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第105回保健師国家試験

午前問題
問 1
市町村に勤務する保健師が、業務上知り得た人の秘密を、他に漏らしてはならないことを規定しているのはどれか。
  1. 医療法
  2. 地域保健法
  3. 地方公務員法
  4. 地域保健対策の推進に関する基本的な指針
3
問 2
日本で、いわゆる公害病が公衆衛生上の問題として認識され始めた時期はどれか。
  1. 1940年から1950年代
  2. 1960年から1970年代
  3. 1980年から1990年代
  4. 2000年以降
2
問 3
保健師が生後14日の乳児のいる家庭に家庭訪問した。児の体重増加量は1日当たり30gであった。母親は母乳を1日平均10回、2~3時間間隔で授乳しており、母乳育児を続けたいと希望していた。
児が1か月児健康診査を受診するまでの母親への指導で適切なのはどれか。
  1. 「赤ちゃんが泣いた時に授乳しましょう」
  2. 「食事以外にも水分を十分に摂りましょう」
  3. 「1回の授乳時間は30分以上にしましょう」
  4. 「乳房が張るまで待ってから飲ませましょう」
2
問 4
Aちゃん(生後5か月、男児)。定期予防接種であるBCG接種を受けた。接種7日後に、母親が保健センターに来所し、地区担当保健師に「接種したところが腫れているが大丈夫か」と相談があった。接種部位の写真(別冊No.1)を別に示す。
母親に対する地区担当保健師の対応で正しいのはどれか。
問4の画像
  1. 「入浴は控えましょう」
  2. 「免疫がついた証拠です」
  3. 「すぐに小児科を受診してください」
  4. 「接種後3か月程度で自然に治ります」
3
問 5
双子の育児をしている母親が、1歳6か月児健康診査の受診時に「双子の子育ては大変です。子どもたちが言うことを聞かないと、つい叩いてしまいそうになります。私は、幼少のころ母親から殴られて育ちました。このままでは虐待をしてしまうのではないかと不安です」と保健師に訴えた。
母親に対する保健師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 双子の親の会を紹介する。
  2. 保育所の利用を提案する。
  3. 家庭訪問をして話を聞くことを約束する。
  4. よくあることだから気にすることはないと言う。
3
問 6
市の保健センターの保健師が受け持ち地区の家庭訪問計画を立てる際に最も優先すべきケースはどれか。
  1. 出産病院が未定の妊娠36週の妊婦
  2. 経過の良好な出生時体重2,100gの生後3か月児
  3. 児の体重増加を心配している生後2か月児の母親
  4. 忙しいからと新生児訪問を断っている生後1か月児の母親
1
問 7
地域組織への保健師の支援で適切なのはどれか。
  1. 委員型の住民組織では仲間づくりを行う。
  2. 健康問題型の当事者組織では仲間づくりを行う。
  3. ライフステージ型の当事者組織では研修計画を立てる。
  4. 地縁型の住民組織では活動があるときにメンバー募集をする。
2
問 8
A市は、10年前より各行政区で健康講座を開催し、受講者を健康推進員に任命して市の保健事業の支援を依頼している。
健康推進員の主体性を高めるための保健師の支援で優先度が高いのはどれか。
  1. 健康推進員による活動実践の報告会の実施
  2. 保健事業以外の市の事業での役割づくり
  3. 健康推進員の活動手引きの作成
  4. 新たな健康推進員の養成
1
問 9
A市では高血圧予防を重点課題として取り組みを進めている。今回、食生活改善を希望している人に対して、減塩料理教室を開催することにした。
この教室のプロセス評価で適切なのはどれか。
  1. 減塩達成者の割合
  2. 参加者の募集方法
  3. 参加者の血圧の低下
  4. 参加者の食生活の変化
2
問 10
年代と母子保健施策の組合せで正しいのはどれか。
1.
昭和17年(1942年)
母子健康手帳の制度化
2.
昭和36年(1961年)
1歳6か月児健康診査開始
3.
昭和52年(1977年)
3歳児健康診査開始
4.
平成9年(1997年)
新生児訪問が市町村へ移管
4
問 11
平成28年(2016年)の女性の労働に関する説明で正しいのはどれか。
  1. 育児休業取得率は90%を超えている。
  2. 労働力人口比率は60%を超えている。
  3. 30歳代の就業率は40歳代よりも低い。
  4. 平均勤続年数は20年前よりも短くなっている。
3
問 12
Aさん(25歳、男性)。1人暮らし。1か月前から、自宅で大声を出したり、独り言を言っている。近隣住民3名が保健所に来所し「Aさんの状況が悪化し住民に危害があったら大変だ。精神科に入院させてほしい」と訴えた。保健師は、Aさんの家族からも相談を受けていた。
近隣住民3名に保健師が伝えることで適切なのはどれか。
  1. 保健師がAさん宅を訪問する予定であること
  2. Aさんの家族からも相談を受けていること
  3. 保健所では入院の相談に応じられないこと
  4. 保健師が把握しているAさんのこれまでの経緯
1
問 13
平成28年(2016年)1月から12月の感染症発生動向調査報告において、国内で発生が報告されているのはどれか。
  1. エボラ出血熱
  2. 腸管出血性大腸菌感染症
  3. 中東呼吸器症候群(MERS)
  4. 重症急性呼吸器症候群(SARS)
2
問 14
産業保健における作業管理に該当するのはどれか。
  1. 定期的に健康診断を行う。
  2. 工場内の騒音を測定する。
  3. 労働時間内に休憩時間をとる。
  4. 作業場に排気装置を設置する。
3
問 15
法令に定められた有害業務従事者に対する特殊健康診断の平成27年(2015年)と平成28年(2016年)の有所見率を表に示す。
問15の画像
【 A 】の種別はどれか。
  1. 除染等電離放射線
  2. 高気圧
  3. じん肺
3
問 16
災害派遣医療チーム〈DMAT〉で正しいのはどれか。
  1. 活動の開始は発災時からおおむね48時間以後である。
  2. 市町村からの要請に応じて活動する。
  3. 活動先の調整は総務省消防庁が行う。
  4. 広域医療搬送活動に従事する。
4
問 17
都道府県や市区町村において統括的な役割を担う保健師の活動で最も適切なのはどれか。
  1. 住民への総合相談を実施する。
  2. 組織横断的な総合調整及び推進を行う。
  3. 地区担当制による地区活動を実施する。
  4. 広域的かつ専門的な保健サービスを行う。
2
問 18
現行の後期高齢者医療制度の運営における医療給付の財源負担で正しいのはどれか。
  1. 後期高齢者支援金は45歳以上75歳未満の者の医療保険料から拠出される。
  2. 国、都道府県および市町村による公費が全体の約5割を占めている。
  3. 高齢者が医療機関を受診した時の自己負担額は無料である。
  4. 後期高齢者による保険料は全体の約2割を占めている。
2
問 19
公衆衛生行政の制度・対策と法律の組合せで正しいのはどれか。
1.
大気汚染の監視
大気汚染防止法
2.
労働者の健康診断
労働基準法
3.
食品等の収去検査
食品安全基本法
4.
小学校における保健学習
学校保健安全法
1
問 20
医療安全対策で正しいのはどれか。
  1. 産科医療補償制度は医療法に基づき実施されている。
  2. 医療事故調査は病院の管理者に義務付けられている。
  3. 都道府県に医療安全支援センターの設置が義務付けられている。
  4. 都道府県知事は医療事故調査・支援センターを指定することができる。
2
問 21
現行の自殺対策基本法で正しいのはどれか。
  1. 自殺者の親族等に対する支援が目的に含まれる。
  2. 事業主の責務に長時間労働の禁止を規定している。
  3. 保健所に自殺総合対策会議の実施を義務付けている。
  4. 市町村に自殺予防総合相談窓口の設置を義務付けている。
1
問 22
平成26年(2014年)に実施された患者調査のうち高齢者の調査結果で正しいのはどれか。
  1. 入院患者では65歳以上が約7割を占めている。
  2. 外来患者では65歳以上が約8割を占めている。
  3. 年齢階級別外来受療率(人口10万対)では90歳以上が最も高い。
  4. 年齢階級別入院受療率(人口10万対)では75~79歳が最も高い。
1
問 23
公衆衛生看護活動で用いるハイリスクアプローチはどれか。
  1. 母子健康手帳交付時に喫煙防止のリーフレットを渡す。
  2. 肥満予防のリーフレットを健診結果通知に同封する。
  3. 小学校と連携して赤ちゃん抱っこ体験学習を行う。
  4. 自治会と連携して健康セミナーを開催する。
  5. 血圧が高めの人に減塩方法を指導する。
5
問 24
いわゆる成人病の対策に生活習慣の改善による発症予防の考えを導入した国の施策で、生活習慣病の呼称を最初に用いたのはどれか。
  1. 第1次国民健康づくり対策
  2. 第2次国民健康づくり対策
  3. 健康づくりのための運動指針
  4. 健康日本21
  5. 健康づくりのための睡眠指針
4
問 25
市の乳児健康診査において股関節開排制限の有無について確認を行い、片側に異常を認めた児の状況を図に示す。
問25の画像
この時に確認できた児の状況で正しいのはどれか。
  1. 左側の足の長さが右側より長い。
  2. 右側の鼠径部の皮膚溝が左側より深い。
  3. 右側の大r部のしわの数が左側より多い。
  4. 左側の股関節の開排が正中より70度以下である。
  5. 右側の股関節の開排が正中より120度以上である。
4
問 26
健康日本21(第二次)の目標で正しいのはどれか。
  1. 喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及
  2. 週労働時間60時間以上の雇用者の割合の減少
  3. メタボリックシンドロームの認知度の向上
  4. アルコール依存症の患者数の減少
  5. 糖尿病治療者数の減少
2
問 27
危険因子に曝露した群の罹患リスクの、曝露していない群の罹患リスクに対する比はどれか。
  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 致命率
  4. 寄与危険
  5. 相対危険
5
問 28
コホート研究と比較した症例対照研究の特徴で正しいのはどれか。
  1. 研究期間が長い。
  2. 相対危険が直接計算できる。
  3. まれな疾病の研究に適している。
  4. 事象の発生順序が明らかである。
  5. 情報の偏り〈バイアス〉が少ない。
3
問 29
症例対照研究における交絡因子の制御方法はどれか。
  1. 無作為化
  2. マッチング
  3. 単変量解析
  4. ブラインド法
  5. 対象者数の増加
2
問 30
散布度に含まれるのはどれか。
  1. 中央値
  2. 最頻値
  3. 相関係数
  4. 標準偏差
  5. 平均(算術平均)
4
1-30
31-55