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第104回助産師国家試験

午前問題
問 1
乳癌で正しいのはどれか。
  1. 前癌状態として乳腺症がある。
  2. 好発部位は乳房の内下部である。
  3. 閉経後の肥満がリスク因子である。
  4. 発症年齢のピークは60歳代である。
3
問 2
妊娠初期の過剰な摂取によって胎児の異常が生じる危険性がある栄養素はどれか。
  1. ビタミンA
  2. ビタミンB1
  3. ビタミンB6
  4. ビタミンB12
1
問 3
母体保護法第14条に明記されている人工妊娠中絶の適応となるのはどれか。
  1. 胎児が染色体異常であると診断された。
  2. 妊婦が妊娠中に梅毒に感染した。
  3. 暴行によって妊娠した。
  4. 妊婦が14歳である。
3
問 4
子宮頸がん検査の検体採取の説明で正しいのはどれか。
  1. 頸管に麻酔をする。
  2. 頸管粘液を採取する。
  3. 子宮口の扁平円柱上皮結合部を擦過する。
  4. プレパラートに塗布した検体を凍結保存する。
3
問 5
排卵期に血中濃度が急上昇するのはどれか。
  1. エストロゲン
  2. バソプレシン
  3. プロゲステロン
  4. 黄体形成ホルモン〈LH〉
4
問 6
妊娠による性器の変化で正しいのはどれか。
  1. 初期に卵巣は腫大する。
  2. 腟内の乳酸の産生が減少する。
  3. 子宮頸部は体部より早期に軟化する。
  4. 子宮壁の厚さは妊娠末期に最大となる。
1
問 7
胎盤通過性で正しいのはどれか。
  1. グルコースは通過しない。
  2. 免疫グロブリンIgGは通過する。
  3. 水溶性が高い物質ほど通過しやすい。
  4. 分子量が大きい物質ほど通過しやすい。
2
問 8
骨盤峡部の前後径を表しているのはどれか。
  1. 恥骨結合後面中央と第2、3仙椎癒合部の中央との距離
  2. 岬角の中央から恥骨結合上縁中央までの距離
  3. 恥骨結合下縁から仙骨下端中央までの距離
  4. 左右寛骨臼内面中心間の距離
3
問 9
産褥4日の初産婦。産後の経過に異常はなく、母乳育児をしている。明日退院予定である。2年後に2人目の子どもが欲しいと話した。
  1. コンドームは産後8週まで使用できない。
  2. ペッサリーは妊娠前と同じサイズのものでよい。
  3. 低用量経口避妊薬は産後1か月から使用できる。
  4. 子宮内避妊器具〈IUD〉は子宮の復古が確認されたら挿入できる。
4
問 10
A病院では希望がある場合に助産師による家庭訪問を行っている。5月、正常分娩して退院した初産婦の産褥10日に家庭訪問を行うことになった。
家庭環境について把握する項目で最も重要なのはどれか。
  1. ベビーバスの有無
  2. 児の冬服の準備状況
  3. 温度および湿度調整の可否
  4. 独立した育児用の部屋の有無
3
問 11
妊婦の心理で多くみられるのはどれか。
  1. 妊娠初期に胎児への関心が最も高まる。
  2. 妊娠中期にアンビバレントな感情が強くなる。
  3. 出産準備教育を受けることで出産に対する不安は消失する。
  4. 妊娠による体型の変化のとらえ方と妊娠の受容は関連する。
4
問 12
Aさん(33歳、経産婦)。夫と長男(3歳)との3人暮らし。妊娠24週2日の妊婦健康診査で来院した。妊娠経過は順調である。診察時、助産師に「前回の出産は1人で長い時間陣痛に耐えて痛くてつらかったです。夫は仕事で出産後に病院に到着しました。今回の付き添いも夫と話したけど、難しそうです。また同じ思いをするのかと思うと、不安です」と話す。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
  1. 経産婦の平均分娩所要時間を説明する。
  2. 硬膜外麻酔分娩について情報提供する。
  3. 子どもの立会い出産を検討するよう促す。
  4. Aさんが希望するケアについて話し合う。
4
問 13
産褥の時期と子宮復古の正常な所見の組合せで正しいのはどれか。
1.
産褥2日
子宮底を臍高に触知
2.
産褥7日
外子宮口1指開大
3.
産褥14日
赤色悪露
4.
産褥28日
手拳大の子宮
2
問 14
Aさん(26歳、初産婦)。妊娠39週6日で2,850gの女児を正常分娩した。本日産褥2日、助産師が訪室すると、Aさんが児に布団をかけずに寝かせていた。児の検温をすると36.4℃で、手足にやや冷感を認めた。
助産師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 母児同室を一時中断する。
  2. 育児のパンフレットを渡す。
  3. 頻回に児の体温計測を行うよう指導する。
  4. 一緒に児の手足を触りながら冷感について説明する。
4
問 15
Aさん(38歳、初産婦)。母乳で育てたいと強く希望している。産褥3日、授乳時に児が泣き止まず助産師が呼ばれた。授乳状況は、児の顎が下に向いて乳房で顔がふさがり、児の首がねじれた状態で、Aさんは自分の乳房を強くつかんで押し込んでいた。
助産師の説明として、適切なのはどれか。
  1. 「乳房を支えて赤ちゃんに近づけましょう」
  2. 「赤ちゃんの下顎が乳房に触れないようにしましょう」
  3. 「赤ちゃんの耳、肩、おしりが一直線になるように抱っこしましょう」
  4. 「赤ちゃんを乳房に近づけるときは、下唇が乳頭の位置にくるようにしましょう」
3
問 16
Aさん(34歳、初産婦)。妊娠41週1日。予定日超過のため誘発分娩目的で入院した。入院後2日目に陣痛発来したが、回旋異常のため吸引分娩で出産した。分娩時出血量700mL、分娩所要時間は32時間であった。出生時体重3,560g、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後7点、5分後10点であった。Aさんは分娩中、陣痛時は大声をあげ、分娩台の上での体動が大きく、分娩後は「こんなはずではなかった」と表情は暗かった。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
  1. 頻回授乳の促し
  2. 分娩体験の振り返り
  3. 母児同室の早期の開始
  4. 産後ケア事業の情報提供
2
問 17
母乳栄養希望のあるヒトT細胞性白血病ウイルス-Ⅰ型〈HTLV-1〉キャリア妊婦に対して推奨される第一選択の授乳指導はどれか。
  1. 離乳の完了までの直接母乳栄養
  2. 生後90日までの直接母乳栄養
  3. 凍結母乳による栄養
  4. 完全人工栄養
4
問 18
生後1か月の健康診査時、母親から児のいちご状血管腫について相談を受けた。
母親への助産師の説明で正しいのはどれか。
  1. 「日光には当てないでください」
  2. 「局所の感染に注意する必要があります」
  3. 「治療に関して小児科で相談してください」
  4. 「皮脂の分泌過多が原因で症状が悪化します」
3
問 19
戦後の母子保健施策を年代順に古いものから表に示す。
問19の画像
(   )に入るのはどれか。
  1. 育成医療の開始
  2. 未熟児養育医療の開始
  3. B型肝炎母子感染防止事業の開始
  4. 妊産婦健康診査の公費負担制度の制定
4
問 20
平成30年(2018年)の母子保健統計で正しいのはどれか。
  1. 合計特殊出生率は約1.8である。
  2. 周産期死亡数は約3,000人である。
  3. 人工妊娠中絶実施率(女子人口千対)は約1.0である。
  4. 女性の労働力率を年齢階級別にみると逆U字型曲線を描く。
2
問 21
妊婦健康診査でHBs抗原陽性、HBe抗原陽性を指摘された初産婦に対して行う母子感染予防策で正しいのはどれか。
  1. 出産直前の母体に抗ウイルス薬投与を行う。
  2. 予定帝王切開で分娩を行う。
  3. 出生直後の児にB型肝炎ワクチン接種を行う。
  4. 生後2か月で抗HBsヒト免疫グロブリン投与を行う。
3
問 22
公的医療保険が適応されるのはどれか。
  1. 新生児の沐浴指導料
  2. 正常経腟分娩の分娩介助料
  3. 貧血を生じた褥婦に対する鉄剤の処方料
  4. 新生児の先天性代謝異常等マススクリーニング検査費用
3
問 23
法律において、「使用者は、産後〔①〕週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後〔②〕週間を経過した女性が請求した場合において、その者について、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない」と規定されている。
①と②に入る数字の組合せで正しいのはどれか。
1.
4
6
2.
6
8
3.
8
4
4.
8
6
4
問 24
児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に明記されている助産師の役割はどれか。
  1. 児童虐待の早期発見
  2. 虐待を受けた児童の一時保護
  3. 虐待のおそれがある児童の居所への訪問
  4. 保護者に対する児童虐待防止のための教育
1
問 25
周産期病棟における新生児の安全管理で適切なのはどれか。
  1. 児の移動は抱っこで行う。
  2. 児の総数は1日1回確認する。
  3. 児の識別用ネームバンドは退院日の朝に外す。
  4. 新生児の姓名(ネームカード)が廊下から見えないようにする。
4
問 26
陣痛発来後に分娩進行が停滞した産婦に対し、陣痛促進を目的として実施した足浴の効果を評価するための指標で適切なのはどれか。
  1. 足浴実施から分娩終了までの時間
  2. Apgar〈アプガー〉スコア
  3. 回旋異常の頻度
  4. 鉗子分娩の比率
  5. 分娩時出血量
1
問 27
月経前症候群〈PMS〉で正しいのはどれか。
  1. 日常生活に支障がある。
  2. 薬物治療は無効である。
  3. 更年期症状の一つである。
  4. 原因は子宮内膜症である。
  5. 月経前不快気分障害〈PMDD〉は軽症型である。
1
問 28
胎児超音波検査において後頸部透亮像〈nuchal translucency:NT〉の評価時期で適切なのはどれか。
  1. 妊娠9週
  2. 妊娠12週
  3. 妊娠18週
  4. 妊娠24週
  5. 妊娠30週
2
問 29
日本人の食事摂取基準(2015年版)で、妊娠中の女性が非妊時と同量の摂取で良いとされる栄養素はどれか。
  1. カルシウム
  2. タンパク質
  3. ビタミンC
  4. 葉酸
1
問 30
出生直後の新生児の血糖維持の機序において、最も早期に効果が発現するホルモンはどれか。
  1. グルカゴン
  2. カテコラミン
  3. コルチゾール
  4. 成長ホルモン
  5. 甲状腺ホルモン
1
1-30
31-55