第93回助産師国家試験
午前問題
問 31
子宮頸癌で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 組織型は腺癌が多い。
- 発生は子宮体癌よりも少ない。
- Ⅰa期の5年生存率は75%である。
- ヒトパピローマウイルス感染と関連がある。
- 20~30歳代の若年層での発生数が増加している。
45
問 32
妊娠中に増加・上昇するのはどれか。2つ選べ。
- 赤血球数
- 基礎代謝
- 血漿浸透圧
- 血清中性脂肪
- 空腹時血糖値
12 または 14 または 24
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
2)理由
複数の正解があるため、複数の選択肢を正解とする。
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
2)理由
複数の正解があるため、複数の選択肢を正解とする。
問 33
乳汁分泌抑制のメカニズムで正しいのはどれか。2つ選べ。
- ドパミンはプロラクチン分泌を抑制する。
- ストレスはプロラクチン分泌を抑制する。
- ニコチンはオキシトシン抑制因子として作用する。
- アルコールの過剰摂取はオキシトシン放出を阻害する。
- プロラクチンは乳腺組織に作用して乳汁産生を抑制する。
14
問 34
多胎妊娠で早産、IUGR(子宮内胎児発育遅延)の他に合併しやすいのはどれか。2つ選べ。
- 貧血
- 羊水過小症
- 切迫子宮破裂
- 妊娠高血圧症候群
- 甲状腺機能亢進症
14
問 35
呼吸窮迫症候群で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 肺動脈血管抵抗が高い。
- 妊娠高血圧症候群では発生頻度が高い。
- 酸素管理はPaO2を100Torr以上に保つ。
- L/S比値が2.0以上では発生頻度が高い。
- マイクロバブルテストは診断に有用である。
15
問 36
異常出血の産婦の管理で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 収縮期血圧は60mmHg以上を保つ。
- 尿量は0.5~1mL/kg/時以上を保つ。
- 輸血は原則として濃厚血小板とする。
- 血管確保の静脈内留置針は22ゲージを使う。
- 出血量が1,000mLを超えたら輸血を考慮する。
25
問 37
会陰裂傷第3度で縫合が行われた。
合併症の早期発見のための観察項目はどれか。2つ選べ。
合併症の早期発見のための観察項目はどれか。2つ選べ。
- 子宮の硬さ
- 子宮の高さ
- 直腸圧迫感
- 排尿の有無
- 便の排出部位
35
問 38
在胎41週2日。2,900gで出生した新生児。生後1時間の呼吸数90/分、心拍数170/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉90%であった。小児科医に連絡したが、他の患者の処置中で診察に来られないため、胸部エックス線写真の撮影の指示が出た。エックス線写真(No.2)を別に示す。
助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 体位ドレナージを行う。
- 小児科医へ緊急性を伝える。
- 口鼻腔吸引をして咳嗽を促す。
- フリーフローで酸素を投与する。
- マスクとバッグによる用手換気を行う。
24
問 39
平成20年の母子健康手帳の改正で新たに加えられたのはどれか。2つ選べ。
- 父親の育児参加の促進
- 妊婦のシートベルトの着用
- 葉酸を多く含む食品の摂取
- 幼児期の生活リズムの形成
- 食べ物が詰まったときの乳幼児の応急手当
25
問 40
市町村(保健所を設置している市を除く)が実施主体である母子保健活動はどれか。2つ選べ。
- 未熟児訪問指導
- 養育医療の給付
- 乳幼児健康診査
- 障害児の療育指導
- 妊産婦の訪問指導
35
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
30歳の初産婦。妊娠38週4日。胎児心拍数が低下したため、会陰正中切開を施行し、午前1時30分に3,500gの男児を経膣分娩した。アプガースコアは1分後8点、5分後9点。分娩第3期までの出血量は330mLであった。分娩後2時間、子宮底は臍高、硬度は硬く触れ、出血量は100gであった。持続的な出血を認めない。体温37.9℃。呼吸数18/分。脈拍90/分。血圧96/48mmHg。縫合部痛の訴えあるが、腫脹は軽度で拍動痛はなく、鎮痛薬の希望はない。胎盤の1次検査で異常を認めない。
30歳の初産婦。妊娠38週4日。胎児心拍数が低下したため、会陰正中切開を施行し、午前1時30分に3,500gの男児を経膣分娩した。アプガースコアは1分後8点、5分後9点。分娩第3期までの出血量は330mLであった。分娩後2時間、子宮底は臍高、硬度は硬く触れ、出血量は100gであった。持続的な出血を認めない。体温37.9℃。呼吸数18/分。脈拍90/分。血圧96/48mmHg。縫合部痛の訴えあるが、腫脹は軽度で拍動痛はなく、鎮痛薬の希望はない。胎盤の1次検査で異常を認めない。
問 41
アセスメントで正しいのはどれか。
- 子宮収縮は良好である。
- 胎盤遺残の可能性がある。
- 外陰部血腫の可能性がある。
- バイタルサインは正常である。
1
問 42
産褥4日。「おっぱいが張って、脇の下が痛くてあまり眠れない。でも何とか母乳でがんばりたい。心配なのは、くしゃみをすると尿が漏れることです」と訴える。体温37.6℃。乳房緊満が著明で、乳房の一部に発赤がある。子宮底は臍下3横指で血性悪露は中等量、朝2cm大の血塊排出があった。
褥婦の状態のアセスメントで考えられるのはどれか。2つ選べ。
褥婦の状態のアセスメントで考えられるのはどれか。2つ選べ。
- うっ滞性乳腺炎
- 中枢性尿失禁
- 腹圧性尿失禁
- 子宮復古不全
- 産後うつ病
13
問 43
産褥5日で退院した。退院後6日、「また、おっぱいが痛くなってしまった。もう母乳をやめたい。この先、赤ちゃんを育てていけるか心配になってきた」と電話口で泣いている。来週、市の新生児訪問が予定されている。
電話での対応で適切なのはどれか。
電話での対応で適切なのはどれか。
- 母乳育児を続けるよう励ます。
- 乳房マッサージをするよう勧める。
- 新生児とともに来院するよう勧める。
- 新生児訪問まで様子をみるよう伝える。
3
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
36歳の初産婦。妊娠18週2日。身長162cm、非妊時体重50kg。妊婦健康診査で血圧148/96mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)であった。
36歳の初産婦。妊娠18週2日。身長162cm、非妊時体重50kg。妊婦健康診査で血圧148/96mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)であった。
問 44
妊娠22週4日。体重54kg。血圧162/92mmHg。尿蛋白2+、尿糖(-)。下腿浮腫+。血圧上昇傾向を認めたため入院管理となった。
診断名はどれか。
診断名はどれか。
- 妊娠高血圧
- 軽症妊娠高血圧腎症
- 重症妊娠高血圧腎症
- 加重型妊娠高血圧腎症
4
問 45
妊娠23週0日。入院後から安静を保ったが血圧は安定しない。体重55Kg。血圧172/98mmHg。尿蛋白1.4g/日。下腿浮腫+。
適切な処置はどれか。2つ選べ。
適切な処置はどれか。2つ選べ。
- 水分摂取
- メチルドパ投与
- ループ利尿薬投与
- ヒドララジン塩酸塩投与
- アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与
24
問 46
血圧は安定したため退院し外来管理を行った。妊娠36週3日。妊娠健康診査に来院した。体重58kg。血圧136/82mmHg。尿蛋白+、尿糖(-)。下腿浮腫+。子宮口閉鎖。推定児体重は2,520g。超音波検査では30分間に明瞭な四肢の動きを4回認め、そのうち1回は脚をすばやく伸展して屈曲位に戻す運動であった。この間、胎児呼吸様運動は認めない。2つの垂直断面像で各々40mmと32mmの羊水ポケットを認めた。NSTはreactiveであった。
対応で適切なのはどれか。
対応で適切なのはどれか。
- 1週後の再検査
- 24時間後の再検査
- ラミナリア挿入
- オキシトシン点滴静脈内注射
- 帝王切開術
1
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
28歳の初産婦。妊娠40週6日。身長160cm。推定児体重3,200g、第1頭位。午前4時に陣痛発来し、夫に付き添われ入院した。子宮口2cm開大、展退度30%、Station-3。胎児心拍モニタリングはreassuringであった。翌日午前3時ころから陣痛間欠は6分に延長し、発作20秒に短縮した。
28歳の初産婦。妊娠40週6日。身長160cm。推定児体重3,200g、第1頭位。午前4時に陣痛発来し、夫に付き添われ入院した。子宮口2cm開大、展退度30%、Station-3。胎児心拍モニタリングはreassuringであった。翌日午前3時ころから陣痛間欠は6分に延長し、発作20秒に短縮した。
問 47
午前8時、産婦は「いつになったら分娩室に行けるのか。もう疲れた」と言う。子宮口4cm開大、展退度50%、Station±0、子宮口の位置は前方、硬度は軟。小泉門が3時方向に触れた。そこでオキシトシンによる陣痛促進が行われることとなった。
産婦への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
産婦への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 歩行を勧める。
- まだ頑張れると励ます。
- 分娩進行状態を説明する。
- 分娩監視装置を装着する。
- 人工破膜を行う。
34
問 48
午前11時、子宮口9cm開大、展退度100%、Station+2、小泉門が2時方向に触れる。30分後の胎児心拍陣痛図を示す。産婦は「もう限界です」と言う。
助産師の対応で優先するのはどれか。
- 内診
- 酸素投与
- 急速遂娩の準備
- オキシトシンの中止
4
問 49
午前1時50分、3,280gの女児娩出、臍帯動脈血ガス分析値pH7.21。30分後に胎盤娩出した。胎盤娩出と同時に暗赤色の血液が300mL排出された。脈拍100/分。血圧120/80mmHg。軽度の下腹部痛の訴えがあった。
考えられるのはどれか。
考えられるのはどれか。
- 正常経過
- 頸管裂傷
- 子宮内反
- 胎児機能不全
1
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
29歳の女性。腹痛のため救急外来を受診した。そのまま分娩が進行し、経膣分娩、頭位で男児を出産した。児は出生直後から筋緊張はよく、啼泣している。羊水は混濁しており、顔面と口腔内とに胎便を認める。体幹部にチアノーゼを認める。
29歳の女性。腹痛のため救急外来を受診した。そのまま分娩が進行し、経膣分娩、頭位で男児を出産した。児は出生直後から筋緊張はよく、啼泣している。羊水は混濁しており、顔面と口腔内とに胎便を認める。体幹部にチアノーゼを認める。
問 50
まず行うべき処置はどれか。2つ選べ。
- 臍帯の付け根を触診して心拍数を確認する。
- 口腔内と鼻腔内の胎便を吸引する。
- 足底や背中を刺激する。
- マスクとバッグで用手換気をする。
- 気管挿管をして気管内を吸引する。
12
問 51
出生時、胎脂はなく、体表面に落屑を多数認める。臍帯は緑色に着色している。乳房を両側に1.5cm触れ、耳介は硬く辺縁まで軟骨を触知する。足底には深いしわを多数認め、手背の静脈は見えない。
推定される在胎週数はどれか。
推定される在胎週数はどれか。
- 約28週
- 約32週
- 約36週
- 約40週
4
問 52
褥婦は妊婦健康診査を全く受けていなかった。
まず褥婦に行うべき検査はどれか。2つ選べ。
まず褥婦に行うべき検査はどれか。2つ選べ。
- HBs抗原
- 抗HIV抗体
- 抗風疹抗体
- 抗サイトメガロウイルス抗体
- B群溶連菌を検出するための膣培養
12
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
34歳の初産婦。会社員。出産した病院の母乳外来に卒乳をどうしたら良いか相談に来た。児は生後10か月、体重8.5kg(出生体重2,980kg)。2か月後、職場復帰の予定である。近所に住む実母は「いつまで飲ませているの。昔は産休明けで仕事に復帰したし、9か月になったら断乳したものよ」としきりに心配してくれる。
児は時折、夜泣きすることがあるという。
34歳の初産婦。会社員。出産した病院の母乳外来に卒乳をどうしたら良いか相談に来た。児は生後10か月、体重8.5kg(出生体重2,980kg)。2か月後、職場復帰の予定である。近所に住む実母は「いつまで飲ませているの。昔は産休明けで仕事に復帰したし、9か月になったら断乳したものよ」としきりに心配してくれる。
児は時折、夜泣きすることがあるという。
問 53
面談時の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 「完全にやめなくても、色々な方法があります」
- 「あなたご自身が本当に母乳をやめたいのですか」
- 「実家のお母様の経験は聞き流してはいかがですか」
- 「あなたが夜眠れないなら母乳をやめて良いでしょう」
- 「お子さんが欲しがらないなら母乳をやめて良いでしょう」
12
問 54
職場復帰まで負担のない方法で母乳育児をやめたいと希望している。現在、離乳食は1日3回、離乳食の後に母乳を与え、それ以外に欲しがる時に母乳を与えている。
今後の授乳方法で適切なのはどれか。
今後の授乳方法で適切なのはどれか。
- 夜間だけ授乳する。
- 昼間だけ授乳する。
- 2、3日ごとに授乳回数を段階的に減らす。
- 授乳を一切やめる。
3
問 55
相談から3日後に来院し、「お乳にしこりができて痛い。きちんと搾った方が良いのか、赤ちゃんに飲ませた方が良いのか、どうしたら良いかわからない」と不安を訴えた。
ケアで適切なのはどれか。2つ選べ。
ケアで適切なのはどれか。2つ選べ。
- 基底部マッサージを教える。
- 乳房に冷罨法をするよう説明する。
- 乳房の苦痛が取れる程度に軽く搾乳を行う。
- きつめのブラジャーで乳房を圧迫するよう説明する。
- しこりが取れるまでの間は、直接授乳の回数を増やすよう説明する。
23
1-30
31-55