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第87回助産師国家試験

午前問題
問 31
新生児けいれんの原因として考えにくいのはどれか。
  1. 低血糖症
  2. 低カルシウム血症
  3. 髄膜炎
  4. 低体温
4
問 32
クラミジアが原因となる新生児の感染症はどれか。
  1. 咽頭炎
  2. 肺炎
  3. 腸炎
  4. 膀胱炎
2
問 33
脳室周囲白質軟化症(PVL)で正しいのはどれか。
  1. 成熟児に発症しやすい。
  2. 虚血性変化による病変である。
  3. 新生児期にけいれんが多く認められる。
  4. 治療可能な疾患である。
2
問 34
乳児の栄養で正しいのはどれか。
  1. 離乳食はでんぷん性食品から始める。
  2. 果汁の酸味が強いときは蜂蜜で甘味をつける。
  3. 離乳の完了とは母乳や人工乳を摂取しなくなったときをいう。
  4. 乳児の食物アレルギーの多くは母乳がアレルゲンである。
1
問 35
合併症のない39週の産婦の胎児心拍陣痛図である。
問35の画像
助産師がまず行うべき対応はどれか。
  1. このまま経過観察する。
  2. 体位変換をする。
  3. 医師に連絡する。
  4. 酸素吸入を行う。
2
問 36
自然流産後の女性の心理的喪失を癒すため、悲しみの感情を表出できるよう早期に行う援助はどれか。
  1. アサーティブ・トレーニング
  2. セルフコントロール
  3. ピアカウンセリング
  4. グリーフカウンセリング
4
問 37
第一子が染色体異常のため、次子妊娠の前に夫婦で相談に訪れた。
適切な対応はどれか。
  1. 開かれた質問法(open-ended question)を用いて相談者の意思を確認した。
  2. 検査データは夫婦で共有するように話した。
  3. 反復出現率は一般の発生頻度に比べて高いことを強調した。
  4. 発生しない確率を数字で示した。
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
2
問 38
助産師が小学校4年生に性教育を実施した。
教育内容で優先度が低いのはどれか。
  1. 生命の誕生
  2. 男女の身体的特徴
  3. 男女の役割
  4. 性衝動への対応
4
問 39
未婚女性。月経痛が強いため婦人科外来を受診した。外来で助産師が対応し幼少時に性的暴力を受けた経験をもつことがわかった。
診察の説明で適切でないのはどれか。
  1. 過去の記憶がよみがえることがあると説明する。
  2. 診察はいつでも途中で止められることを説明する。
  3. 内診の必要性を説明する。
  4. 内診は短時間で終わるので我慢するよう説明する。
4
問 40
経口避妊薬で正しいのはどれか。
  1. ほとんどが黄体ホルモンの単剤である。
  2. 医療保険が適用される。
  3. 性器出血がみられても排卵は抑制される。
  4. 分娩後に服用すると乳汁分泌が促進される。
3
問 41
妊娠を最も早期に確認できる診断法はどれか。
  1. 早朝尿で尿中のhCG(25~50単位/L)を確認する。
  2. 早朝尿でLHサージを確認する。
  3. 基礎体温で14日間持続した高温相を確認する。
  4. 超音波断層法で子宮内の胎嚢を確認する。
1
問 42
妊婦の母親役割への適応で正しいのはどれか。
  1. 胎児への愛情を示す言葉が聞かれない場合は愛情がないと判断する。
  2. 初産婦は妊娠初期からどのような母親になるかをイメージしやすい。
  3. 胎児のイメージを育むことは母親役割適応への準備となる。
  4. 個人的欲求と母親役割との葛藤が生じることはまれである。
3
問 43
父親が出産準備教育に参加する目的で適切でないのはどれか。
  1. 母親役割を代行できるようにする。
  2. 父親としてのアイデンティティを確立する機会とする。
  3. 分娩時に産婦をサポートできる知識を得る。
  4. 経験者からの情報収集や仲間作りの場とする。
1
問 44
妊娠10週の勤労妊婦。つわりの症状が強いので「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用して必要な措置を事業主に申請したい。
適用できる措置で最も適切なのはどれか。
  1. 休業
  2. 勤務時間の短縮
  3. 負担の大きい作業の制限
  4. 長時間の立ち作業の制限
2
問 45
分娩第2期の産婦が両手のしびれと息苦しさとを訴えた。母体の呼吸数は増加したが、他のバイタルサインや胎児心拍には異常はみられなかった。
まず必要な援助はどれか。
  1. ビニール袋を用いた呼吸の指導
  2. 酸素吸入
  3. リラクゼーション法の支援
  4. 側臥位への体位変換
1
問 46
妊娠29週の経産婦。前期破水と切迫早産の診断で入院した。頭位で児心音は正常で、医師から塩酸リトドリンの点滴静脈内注射の指示が出された。
観察項目で優先度が低いのはどれか。
  1. 子宮収縮
  2. 羊水の性状
  3. 胎動
  4. 母体の脈拍
3
問 47
妊娠貧血で正しいのはどれか。
  1. 鉄吸収率の低下がみられる。
  2. 胎児への鉄供給が主な原因である。
  3. 鉄剤の経口投与の常用量は約100mg/日である。
  4. 軽症でも動悸や息切れが出現しやすい。
3
問 48
妊娠32週の経産婦。重症妊娠中毒症で入院した。入院後すぐに子宮収縮を訴えた。図はそのときの胎児心拍陣痛図である。
問48の画像
予測される治療方針で適切なのはどれか。
  1. 胎児心拍モニタリングを続行する。
  2. 子宮収縮を抑制して胎児が成熟するのを待つ。
  3. 妊娠中毒症の対症療法を開始する。
  4. 直ちに帝王切開術を行う。
4
問 49
産痛を増強させるのはどれか。
  1. 産婦の家族への依存度が高い。
  2. 家族の情緒的サポートが高い。
  3. 産痛緩和の対処能力が高い。
  4. 分娩に対するイメージと現実とが一致している。
1
問 50
28歳の経産婦。妊娠39週5日。陣痛間欠3~4分、発作40~50秒で入院した。入院時の子宮口は7cm開大、Station±0、未破水、胎児心拍数140~150bpmであった。産婦は緊張が強く、苦しそうな表情がみられた。
適切な対応はどれか。
  1. 浣腸を行う。
  2. 鎮痛鎮静薬を用意する。
  3. 努責の練習を促す。
  4. 分娩の準備をする。
4
問 51
29歳の初産婦。子宮口が全開大してから1時間が経過している。児頭は排臨状態で早発一過性徐脈が出現している。
適切な対応はどれか。
  1. 陣痛発作時にできるだけ長く努責を促す。
  2. 産婦が好む姿勢にする。
  3. 外陰消毒を開始する。
  4. 膣壁を圧排して児頭の下降を促す。
2
問 52
仰臥位での正常分娩。
児頭娩出時の努責調整で適切なのはどれか。
  1. 短息呼吸をさせながら陣痛の極期にゆっくりと陰門を通過させる。
  2. 自然な努責なら児頭が陰門を通過するときも努責してよい。
  3. 陣痛の退行期にゆっくりと陰門を通過させる。
  4. 陣痛が強いときは間欠時にゆっくりと陰門を通過させる。
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
4
問 53
初産婦。第2前方後頭位。
分娩介助(仰臥位)で正しいのはどれか。
  1. 児頭が排臨してきたら会陰保護を行う。
  2. 後頭結節が恥骨弓下を滑脱するまで屈位を保つようにする。
  3. 第4回旋は児の右肩が母体の前方に向かうようにする。
  4. 児は骨盤誘導線に沿って水平になるように娩出する。
2
問 54
オキシトシンよりもプロスタグランジンによる分娩誘発が優れている点はどれか。
  1. 過強陣痛が起こりにくい。
  2. 頸管未成熟例の成功率が増加する。
  3. 血栓性静脈炎が起こりにくい。
  4. 胎児仮死が少ない。
2
問 55
22歳の初産婦。妊娠37週5日。午前3時に陣痛が発来し入院した。午前11時に「痛くてもう我慢できない」と訴えた。子宮口は4cm開大であり、陣痛間欠1~2分、発作は60~90秒、胎児心拍数は150bpmであった。
産婦への援助で適切なのはどれか。
  1. 分娩監視装置の使用を中断する。
  2. 体力保持のため飲食を勧める。
  3. 子宮下部の圧痛に注意する。
  4. 鎮痛薬の処方を医師に依頼する。
3
問 56
分娩時出血多量で輸血が必要な褥婦。
輸血量が適正と判断できるのはどれか。
  1. 自覚症状の消失
  2. 血圧および脈拍数の正常化
  3. ヘモグロビン値が10g/dL
  4. 出血量とほぼ同量
2
問 57
生後5日の新生児。
母乳不足のサインはどれか。
  1. 母乳を8~12回/日飲んでいる。
  2. 排尿が3回/日である。
  3. 黄色便が3回/日である。
  4. 体重が増加傾向に転じている。
2
問 58
新生児期の母子関係の形成に関するアセスメント項目で優先度が低いのはどれか。
  1. 児の気質的特徴
  2. 家族の支援体制
  3. 母の性格
  4. 母の学歴
4
問 59
27歳の褥婦。産後6週に、妊娠中していたエアロビック・ダンスを再開したいと相談してきた。悪露はほとんどなく、母乳栄養だが家族の協力もあり時間の調整は可能であるという。産後4週の健康診査の結果に異常はなかった。
適切な指導はどれか。
  1. エアロビック・ダンスを始めるのは差し支えない。
  2. 脈拍数110/分程度までの強度の運動ならよい。
  3. 乳房に負担がかかるので好ましくない。
  4. 関節や靱帯がまだ正常に回復していないので控えたほうがよい。
1
問 60
18歳の初産婦が正常分娩した。夫は35歳の会社員で毎日帰宅が遅く出張も多い。
退院に向けたアセスメント項目で優先度が高いのはどれか。
  1. 家族の育児支援体制
  2. セルフケア能力
  3. 収入
  4. 居住環境
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
1