第87回助産師国家試験
午前問題
問 1
ICM(国際助産師連盟)で正しいのはどれか。
- 我が国は設立当初から加盟している。
- 大会は目的達成のために2年毎に開催している。
- 目的は助産師が提供するケア水準の向上である。
- 文化的多様性を尊重し、その範囲内で支援を行う。
3
問 2
バースプランで正しいのはどれか。
- 妊産婦と家族の希望を常に優先する。
- 人権への配慮が主眼である。
- 妊産婦と家族にとっての出産のあり方を考える。
- 助産師が妊産婦の出産を立案する方法である
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
3
問 3
更年期女性の身体的変化で正しいのはどれか。
- 血中ゴナドトロピン値が低下する。
- 50歳代になると卵子数が急激に減少する。
- 膣pHが上昇し抵抗性が低下する。
- 子宮が膣より早く萎縮する。
3
問 4
男性の性的欲求低下障害で正しいのはどれか。
- 自発的受診よりパートナーの勧めによる受診が多い。
- 長期間性欲が低下してからの受診が多い。
- 勃起障害を伴うことは少ない。
- 性欲相の障害が原因になる。
4
問 5
喫煙と胎児・新生児との関係で正しいのはどれか。
- シアン化合物が胎児の蛋白合成を促進する。
- カルボキシルヘモグロビン(CO-Hb)は減少する。
- ニコチンは胎盤血流量を減少させる。
- ニコチンは母乳には移行しない。
3
問 6
子宮および付属物を支持するうえで寄与が少ない靱帯はどれか。
- 広靱帯(子宮広間膜)
- 円靱帯(子宮円索)
- 卵巣固有靱帯(固有卵巣索)
- 骨盤漏斗靱帯(卵巣提索)
1
問 7
帝王切開術中の産婦で正しいのはどれか。
- 胃の蠕動が亢進している。
- 仰臥位低血圧症候群を発症しやすい。
- 脊椎麻酔では血圧が上昇する危険がある。
- エフェドリンによって子宮筋が弛緩する。
2
問 8
37歳の妊婦。妊娠8週。ダウン症候群を心配し検査を希望して来院した。
説明で正しいのはどれか。
説明で正しいのはどれか。
- 夫とともに染色体検査を受ける。
- トリプルマーカー検査法で確定診断ができる。
- 羊水穿刺による流産率は約2%である。
- 羊水穿刺は妊娠15週以降に行う。
4
問 9
遺伝性疾患で正しいのはどれか。
- 常染色体優性遺伝子の形質の発現は突然変異によることが多い。
- 常染色体劣性遺伝疾患の再発危険率は8分の1以下である。
- 伴性遺伝ではY染色体上の遺伝子の異常が問題となる。
- 近親婚では児が常染色体優性遺伝疾患を発症する可能性が高くなる。
1
問 10
40歳未満の女性にも好発するのはどれか。
- 外陰の扁平上皮癌
- 子宮頸部の扁平上皮癌
- 子宮体部の腺癌
- 卵巣の腺癌
2
問 11
性器ヘルペスで正しいのはどれか。
- 抵抗力の低下によって再発する。
- 女性性器に感染するのは2型だけである。
- セフェム系抗菌薬が有効である。
- 産道感染によって新生児重大な感染症を起こす。
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
2
問 12
不妊症の検査法と目的との組合せで正しいのはどれか。
1. | TRHテスト | 高プロラクチン血症 | |
2. | ルビンテスト | 精子と頸管粘液との不適合 | |
3. | ヒューナーテスト | 卵管閉塞 | |
4. | LH-RHテスト | 黄体機能不全症 |
1
問 13
妊娠黄体が退職しプロゲステロン生成が主に胎盤へ移行する時期はどれか。
- 妊娠6週
- 妊娠10週
- 妊娠14週
- 妊娠18週
2
問 14
妊娠20週の胎児で誤っているのはどれか。
- 胎位や胎向を盛んに変える。
- 呼吸様運動を行う。
- 肺サーファクタントが合成され肺が成熟する。
- 羊水を嚥下し尿として排泄する。
3
問 15
胎盤で正しいのはどれか。
- 分子量が1,000以下の物質は容易に通過する。
- hCGの血中濃度は胎盤重量と相関する。
- 絨毛上皮の最外層にはシンシチウム細胞がある。
- 妊娠中毒症ではらせん動脈の過形成が起こる。
3
問 16
図は胎児期から乳児期の免疫グロブリン血中濃度の変化である。
正しいのはどれか。
- ①は早産児では低値を示す。
- ②の産生が不十分なため、生後3か月ころ免疫グロブリン最低となる。
- ③は新生児の腸管の気管支粘膜の最近やウイルス感染を防止する。
- ④は先天性感染症では新生児の血中濃度が高い。
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
1
問 17
25歳の専業主婦。妊娠16週。身長153cm、体重50kg(非妊時48kg)。指導で適切なのはどれか。
- 妊娠中の体重は53kg以内
- 蛋白質は60g/日
- 摂取エネルギー量は1,900kcal/日
- カルシウムは800mg/日
3
問 18
図は妊娠期の心理的な変化を示す。
正しい組合せはどれか。
<A> | <B> | ||
1. | 喜びの感情 | 不安の感情 | |
2. | 胎児への肯定的な愛着 | 胎児への否定的な愛着 | |
3. | 出産への希望 | 出産への不安 | |
4. | 母親役割の受容 | 母親役割の否認 |
1
問 19
陣痛で正しいのはどれか。
- 陣痛発作と陣痛間欠とを合わせた時間を陣痛周期という。
- 胎盤循環は陣痛発作時に変化しない。
- 分娩陣痛は開口期陣痛と娩出期陣痛との2種である。
- 後陣痛は経産婦より初産婦に強い。
1
問 20
児頭の正常な娩出機転で正しいのはどれか。
- 順(正)軸進入は矢状縫合が骨盤入口面縦径に平行である。
- 第1回旋で児頭の産道通過面が小斜径周囲になる。
- 第2回旋で矢状縫合は骨盤前後径に一致し大泉門は恥骨結合に向かう。
- 第1前方後頭位の骨重積は左頭頂骨が右頭頂骨の上に重なる。
2
問 21
分娩開始前から分娩第2期の母体の変化で正常から逸脱しているのはどれか。
- 体温が36.7℃から37.2℃に上昇
- 収縮期血圧が120mmHgから135mmHgに上昇
- 赤血球数が410万/µLから450万/µLに増加
- 白血球数が8,900/µLから11,000/µLに増加
1
問 22
産婦の強い不安が母体や分娩に及ぼす影響で適切なのはどれか。
- 血中カテコールアミンは増加する。
- 子宮収縮は増強する。
- 分娩時間は短縮する。
- 子宮血流量は増加する。
1
問 23
乳汁分泌で正しいのはどれか。
- プロラクチンの分泌は分娩終了後に急増する。
- エストロゲンは乳汁分泌を抑制する。
- 初産婦は産褥1日から乳汁分泌が亢進する。
- ブロモクリプチンは乳汁分泌を促進する。
2
問 24
予防接種法における疾病と接種対象年齢との組合せで正しいのはどれか。
1. | 急性灰白髄炎 | 生後1か月~3か月未満 | |
2. | 日本脳炎 | 生後3か月~6か月未満 | |
3. | 麻疹 | 生後3か月~12か月未満 | |
4. | 風疹 | 生後12か月~90か月未満 |
4
問 25
25歳の初産婦。一絨毛膜二羊膜性双胎、IUGR(子宮内発育遅延)のため管理入院している。妊娠33週0日の推定児体重は第1児1,812g、第2児1,254gで、第2児は羊水過少であった。同日NSTを実施したところ第2児に図のような胎児心拍パターンがみられた。
処置で適切なのはどれか。
- NSTを続行する。
- 体位変換を行う。
- 酸素吸入を行う。
- 帝王切開術を行う。
4
問 26
子宮筋腫合併妊娠で誤っているのはどれか。
- 近年、合併率は増加傾向にある。
- 流早産率が約2倍になる。
- 筋腫核の変性や壊死によって痛みが起こる。
- 約7割で筋腫核が増大する。
4
問 27
30歳の経産婦。妊娠39週1日。陣痛発来のため入院した。入院経過は特に異常なく、5日前の妊娠健康診査で推定児体重は3,780gであった。入院6時間後に突然激しい下腹痛と不安を訴えた。外出血はなく、内診により児の先進部が触知できなくなった。血圧78/60mmHg、脈拍120/分、呼吸数42/分。図はこのときの胎児心拍陣痛図である。
疑われるのはどれか。
- 微弱陣痛
- 子宮破裂
- 常位胎盤早期剥離
- 共圧陣痛
2
問 28
骨盤位で経膣分娩が禁忌となるのはどれか。
- 推定児体重が3,500g
- 複殿位
- 母体の身長が152cm
- 児頭が反屈
4
問 29
産褥期の血栓塞栓症の危険因子はどれか。
- 床上安静
- 若年妊娠
- 鉗子分娩
- 授乳
1
問 30
産後うつ病で正しいのはどれか。
- 産後2日以内に発症する。
- 症状は数日以内で消失する。
- 自殺念慮は伴わない。
- 産褥精神病の中で最も頻度が高い。
4