nurture.jp

第97回保健師国家試験

午後問題
問 31
ある事業所から発熱・下痢の集団発生があった旨の連絡があり、疫学調査を行った。
分析において有用性が低いのはどれか。
  1. 流行曲線
  2. ROC曲線
  3. 量-反応関係
  4. 職場別発生地図
  5. マスターテーブル
2
問 32
住民を対象としたグループワークの進め方で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 保健師は記録係に徹する。
  2. 講義を中心とした活動にする。
  3. メンバーの自己紹介は最小限にする。
  4. 話し合いの区切りには内容をまとめる。
  5. テーマに沿って話し合いの進め方を事前に考えておく。
45
問 33
特定健康診査で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 聴力検査を行う。
  2. 尿蛋白検査を行う。
  3. 実施主体は事業主である。
  4. LDLコレステロールを測定する。
  5. 悪性新生物に着目した健診である。
24
問 34
医療依存度の高い難病患者を地域で支えるために、都道府県保健所保健師が担う役割はどれか。2つ選べ。
  1. 支援実績のある社会資源を把握する。
  2. 在宅ケアスタッフ向け研修会を開催する。
  3. ショートステイが可能な施設を確保する。
  4. 地域生活支援事業の給付対象とする日常生活用具を検討する。
  5. 難病患者等居宅生活支援事業のホームヘルプサービス事業者を認定する。
12
問 35
患者調査に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 毎年実施される。
  2. 受療率が算出される。
  3. 有訴者率が算出される。
  4. 無作為抽出された病院・診療所を対象に調査する。
  5. 一定月の1週間に受診した患者に関する調査である。
24
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
 市では、発達障害のある子どもへの支援を積極的に進めている。幼稚園、保育所、小中学校、保健センター、医療機関および療育センターの各機関のメンバーによる連携会議を開催し、母子保健分野における発達障害支援ネットワークづくりを目指している。
問 36
保育所長から、市の保健師に「たびたびかんしゃくを起こし、集団生活になじめない5歳の男児がいる。母親に医療機関への受診を勧めたところ、急に怒り出してしまった」との相談の電話があった。
市の保健師が行う最初の対応として適切なのはどれか。
  1. 市の保健師が家族と連絡をとる。
  2. 保育所長に男児の保育所での行動を記録するように依頼する。
  3. 保育所長に母親の怒りは保育所長に対するものだと説明する。
  4. 保育所長に「児には障害があるようだ」と母親に伝えるよう提案する。
2
問 37
その後、男児は医療機関を受診し、広汎性発達障害の可能性があるといわれた。また、母親、保育所および市の保健師の間で連携がとれるようになった。保健センターでの相談で、母親は息子とうまく意思疎通ができないので困っているという。
市の保健師が行う助言として適切なのはどれか。
  1. 「大きな声で話すとよいでしょう」
  2. 「指示は直前に伝えるとよいでしょう」
  3. 「予定は時間の流れに沿って伝えましょう」
  4. 「やってはいけないことを文章にして壁に貼りましょう」
3
問 38
男児は主治医から療育のための専門機関を紹介され通院中である。ある日、保育所長から電話があった。同じクラスの複数の保護者から、男児の行動について「乱暴なので、うちの子どもが怪我をするのではないかと不安だ」との意見が寄せられたという。
このときの市の保健師の対応で優先度が高いのはどれか。
  1. 保健所保健師に対応を依頼する。
  2. 保育所長に保育士の増員を申請するように勧める。
  3. 男児を支援している関係機関を集めて対応を検討する。
  4. 不安を訴えた保護者と男児の母親との話し合いの場を持つ。
3
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
 人口7,000人の山間部の村。高齢化率は35%である。現在の主な保健福祉事業は、年5回の高血圧予防の健康教室と2か月に1回の乳幼児健康診査であり、各地区では週1回の高齢者サロンと月1回の育児教室を開催している。村長から委嘱を受けた健康推進員は10人活動している。昨年度の健康診査の結果、65歳以上の高齢者で要精密検査となった者は、高血圧30%、脂質異常症35%であった。健康診査の問診では、多くの高齢者から「歳をとって家族に迷惑をかけているのではないか心配だ」という声や、「世帯の小規模化で近所付き合いが減り、高齢者と子育て中の母親に孤立化の傾向がある」という声が聞かれた。
問 39
65歳以上で要精密検査となった者には、外出することが不安なため、閉じこもりの傾向が多くみられた。保健師は高齢者の閉じこもり予防のため健康推進員に協力を依頼することとした。
健康推進員に実施してもらう内容で適切なのはどれか。
  1. 地区ごとの高齢者サロンを高齢者に紹介する。
  2. 要精密検査となった高齢者を訪問し検査結果を伝える。
  3. 高齢者を訪問し脂質異常症や高血圧について説明する。
  4. 高血圧予防の健康教室で要精密検査となった高齢者に体操を指導する。
1
問 40
保健師は世代間交流事業が必要ではないかと考えた。
この世代間交流事業の実施目標として適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 健康推進員が増える。
  2. 健康教室への延べ参加者数が増加する。
  3. 母親が経験者に育児相談できる環境をつくる。
  4. 高齢者の高血圧要精密検査対象者が減少する。
  5. 高齢者が地域や家庭における役割を意識できる。
35
問 41
保健師は世代間交流事業の実施計画を立てることにした。
最も適切なのはどれか。
  1. 育児教室で高齢者が遊びを教える機会をつくる。
  2. 高齢者サロンで保健師による育児相談を実施する。
  3. 高齢者を対象とした高血圧予防教室の回数を増やす。
  4. 乳児とその母親を中学校に招いて生徒に「抱っこ体験」の機会をつくる。
1
次の文を読み42~44の問いに答えよ。
 人口10万人の市。この5年間で未成年者の覚せい剤不法所持の検挙数が増加している。公立小学校、中学校の養護教諭が集まる研究会で、国の健やか親子21の中間評価を参考として、薬物乱用対策について検討した。健やか親子21の中間評価による全国結果の抜粋を示す。
状況設定問題の画像
問 42
中間評価の結果で正しいのはどれか。
  1. 依存症よりも急性中毒について知っている割合が高い。
  2. 男子よりも女子の方が薬物乱用の有害性を知っている割合が高い。
  3. 中学生よりも高校生の方が依存症について知っている割合が高い。
  4. 中間評価時に有害性を知っている割合が最も上昇しているのは高校生である。
2
問 43
養護教諭の研究会は同様の調査を市内の全公立小学校・中学校で行った。その結果、小学6年生で急性中毒と依存症を正確に知っている者の割合が全国結果よりも20%も低く、中学3年生でも10%低かった。研究会がこの結果を市の校長会で報告したところ、小中学校全体で教育を推進するためにワーキンググループを作ることとなった。
ワーキンググループのメンバーで優先度が高いのはどれか。
  1. 学校薬剤師
  2. 主任児童委員
  3. 学校歯科医師
  4. スクールカウンセラー
1
問 44
ワーキンググループでは、プリシード・プロシードモデルをもとに計画を立てた。計画の一環として、ある小学校で6年生を対象に薬物乱用防止の健康教育を行った。授業1か月後に参加者の急性中毒と依存症を正確に知っている者の割合を調べたところ、上昇していた。
改善した要因はどれか。
  1. 強化要因
  2. 準備要因
  3. 実現要因
  4. 環境要因
2
次の文を読み45~47の問いに答えよ。
 Aさん、85歳の男性。48歳の息子との2人暮らし。民生委員から地域包括支援センターの保健師に「Aさんは息子が仕事で不在の日中は1人で過ごしている。最近やせてきて、着替えもできていない様子。ふらふらと近隣を歩き、迷子になることもある。認知症が進んでいると思われる。息子は介護を放棄しているようだ」と相談があった。
問 45
民生委員と一緒に息子が在宅の日に訪問すると、自宅にはごみが散乱していた。息子は、「父親の夕食は自分がお弁当などを買ってきているが、朝食はとらず、昼食はパンなどを買い置きしている」と言う。Aさんは失禁がみられ、数週間入浴もしていないようであった。
この事例への対応の緊急度を判断するための情報で最も重要なのはどれか。
  1. 家族の経済状況
  2. 別居家族の有無
  3. Aさんの栄養状態
  4. 息子の仕事の内容
3
問 46
息子は「1年前にかかりつけ医から父は認知症の初期だと説明された」、「毎日、仕事が忙しく帰りが遅くなる。父親はそれが不満で、わざと自分を困らせようとしているのだと思う。帰宅後、失禁で汚した下着が隠してあるのを見つけると、いらいらして、つい怒鳴ってしまうこともある」と言う。保健師は息子の大変さをねぎらい、相談を進めた。
保健師の支援内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 地域生活支援事業の利用の勧め
  2. 特定健康診査による状況確認の勧め
  3. 高齢者虐待事例として保健所への通報
  4. 介護保険による居宅サービス利用の勧め
  5. 認知症の症状とその対応方法についての説明
45
問 47
この地域では地域包括支援センターが、定期的に介護支援専門員や民生委員を対象とした研修会を実施している。保健師がAさんの事例について研修会で報告したところ、参加者から高齢者虐待か判断に迷う認知症事例が次々と紹介された。
高齢者虐待の早期発見対策で最も適切なのはどれか。
  1. 高齢者を対象とした認知症の講演会
  2. 日常生活自立支援事業の周知強化事業
  3. 自治会単位での高齢者生きがいサロン事業
  4. 高齢者支援にかかわる関係機関による認知症事例の検討会
4
次の文を読み48~50の問いに答えよ。
 町の保健師は、住民にアルコール関連疾患が増えてきたと感じていた。そこで生活習慣の調査を行い、住民の生活習慣の特徴を明らかにした上で、対策を立てていくことにした。
問 48
住民を対象に飲酒習慣を含んだ生活習慣調査を実施することとした。
標本調査を実施する際、無作為に抽出する対象として適切なのはどれか。
  1. 健康診査受診者
  2. 健康教室参加者
  3. 肝疾患で通院中の住民
  4. 住民登録をしている住民
4
問 49
生活習慣調査の結果を解釈する上で、比較するのに有用な統計資料はどれか。
  1. 国勢調査
  2. 患者調査
  3. 国民生活基礎調査
  4. 国民健康・栄養調査
4
問 50
住民調査と既存の統計資料との分析の結果、多量飲酒者が多いことがわかった。
ポピュレーションアプローチはどれか。
  1. 酒害相談日を設ける。
  2. 飲酒の健康影響に関するポスターを作成する。
  3. アルコール依存症の患者の治療状況を把握する。
  4. 健康診査受診者で1日2合以上の飲酒者に健康教育を行う。
2
1-30
31-50