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第97回保健師国家試験

午前問題
問 1
人口3,000人の村で働く保健師が、育児支援に関する地域のヘルスニーズを明らかにするために、地域診断を行うことにした。ここ数年間の出生数は年間5~10人前後である。
収集する情報で優先度が高いのはどれか。
  1. 民生委員の活動内容の把握
  2. 母子健康手帳取得時の妊娠週数
  3. 周産期死亡率の都道府県との比較
  4. 前年度の乳幼児健康診査での相談内容
4
問 2
平成19年の日本における高齢者(65歳以上)の傾向で正しいのはどれか。
  1. 悪性新生物が死因の第1位である。
  2. 通院者率は人口千人当たり500以下である。
  3. 自殺死亡率は70歳代の方が80歳代よりも高い。
  4. 健康上の問題で日常生活に影響のある者の率は人口千人当たり約500である。
1
問 3
43歳の女性。特定健康診査で腹囲92cm、中性脂肪160mg/dL、血圧120/80mmHg、空腹時血糖90mg/dLであった。服薬歴と喫煙歴はない。
特定健康診査後の対応で適切なのはどれか。
  1. 情報提供
  2. 積極的支援
  3. 動機付け支援
  4. 医療機関受診勧奨
3
問 4
母子保険制度について事業と実施主体の組合せで正しいのはどれか。
1.
未熟児の訪問指導
市町村
2.
妊婦の健康診査
都道府県保健所
3.
1歳6か月児健康診査
都道府県保健所
4.
小児慢性特定疾患児の家庭訪問
都道府県保健所
4
問 5
児童虐待予防活動におけるハイリスクアプローチはどれか。
  1. 新生児訪問事業
  2. 乳児家庭全戸訪問事業
  3. 母子健康手帳交付時の面接
  4. 乳児健康診査未受診者への家庭訪問
4
問 6
保健所管内には精神科の入院施設が2病院ある。これらの病院に長期入院している精神障害者の退院促進・地域移行を推進する事業として、地域自立支援協議会を開催することとなった。
参加を依頼する組織として優先度が高いのはどれか。
  1. 警察署
  2. 医療保険者
  3. 地域活動支援センター
  4. 公共職業安定所〈ハローワーク〉
3
問 7
4歳の男児。広汎性発達障害と診断されている。母親から「毎朝自宅のトイレのドアを何度も開け閉めしないと気がすまない」と相談があった。
この症状の説明として考えられるのはどれか。
  1. 想像力の障害
  2. 注意力の障害
  3. 関心・行動の融通性の障害
  4. コミュニケーション行動の障害
3
問 8
日本の結核の状況と対策について正しいのはどれか。
  1. 罹患率は先進諸国の中で低い方である。
  2. 新規登録患者数は平成11年以降増加している。
  3. BCGの定期接種前のツベルクリン反応検査は廃止された。
  4. 接触者健康診断は接触者の居住地の市町村保健センターで行われる。
3
問 9
市の保健師は特定保健指導「積極的支援」の修了者を対象に、修了3か月後のフォローアップ教室を平成23年度新規事業として予算要求することとした。フォローアップ教室の目的は改善した生活習慣の維持である。平成20年度の特定保健指導「積極的支援」利用者について市に保存されているデータを表に示す。
問9の画像
事業の必要性を示すための資料で最も適切なのはどれか。
  1. AとDを比較した資料
  2. BとCを比較した資料
  3. BとDを比較した資料
  4. CとDを比較した資料
4
問 10
市のがん検診受診者へのアンケートでは喫煙者の60%が禁煙に関心を示していた。そこで、1か所の民間の保健指導機関に委託して、禁煙を目的にした4種類の健康教育を6か月間ずつ実施した。それぞれの参加者数、禁煙達成者数および費用を表に示す。ただし、禁煙の達成状況は、最終回での自己申告と呼気一酸化炭素濃度とで確認した。
問10の画像
費用対効果の高いのはどれか。
  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
3
問 11
保健師のアセスメント能力の向上を目指した職場内教育方法で最も適切なのはどれか。
  1. 事例検討
  2. ディベート
  3. 専門家の講義
  4. ロールプレイ
1
問 12
生活習慣病予防教室終了後に自主グループ化を目指した教室を開催することにした。
グループダイナミクスを活用した教室運営で適切なのはどれか。
  1. 各参加者が体験を共有するよう促す。
  2. 各参加者が互いに競り合うよう促す。
  3. 発言の多い参加者をリーダーに指名する。
  4. 最も積極的な参加者の目標をグループの目標とする。
1
問 13
保健所管内では、医療依存度の高い在宅神経難病患者が増加している。保健師は管内市町村担当課、介護支援専門員、訪問看護師および医師会に呼びかけ、在宅神経難病患者支援体制の整備に向けたケアシステム会議を立ち上げた。
ケアシステム会議の役割で適切なのはどれか。
  1. 難病相談・支援センターを整備する。
  2. 人工呼吸器を在宅療養者へ貸し出す。
  3. 若年の在宅神経難病患者の介護認定を行う。
  4. 訪問看護ステーションの神経難病患者の受け入れ状況を調査する。
4
問 14
学校環境衛生について正しいのはどれか。
  1. 学校保健委員会は環境衛生の管理に責任を持つ。
  2. 机と椅子の高さの基準は学年ごとに定められている。
  3. 臨時の環境衛生検査は学校薬剤師が業務として行う。
  4. 環境衛生検査は学校教育法によって義務づけられている。
3
問 15
電離放射線を発生する機器を扱っている職場での安全衛生管理で適切なのはどれか。
  1. 年に1回の健康診断を実施する。
  2. 妊娠中の女性を作業に従事させてはならない。
  3. 作業者は放射性物質取扱作業室で水分接種してもよい。
  4. 被ばく線量測定は毎日の線量を測るものと累積を測るものとを併用するとよい。
4
問 16
69歳の女性。72歳の夫との2人暮らし。脳卒中を発症し、要介護2と認定され、介護保険サービスを利用することになった。
介護支援専門員が在宅ケアプランを作成する上で適切なのはどれか。
  1. 作成には本人と夫が参加する。
  2. インフォーマルなサービスは含めない。
  3. 介護支援専門員が支援内容を決定する。
  4. 初回に決めたケアプランは6か月間は変更しない。
1
問 17
震災の3か月後、避難所にいた被災者が仮設住宅へ入居した。保健師が仮設住宅への巡回訪問を行ったところ、高齢者の多くは自立した生活ができているものの、慣れない生活環境への不安を訴え、仮説住宅内に閉じこもりがちであった。今後も保健師による巡回訪問は実施する予定である。
この時点の保健活動で優先度が高いのはどれか。
  1. 介護相談の実施
  2. 消毒薬による手洗い方法の指導
  3. 内科医師による巡回診療の実施
  4. 仮説住宅地区での被災者の交流会の定例開催
4
問 18
労働基準監督署で正しいのはどれか。
  1. 国の機関である。
  2. 都道府県の機関である。
  3. 市町村が設置主体である。
  4. 独立行政法人が設置主体である。
1
問 19
自殺対策基本法の説明で適切なのはどれか。
  1. 青少年期の自殺対策が中心である。
  2. 遺族に対する支援の充実が目的に含まれる。
  3. 心の電話相談窓口の設置を市町村に義務づけている。
  4. 保健所を自殺予防総合対策センターに位置付けている。
2
問 20
市では、次世代育成支援行動計画(前期計画)を策定して5年目となるため、次世代育成支援対策地域協議会を組織して、次の5年間の後期計画を策定することとした。
計画策定において適切なのはどれか。
  1. 母子保健計画と内容が重複しないようにする。
  2. 地域協議会の委員は関係機関の長で構成する。
  3. 前期計画の実施結果に対する住民の意見を参考にする。
  4. 後期計画の最終案を作成してから、協議会の構成員に意見を求める。
3
問 21
次の計算式で求めれられるのはどれか。
〈ある期間のある疾病の新規発症者数〉÷〈同一期間の対象集団の観察人年〉
  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 受療率
  4. 累積罹患率
1
問 22
介入研究として正しいのはどれか。
  1. 発生頻度の低い疾患に適用可能である。
  2. 仮説設定のために用いられることが多い。
  3. 介入と結果との時間的関係が明確である。
  4. 複数の曝露要因の影響を検討することはできない。
3
問 23
保健所に通所している5歳の児が大腸菌O157感染症と診断され、本日入院した。主治医から保健所へ届出があった。同時に保育所からも、どう対応するべきかと相談があった。児には両親と3歳の弟がいる。弟も同じ保育所に通っている。家では毎日一緒に兄弟で入浴していた。両親と弟に症状はない。
この保健所の保健師の対応で適切なのはどれか。
  1. 両親と弟に検便を指示する。
  2. 保育所に休所するよう指示する。
  3. 入院中の児の前日の食事内容を調査する。
  4. 保育所に、保護者会で患児の病状説明をするよう指示する。
1
問 24
がんと危険因子の組合せで正しいのはどれか。
1.
喉頭癌
喫煙
2.
甲状腺癌
紫外線
3.
肺癌
過度の飲酒
4.
大腸癌
ヘリコバクターピロリ
1
問 25
健康診査受診者を対象に、肥満の予防方法の理解度について5項目のテストを実施した。テストの合計得点を求めた後に理解できている群とできていない群に分類した。
健康教室参加の有無との関係を調べるのに使用するのはどれか。
  1. 相関図
  2. 回帰直線
  3. クロス表
  4. 平均値の棒グラフ
3
問 26
日本において50年前と比較して増加しているのはどれか。
  1. 結核死亡率
  2. 脳血管疾患死亡率
  3. 心疾患年齢調整死亡率
  4. 大腸悪性新生物年齢調整死亡率
  5. 子宮悪性新生物年齢調整死亡率
4
問 27
市の健康増進計画の重点的な健康課題を検討する資料で優先度が高いのはどれか。
  1. 高血圧教室の参加者数
  2. 市における死因別死亡率
  3. 共済組合の診療報酬明細書のデータ
  4. 市役所来所者から聞き取った健康上の不安
  5. 保健所保健師が日頃の活動で認識している課題
2
問 28
65歳の男性。禁煙教室の修了者。禁煙教室修了後2か月間は禁煙ができていた。しかし、自治会の会合でうっかりたばこを吸ってしまい、それから時々喫煙するようになった。「このままでは、ずるずるとたばこを吸ってしまうと不安になった。どうしたら良いだろう」と保健師に電話してきた。保健師は対象者が自己の保健行動を再評価することが必要だと考えた。
保健師の助言で適切なのはどれか。
  1. 「2か月間禁煙できていた経過を一緒に振り返ってみましょう」
  2. 「10年前から禁煙を継続している人を紹介しましょう」
  3. 「私が再度禁煙計画を作りましょう」
  4. 「たばこの害を復習してみましょう」
  5. 「ガムをかんで我慢しましょう」
1
問 29
介護保険制度における地域密着型サービスに含まれるのはどれか。
  1. 総合相談支援
  2. 地域生活支援
  3. 居宅介護住宅改修
  4. コミュニケーション支援
  5. 認知症対応型共同生活介護
5
問 30
人口10万人当たりの年間の肺がん死亡率が、喫煙者では100、非喫煙者では20、集団全体では50であった。
人口寄与危険割合はどれか。
  1. 30%
  2. 40%
  3. 50%
  4. 60%
  5. 80%
4
1-30
31-55