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第102回保健師国家試験

午後問題
問 1
従業員数1,500人の部品製造工場。製造部門ごとに責任者が置かれている。定期健康診断の問診の結果、腰痛の訴えが多い部門があった。
この健康課題に予防的な取り組みをするために優先して働きかける対象はどれか。
  1. 腰痛を訴えている者
  2. 定期健康診断の未受診者
  3. 定期健康診断の有所見者
  4. 腰痛が多く発生している部門の責任者
4
問 2
市では自立している独居高齢者の孤立死が続いたため、独居高齢者に対する活動を検討したいと考えている。自立している独居高齢者の調査をした結果、孤立死は他人事ではなく不安を感じるが、プライバシーには踏み込まれたくないという者が多いことが明らかになった。
孤立死を予防するための保健師の活動として適切なのはどれか。
  1. 老人クラブの加入者数を調査する。
  2. 自治会に独居高齢者が集う場を設定するよう促す。
  3. 地域活動支援センターに高齢者の見守りを依頼する。
  4. 孤立死への不安がある高齢者に地域包括支援センターでの相談を勧める。
2
問 3
社会福祉における相互援助の概念と具体的な内容との組合せで適切なのはどれか。
1.
自助
ボランティア
2.
互助
介護保険
3.
共助
生活保護
4.
公助
就労継続支援
4
問 4
家族のライフサイクル段階とその発達課題との組合せで正しいのはどれか。
1.
養育期
夫婦間の生活習慣の調整
2.
教育期
子どもによる役割の補充
3.
排出期
子どもによる役割の分担の強化
4.
向老期
子ども夫婦との役割期待の調整
4
問 5
Aさん(50歳、男性)。仕事のストレスからうつ状態になり会社に出勤できなくなった。妻は精神的に不安定になり、息子は母親を心配して不登校となった。相互に影響し合うAさん家族の状況を理解するために最も適切な理論はどれか。
  1. 家族発達論
  2. 家族システム理論
  3. 家族セルフケア理論
  4. 家族ストレス対処理論
2
問 6
Aさん(30歳、男性)。Aさんの職場では、保健師による健康相談を定期的に実施しており、Aさんは「妻が妊娠したことをきっかけに禁煙しようと決めたが、今日からやめようと思っているうち、1週間が過ぎてしまった」と保健師に相談した。
Aさんへの最初の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 禁煙できたときの自分への褒美を考えるよう助言する。
  2. どのようなときにたばこを吸ってしまうか確認する。
  3. たばこを吸いたいときはガムを嚙むよう勧める。
  4. 「禁煙」と書いた紙を職場に貼るよう促す。
2
問 7
保健師が個別支援を行う際のケアマネジメントのプロセスで、初回のモニタリングを実施する時期として正しいのはどれか。
問7の画像
  1. a
  2. b
  3. c
  4. d
4
問 8
保健師が支援するグループで社会変容機能が最も高いのはどれか。
  1. 精神障害者を対象とするデイケアのグループ
  2. 難病患者の機能訓練グループ
  3. 引きこもりの当事者の会
  4. 重症心身障害児の親の会
4
問 9
A市では2歳児を対象としたう歯予防事業を実施している。
事業の成果指標として適切なのはどれか。
  1. 3歳児の保護者の仕上げ歯磨きの実施状況
  2. 3歳児の保護者のう歯に関する知識
  3. 3歳児のう歯保有率
  4. 3歳児の間食の回数
3
問 10
妊娠届について正しいのはどれか。
  1. 都道府県知事に提出する。
  2. 医師の診断書が必要である。
  3. 届出の事項は定められていない。
  4. 届出をした者に対し母子健康手帳を交付する。
4
問 11
特定健康診査・特定保健指導について適切なのはどれか。
  1. 実施義務者は医療保険者である。
  2. 対象年齢は60~74歳と定められている。
  3. 服薬治療中の者は特定健康診査の対象でない。
  4. 動機付け支援対象者と積極的支援対象者に対して一緒にグループ面接を行う。
1
問 12
A市では、市の大腸がん検診受診率が全国平均に比べて低いことから、未受診理由の調査を行った。その結果、未受診理由には「時間がない」、「自分は大丈夫」、「検査が不安」などの意見が多かった。
受診勧奨を目的とした大腸がん検診に関する説明で適切なのはどれか。
  1. 「2年に1度は受けましょう」
  2. 「便検査で簡単に調べられます」
  3. 「大腸がんは男性のがんによる死亡の第4位です」
  4. 「初期の段階から自覚症状があるので注意しましょう」
2
問 13
介護予防・日常生活支援総合事業で正しいのはどれか。
  1. 地域生活支援事業である。
  2. 平成17年(2005年)に創設された。
  3. 要支援認定を受けている者も対象である。
  4. 一般介護予防事業の対象は第2号被保険者である。
3
問 14
感染症に対する健康危機管理の平常時の対応はどれか。
  1. 空港での水際対策
  2. 積極的疫学調査の実施
  3. 感染症発生動向調査の実施
  4. 厚生労働省対策本部の設置
3
問 15
A地区では梅雨末期の集中豪雨によって住宅近くの山間部に広範囲の土砂崩れが発生した。
発災翌日の市町村保健師の対応として優先度が高いのはどれか。
  1. 要援護者の安否確認
  2. 汚水による感染症の発生の確認
  3. 避難所での慢性疾患のある者への栄養指導
  4. ストレス反応による精神症状がある避難者の把握
1
問 16
A地区では震度6の地震が発生し、住宅の被害が大きく住民のほとんどは発災直後から避難所での生活を続けている。発災後2週が経過し、プライバシーが守られないなど、住民から集団生活への不満が出ている。
避難所での保健師の活動について正しいのはどれか。
  1. 自家用車内での避難生活を勧める。
  2. 高齢者は救護所に移動してもらう。
  3. 認知症高齢者のいる家族の居住スペースを広く確保する。
  4. 避難者同士の自主的な話し合いの場が設けられるよう支援する。
4
問 17
個人情報保護の観点から、個人情報を提供するのに本人の同意が必要なのはどれか。
  1. 通所介護の参加状況を主治医に提供する。
  2. 腸管出血性大腸菌感染症の発生届を保健所に提出する。
  3. 児童虐待の疑いがある児の家族の情報を児童相談所に通告する。
  4. 要介護認定に係る審査のために市町村に主治医意見書を提出する。
1
問 18
新たに地域保健活動を開始する際の組織の在り方について最も適切なのはどれか。
  1. 事業管理と地域管理とを連動させる。
  2. 各部門の役割は事業の開始後に決定する。
  3. 組織内の職位順に活動目標を伝達共有する。
  4. 住民からの苦情を優先的に活動内容に反映する。
1
問 19
有病率を上昇させる要因はどれか。
  1. 罹患率が低くなる。
  2. 平均有病期間が長くなる。
  3. 観察集団に健康な人が流入する。
  4. 重症化して短期間に死亡する人が増える。
2
問 20
脳血管疾患について正しいのはどれか。
  1. 年齢調整死亡率は増加している。
  2. 脳出血の最大の危険因子は糖尿病である。
  3. 脳梗塞よりくも膜下出血による死亡数が多い。
  4. 平成25年(2013年)の死因順位は第4位である。
4
問 21
特定健康診査を受診した100人の腹囲とHbA1c値について、個人ごとの2つのデータを一度に示し両者の関連を表現するのに優れているのはどれか。
  1. 折れ線グラフ
  2. ヒストグラム
  3. 円グラフ
  4. 散布図
4
問 22
国際疾病分類〈ICD〉について正しいのはどれか。
  1. 日本の死因統計では平成7年(1995年)にICD-10が採用された。
  2. 患者調査での疾病分類には用いられない。
  3. 各種疾病の治療指針が示されている。
  4. 国際疫学会が改訂を行っている。
1
問 23
国際協力に関わる機関とその活動の目的との組合せで正しいのはどれか。
1.
国連世界食糧計画〈WFP〉
学校給食の普及
2.
国連人口基金〈UNFPA〉
医薬品の研究開発
3.
国連合同エイズ計画〈UNAIDS〉
感染症の監視網の構築
4.
経済協力開発機構〈OECD〉
災害地域への医療人材の派遣
1
問 24
口唇口蓋裂の児に適用されるのはどれか。
  1. 療育医療
  2. 養育医療
  3. 医療扶助
  4. 自立支援医療
4
問 25
介護保険法における権利擁護事業を担当するのはどれか。
  1. 社会福祉協議会
  2. 地域福祉センター
  3. 居宅介護支援事業所
  4. 地域包括支援センター
4
問 26
平成23年(2011年)の健康日本21最終評価結果で目標値に達した項目はどれか。
  1. 食塩摂取量の減少
  2. 糖尿病合併症の減少
  3. 日常生活における歩数の増加
  4. 意識的に運動を心がけている人の増加
  5. メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加
5
問 27
地域子育て支援拠点事業について正しいのはどれか。
  1. 従事者に条件はない。
  2. 一時預かり事業を実施する。
  3. 開催日数の基準が設けられている。
  4. ひろば型とセンター型との2種類がある。
  5. 根拠法令は子ども・子育て支援法である。
3
問 28
学校教育法で定められているのはどれか。
  1. 食育の実施
  2. 学校保健の定義
  3. 養護教諭の配置義務
  4. 学級閉鎖の実施基準
  5. 就学時健康診断の実施
3
問 29
保健活動で用いる尺度の妥当性の説明として正しいのはどれか。
  1. 測定する側が実施しやすい。
  2. 測定される側が受け入れやすい。
  3. 測定したい特性が正しく測定できている。
  4. 調査対象の測定結果が全体を代表している。
  5. 同一対象に対して繰り返し測定すると同じ値が得られる。
3
問 30
地方自治体の保健医療福祉計画の策定におけるパブリックコメントについて正しいのはどれか。
  1. 地方自治法に基づいて行われる。
  2. 計画策定における合意形成の方法である。
  3. 策定された計画を広く公表するために行う。
  4. 寄せられた意見に対する結果は個別に連絡する。
  5. 計画に関連する市民団体を選定して意見を求める。
2
1-30
31-55