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第94回助産師国家試験

午前問題
問 31
助産師の業務について正しいのはどれか。
  1. インシデントレポートは周産期の事故防止に役立たない。
  2. 助産録には新生児の保健指導の要領の記載が義務づけられている。
  3. 助産所業務ガイドラインには、自宅分娩の嘱託医の条件が明記されている。
  4. 助産師独自の判断による医療事故では、法的責任を助産師に求めることはない。
2
問 32
常位胎盤早期剥離のリスクを最も高める因子はどれか。
  1. 喫煙
  2. 糖尿病
  3. 妊娠高血圧症候群
  4. 交通事故による外傷
  5. 常位胎盤早期剥離の既往
5
問 33
助産師の法的義務で正しいのはどれか。
  1. 異常死産児を検案した3日後に警察署へ届け出る。
  2. 分娩介助をして記載した助産録を3年後に破棄する。
  3. 分娩費用未払いである褥婦の沐浴指導の要請を拒否する。
  4. 分娩介助した人の情報を退職後に他の医療機関の助産師に話す。
  5. 医師不在の国内線飛行機内で分娩介助した児の出生証明書を交付する。
5
問 34
妊娠中期の妊婦への貧血予防の食事指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 「食事のときに緑茶を飲みましょう」
  2. 「ビタミンDを摂るようにしましょう」
  3. 「肉類と緑黄色野菜を組み合わせて摂りましょう」
  4. 「必要に応じて鉄を含む補助食品を活用しましょう」
  5. 「野菜に含まれる鉄は貧血予防には期待できません」
34
問 35
新生児に対する光線療法の開始基準で、実際の体重よりも少ない体重の児に対する基準値を用いるべき病態はどれか。2つ選べ。
  1. 多血症
  2. 敗血症
  3. 呼吸窮迫
  4. 低ナトリウム血症
  5. 代謝性アルカローシス
正答なし
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
採点対象から除外する。
2)理由
設問文が不明確であるため、採点対象から除外する。
問 36
妊娠期および産褥期の母体循環動態を示す。
問36の画像
正しいのはどれか。2つ選べ。
45
問 37
29歳の妊婦。妊娠28週0日。昨日から1時間に1~3回の子宮収縮を自覚したため受診した。超音波検査で子宮頸管長28mmであった。医師は安静目的で入院することと予防的にリトドリン塩酸塩による持続点滴治療をする必要性を説明した。
入院治療を開始する妊婦への助産師のケアで適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 水分制限を行うよう説明する。
  2. 振戦の出現の可能性を説明する。
  3. ベッド上での下肢の運動を勧める。
  4. 眼瞼下垂になる可能性を説明する。
  5. 入浴して腹部を温めるよう勧める。
23
問 38
妊娠20週以降の双胎間輸血症候群〈TTTS〉の診断根拠に用いられるのはどれか。2つ選べ。
  1. 羊水量
  2. 胎盤の数
  3. 卵膜の構造
  4. 推定児体重
  5. 臍帯付着部位
14
問 39
呼吸窮迫症候群〈RDS〉の低出生体重児に対する治療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 経鼻的CPAP療法
  2. インドメタシンの投与
  3. テオフィリン製剤の投与
  4. グルココルチコイドの投与
  5. 人工肺表面活性物質の投与
15
問 40
地域における子育てグループ活動を支援することとした。
適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 1回限りの活動を中心とする。
  2. 親が育児を学習する機会とする。
  3. 活動資金を獲得することから始める。
  4. 仲間づくりによって育児不安を解消する。
  5. 主たる目的は個別事例の相談対応である。
24
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
 36歳の2回経産婦。妊娠39週1日。午前0時に陣痛発来し午前1時に入院した。入院時の内診所見は子宮口5cm開大、展退度80%、Station-2。未破水。体温37.0℃、脈拍90/分、血圧130/82mmHg。1時間後、陣痛間欠3分、発作40秒、破水するとすぐに努責感が出現し、午前2時30分、3,850gの男児を出産した。羊水混濁はなく、会陰裂傷はない。胎盤娩出直後の子宮底は臍下2横指で収縮良好である。
問 41
新生児の出生1分後のアプガースコアは7点(筋緊張-1点、皮膚色-2点)であった。保温し、皮膚の水分を拭き取り刺激した。さらに30秒経過後、啼泣があった。筋緊張は良好で心拍数100/分以上、中心性チアノーゼを認める。
この時点の対応で適切なのはどれか。
  1. 経過観察
  2. 皮膚刺激
  3. フリーフローでの酸素投与
  4. マスクアンドバッグでの酸素投与
3
問 42
胎盤娩出後2時間。褥婦は、体温37.4℃、脈拍90/分、血圧136/84mmHgである。頭痛はない。外陰部に拍動性の痛みを訴える。
最も疑われるのはどれか。
  1. 弛緩出血
  2. 産褥子癇
  3. 子宮内感染
  4. 会陰部血腫
4
問 43
産褥1日。褥婦は、「破水したら我慢できなくてすごくいきんでしまいました。私がもう少し我慢してゆっくり産んでいたら、赤ちゃんは苦しくならなかったのでしょうか」と涙ながらに話した。
声かけで適切なのはどれか。
  1. 「自分を責めているのですね」
  2. 「早いお産だったから安産でよかったですね」
  3. 「我慢できなかったことは気にしなくていいですよ」
  4. 「そうですね。少し我慢できたらよかったかもしれませんね」
1
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
 39歳の女性。夫と2人の子どもとの4人暮らし。事務職。知人から検診センターで乳がん検診と健康相談が開催されることを聞き、参加することを決めた。会場で問診票を記載した後に助産師の面接を受けた。
問 44
女性は身長160cm、体重57kg。初経は11歳。周期は28日で規則的、量は中等量。月経痛は軽度であり、不正性器出血はない。食生活は肉や脂質の摂取が多めで、毎夕食時にアルコールを飲む。20歳代で2人の子どもを出産し、1年間母乳のみで育てた。昨年から管理職になり仕事は増えたが、とてもやりがいがあるという。会社は全館禁煙である。家族にがんを罹患した人はいない。
乳がん発症のリスクとして注意すべき状況はどれか。
  1. 食生活
  2. 出産年齢
  3. 職場環境
  4. 母乳育児歴
1
問 45
女性は助産師に「休職中の同僚が乳がんだったと知り、私も自己触診をしてみました。これからは乳がん検診を受けたほうが良いと思ったのです」と受診動機を話した。
助産師の対応で適切なのはどれか。
  1. 「40歳からはマンモグラフィ検診も受けるようにしてください」
  2. 「早期発見しても乳房を失いますが、延命は期待できます」
  3. 「40歳を過ぎたら、自己触診を始めましょう」
  4. 「検診間隔は3年に1回で十分です」
1
問 46
女性は「同僚は乳房を取り、死と向き合い、子どもたちと離れて入院しています。私だったら耐えることができません。がんが発見されたらどうしたらよいのでしょう。検診には来たものの心の準備ができていません」と話した。
助産師の最初の対応で適切なのはどれか。
  1. 同僚の状況を詳しく聞き取る。
  2. 乳がん検診の意義を説明する。
  3. 不安な思いを整理するのを助ける。
  4. まだ受験の準備ができていないと説明する。
3
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
 28歳の初産婦。妊娠37週2日。身長158cm。推定児体重2,900g、第2頭位。午前8時に陣痛発来し、午前11時に1人で入院した。子宮口3cm開大、展退度60%、Station-2。胎児心拍モニタリングはreassuringであった。陣痛間欠7分、発作30秒であった。バースプランには「夫と共にお産を乗り切りたい」との記載があった。
問 47
「お産はまだ先だと思っていたのに、急におなかが痛くなって、慌てて病院に来ました。夫は仕事を片付けてから午後1時ころに来ます」と話す。
最初の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 休息を促す。
  2. 水分摂取を促す。
  3. 夫にすぐ来院するよう連絡する。
  4. 現在の分娩進行状況について説明する。
4
問 48
午後4時。陣痛間欠3分、発作50秒。「疲れた」と言い、ベッドでシムス位になり、夫が腰背部のマッサージを行っている。腰部の強い痛みを訴えている。
対応で最も適切なのはどれか。
  1. 立位を促す。
  2. 足浴を行う。
  3. 腰部の温罨法を行う。
  4. 夫に代わって腰背部のマッサージを行う。
3
問 49
午後6時。子宮口10cm開大、展退度100%、Station+1。胎児心拍モニタリングはreassuringであった。陣痛間欠2分、発作60秒。「いきみたい感じはない」と言う。
努責の誘導で適切なのはどれか。
  1. 陣痛間欠時に誘導を行う。
  2. 産婦の努責感が出現してから誘導を行う。
  3. 陣痛発作時に小刻みに短く行うよう誘導する。
  4. 発作直前に大きく息を吸い、可能な限り長く行うよう誘導する。
2
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
 29歳の初産婦。妊娠24週から切迫早産の管理目的で入院し、子宮収縮抑制薬の持続点滴をしていた。未破水で、その他の異常を認めない。
問 50
妊娠28週0日。朝方から子宮収縮が強く、子宮収縮抑制薬を増量しても収縮が治まらなかった。児は骨盤位、推定児体重1,200gであり、超音波検査で異常を認めない。午前9時に帝王切開が決定された。
術前に行うのはどれか。2つ選べ。
  1. ベビー用コットを温める。
  2. 産婦の血液凝固・線溶所見を確認する。
  3. 胎児心拍の持続モニタリングを中止する。
  4. 帝王切開の適応を産婦に丁寧に説明する。
  5. 産婦にエネルギー補給飲料の摂取を促す。
24
問 51
午前10時、帝王切開にて児娩出となった。術中出血量は羊水含め800mLであった。術後4時間。褥婦は、体温37.5℃、脈拍82/分、血圧122/78mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%、尿量65mL/時である。腸蠕動音を聴取しない。血性悪露15g/時で、持続出血はない。創部からの出血や滲出液はみられない。
術後管理で注意すべきデータはどれか。
  1. SpO295%
  2. 体温37.5℃
  3. 尿量65mL/時
  4. 血性悪露15g/時
  5. 腸蠕動音が聴取されないこと
1
問 52
術後24時間、歩行が許可となり、搾乳について指導することとなった。
褥婦への説明で適切なのはどれか。
  1. 搾乳器は使用できない。
  2. 児との面会は乳汁分泌に影響しない。
  3. 母乳にはビタミンKが豊富に含まれている。
  4. 母乳は新生児壊死性腸炎の予防に有効である。
  5. 1日1回の乳頭刺激によってプロラクチン分泌を維持できる。
4
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
 病院で10年間の勤務経験をもつ助産師。有床助産所開設に向けて準備をしている。職員として助産師1名、栄養士1名、事務担当者1名を確保した。車で10分の距離にある産婦人科病院の院長に嘱託医を依頼した。
問 53
助産所の管理者として管理計画を立てることにした。
管理内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 職員の定期健康診断は各自の判断とする。
  2. 胎盤の処理は自治体の条例に則して行う。
  3. 嘱託医の診察を1回受けたものを分娩対象者とする。
  4. 臨時応急手当てに使用する医薬品の包括指示を受ける。
  5. 助産所内で使用した紙オムツは一般廃棄物として処理する。
24
問 54
助産所開設後、35歳の初妊婦Aさんが病院で分娩予定日を算出されたあと、助産所での出産を希望して来院した。母子健康手帳にはB群溶血性レンサ球菌〈GBS〉が陽性と記載されていた。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
  1. 「産婦人科医と一緒にみていきます」
  2. 「今後は産婦人科医の診察は必要ありません」
  3. 「産婦人科医にみてもらうかどうかはあなたの希望次第です」
  4. 「助産所では対応できないので産婦人科医を受診してください」
正答なし
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
採点対象から除外する。
2)理由
設問の状況説明が不適切で正解が得られないため、採点対象から除外する。
問 55
助産所に通っている初産婦Bさんが妊娠38週に陣痛発来で入院した。体温は36.8℃。破水しており「そういえば、陣痛が始まる1時間前に破水したような気がします」と言う。入院後6時間が経過した。体温38.0℃。子宮口5cm開大、Station±0。陣痛間欠3分、発作30秒。胎児心拍数160bpm。
分娩時の管理で適切なのはどれか。
  1. 嘱託医の医療機関に搬送する。
  2. 3時間後に産婦のバイタルサインを測定する。
  3. 超音波ドプラ胎児心音計で間欠的に胎児心拍数を観察する。
  4. もう1人の助産師に児が娩出するころに到着するよう連絡する。
1
1-30
31-55