 Aさん(52歳、女性)。夫と市内の大学に通う息子(19歳)との3人暮らし。「息子の大学のサークルでは飲み会が頻繁にあるようで、先日は息子の友人が集団で酔いつぶれたようです。うちの息子も先輩からお酒を勧められているようで、断るのが大変だと言っています。先日も他の大学で急性アルコール中毒で救急搬送されたと報道も
あって心配です。どうしたらよいでしょうか」と市の保健師に電話相談があった。
問 39
最初の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 警察に通報するよう勧める。
  2. 大学に相談するよう伝える。
  3. アルコール依存症専門の病院を紹介する。
  4. 息子にサークルを辞めさせるよう勧める。
2
問 40
保健師は管轄地域での未成年の飲酒が問題化しているのではないかと考えた。保健師は地域の状況を把握するため、関係者を集めて会議を開催することにした。
会議のメンバーで適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 警察官
  2. 保護司
  3. 大学関係者
  4. 訪問看護師
  5. 食品衛生協会の会員
13
問 41
保健師は管轄地域で未成年の飲酒防止の啓発活動を行うことにした。
啓発活動として最も効果的なのはどれか。
  1. 大学祭でイベントを企画する。
  2. 市役所にポスターを掲示する。
  3. 保健センターで相談会を開催する。
  4. 警備員に大学内の巡回を依頼する。
1
次の文を読み42~44の問いに答えよ。
 Aさん(85歳、女性)。1人暮らし。要介護1の認定を受け、通所介護を利用している。Aさんは2か月前から持続する咳に加え、倦怠感が出現したため内科を受診し結核と診断され入院した。その5日後、同じ通所介護事業所の利用者で、Aさんと仲良しでよくおしゃべりをしていたBさん(79歳)も結核と診断され入院した。
問 42
接触者健康診断を実施する機関で適切なのはどれか。
  1. Aさんの居住地域にある検疫所
  2. Aさんの住所地を管轄する保健所
  3. Aさんを担当する地域包括支援センター
  4. AさんとBさんとが利用している通所介護事業所
2
問 43
数日後、AさんとBさんが通う通所介護事業所の利用者の家族から「うちのおばあちゃんも感染していないでしょうか。今後も事業所に通い続けていいのか心配です」と保健所に電話相談があった。
このときの対応で最も適切なのはどれか。
  1. 結核の予防接種を受けるよう勧める。
  2. 通所介護事業所の利用をやめるよう伝える。
  3. 今回の感染源がAさんであることを説明する。
  4. 通所介護事業所で行う説明会に出席するよう勧める。
4
問 44
2か月後。Aさんは検査の結果、外来治療が可能となり自宅に戻ることになった。退院に向けてDOTSカンファレンスを行うことになった。
DOTSカンファレンスの参加者として最も適切なのはどれか。
  1. 自治会長
  2. 民生委員
  3. 介護支援専門員
  4. 老人クラブ会長
3
次の文を読み45、46の問いに答えよ。
 人口8万人、高齢化率30%のA市。地域包括支援センターは市内に3か所ある。A市では65歳以上の高齢者を対象に生活機能評価について郵送による調査を毎年実
施している。
問 45
A市の地域包括支援センターの保健師は、調査票の回収率を高めて介護予防が必要な高齢者の把握を確実に行いたいと考えている。
調査票の回収率が低いB地区で、回収率を高めるために協力を求める対象として適切なのはどれか。
  1. 自治会
  2. シルバー人材センター
  3. 指定居宅介護支援事業所
  4. 指定居宅サービス事業所
1
問 46
A市の介護予防における二次予防の対象者を早期に把握するために、市内で協力を依頼する対象として最も適切なのはどれか。
  1. 診療所
  2. 農業協同組合
  3. 通所介護事業所
  4. 訪問看護ステーション
1
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
 職員数が500人である企業の保健師2人は本社に配置され、週に4日、1日4回のメンタルヘルス相談を本社の健康管理室で実施している。この企業には県内に20か所の営業所があり、どの営業所でも時間外業務が多い。A営業所の職員数は40人で、この6か月で2人が仕事によるストレスに起因するうつ病と診断され、1人が休職し
た。
問 47
保健師がA営業所で行う対応で優先度が高いのはどれか。
  1. 休養室の整備
  2. 健康教室の開催
  3. メンタルヘルス相談の周知
  4. 職場でのストレスチェックの実施
4
問 48
昨年のメンタルヘルス相談は月平均20件であり、その9割が本社の職員であった。
メンタルヘルス相談の利用者を増やすための方法として最も効果的なのはどれか。
  1. 相談枠を増やす。
  2. 営業所でも実施する。
  3. 上司により対象者を選定する。
  4. 電子メールで定期的にメンタルヘルス情報を発信する。
2
問 49
保健師の活動によって1年間のメンタルヘルス相談の件数は延べ400件となった。相談内容は職場内の人間関係のトラブルによるものや時間外業務による疲労やストレスが過半数を占めた。保健師は、各営業所でのメンタルヘルスについて新たに取り組むことが必要と考えた。
最も効果的なのはどれか。
  1. 人間関係のトラブルを解消するため各営業所を訪問する。
  2. アサーショントレーニングに関する講演会を開催する。
  3. 営業所長に各相談者の悩みに関する情報提供を行う。
  4. 時間外業務の多い職員の転属を営業所長に提案する。
2
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
 保健所で肥満防止を目的とした教室の参加者を対象に、運動と体重変化の関連を調べることにした。対象者は軽度肥満の40歳代の女性300人であり、本人の希望で軽い体操をする群100人(体操群)と中等度の運動をする群200人(運動群)とに分かれ、同じ保健師による集団指導を受けた。教室開始時に体重測定を行い半年後にどれだけ体重が変化したかを調べた。
問 50
この調査の研究デザインはどれか。2つ選べ。
  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. 前向き研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究
23
問 51
半年間で体重が3.0kg以上減少した参加者を減量ありと判定した。体操群で減量ありは10人、なしは90人、運動群での減量ありは50人、なしは150人であった。脱落者はいなかった。
運動群の減量効果についてのオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

解答:.
00
11
22
33
44
55
66
77
88
99
30
問 52
この調査は体操群と運動群とを本人の希望によって分けている。
くじで割付ける場合と比べて、仮説検証の妥当性からみたこの調査の問題点で最も大きいのはどれか。
  1. 二重盲検ができない。
  2. 相対危険が計算できない。
  3. 2群の人数を等しくできない。
  4. 2群の属性の分布が制御できない。
4
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
 人口7万人、高齢化率20%の市。市が行った調査によると、40~60歳のBMI25以上の者の割合が、男女ともに国民健康栄養調査の全国平均よりも高かった。また6割の者が運動不足を感じており、運動習慣のある者の割合は全国平均よりも低かった。成人の肥満対策を検討するために、重点地区を定めることにした。
問 53
重点地区を選定するための情報で優先度が高いのはどれか。
  1. BMI25以上の成人の地区別割合
  2. 運動習慣のある者の地区別割合
  3. 特定健康診査の地区別受診率
  4. 地区別の高齢化率
1
問 54
現時点で、肥満対策と運動不足の改善のために重点地区で実施する企画で最も適切なのはどれか。
  1. 講演会の開催
  2. ポスターの掲示
  3. パンフレットの配布
  4. ウォーキング大会の開催
4
問 55
重点地区での事業に効果があることが分かり、全地区で実施したいと考えた。
次年度の予算要求で事業の必要性を説明するとき、関係する中長期計画で最も適切なのはどれか。
  1. 地域福祉計画
  2. 健康増進計画
  3. 人材確保支援計画
  4. 子ども・子育て支援事業計画
2
1-30
31-55