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第90回助産師国家試験

午前問題
問 31
生後2日、3,020gの新生児。妊娠39週2日で前期破水と羊水混濁の他は異常がなく出生した。四肢末端の冷感があり、皮膚の色が悪い。母乳の飲みも悪く、なんとなく活気がない。体温は肛門検温で36.0℃である。
この時点の判断で正しいのはどれか。
  1. 四肢末端の冷感は生理的である。
  2. 欲しがるまでは授乳を待つ。
  3. 2時間後に肛門検温をする。
  4. 医師に連絡する。
4
問 32
新生児の皮膚の状態で正しいのはどれか。
  1. サーモンパッチの多くは生後1~2年の消退傾向を示す。
  2. 脂漏性湿疹は石けんやシャンプーの刺激で悪化する。
  3. カフェオレ斑はスタージウェバー症候群に併発する。
  4. 中毒性紅斑は早産児ほど多く出現する。
1
問 33
出生体重800gの新生児。妊娠26週に帝王切開術で出生した。
この新生児に発症しにくいのはどれか。
  1. 無呼吸発作
  2. 壊死性腸炎
  3. 新生児一過性多呼吸
  4. 新生児呼吸窮迫症候群
3
問 34
妊婦との接触を禁止する子どもの疾患はどれか。
  1. 突発性発疹
  2. 伝染性紅斑
  3. 伝染性膿痂疹
  4. 伝染性単核球症
2
問 35
経膣超音波検査の項目と評価が可能となるおおよその週数との組合せで正しいのはどれか。
1.
胎嚢
妊娠5週
2.
胎児心拍
妊娠8週
3.
胎児頭殿長
妊娠12週
4.
児頭大横径
妊娠16週
1
問 36
妊娠中の未婚女性が妊娠の継続に不安を抱いて産婦人科外来を受診した。
助産師による面接の初期段階の対応で適切なのはどれか。
  1. 妊娠・出産について「はい」、「いいえ」で答えられる質問をする。
  2. 沈黙が続いたら助産師が話題を決める。
  3. 相手の話の中から話題を展開する。
  4. 相手の考えを客観的に分析し伝える。
3
問 37
参加者の主体性を重視した母親学級の運営で適切なのはどれか。
  1. 1クラスに多くの受講者を受け入れる。
  2. 1コースの担当助産師を毎回交代する。
  3. プログラムを決めずに参加者の自主運営とする。
  4. 分娩への不安について話し合って解決策を見いだす。
4
問 38
18歳の女子。下腹部痛を訴えて助産所に相談にきた。不特定多数の相手と性交渉を持っている。16日前に5日間持続した月経が終了し、1週前から帯下が増加した。
対応で最も適切なのはどれか。
  1. 妊娠反応を確認する。
  2. 産婦人科医の受診を勧める。
  3. 保健所での性感染症の血液検査を勧める。
  4. 次回からコンドームを必ず使用するよう勧める。
2
問 39
49歳の女性。2人の子どもは結婚し独立している。子宮がん検診終了後「最近寝つきが悪く、イライラする。夫に話をしたくても仕事が忙しく聞いてもらえない。寂しくてどうしていいかわからない」と助産師に訴えた。
対応で最も適切なのはどれか。
  1. 更年期症状の程度を把握する。
  2. 心療内科の受診を勧める。
  3. 夫と共に再度来院するように勧める。
  4. ホルモン補充療法を受けるように勧める。
1
問 40
経口避妊薬の副作用で起こりやすいのはどれか。
  1. 乳癌
  2. 低血圧症
  3. 溶血性貧血
  4. 月経困難症
1
問 41
妊娠による変化で正しいのはどれか。
1.
乳房の変化
リビド着色
2.
外陰部の変化
モントゴメリー腺
3.
子宮膣部の変化
へガール徴候
4.
子宮の変化
ピスカチェック徴候
4
問 42
妊娠40週。超音波検査で30分間に30秒以上続く呼吸様運動が1回、体幹や四肢が伸展し屈曲位に戻る運動が3回、胎動に伴い一過性頻脈が4回、2つの垂直断面像で2.5cmの羊水ポケットが2つみられた。
Manning らの Biophysical Profile Scoring で児の健康状態はどれか。
  1. 正常である。
  2. 慢性低酸素症を疑う。
  3. 慢性低酸素症が強く疑われる。
  4. 帝王切開術が必要である。
1
問 43
34歳の初産婦。妊娠20週2日、単胎、頭位。学童期にIgA腎症の既往歴があるが、妊娠経過は正常である。助産所での里帰り分娩を希望している。
対応で適切なのはどれか。
  1. 助産所を紹介する。
  2. 37週頃に里帰りするよう勧める。
  3. 母体管理ができる医療機関への分娩予約を勧める。
  4. 36週以降は飛行機に乗れないと説明する。
3
問 44
未熟児養育医療で正しいのはどれか。
  1. 健康保険法に規定されている。
  2. 出生体重2,500g以下の児が対象となる。
  3. 親の所得に関係なく給付される。
  4. 給付の対象年齢は1歳未満である。
4
問 45
10代の妊娠における産科的特徴で正しいのはどれか。
  1. 成熟女性に比べて周産期死亡率は低い。
  2. 成熟女性に比べて性感染症(STD)が多い。
  3. 早産の頻度は未婚者に比べて既婚者が高い。
  4. 経膣分娩よりも帝王切開術による分娩が多い。
2
問 46
妊娠貧血で正しいのはどれか。
  1. 母体血清鉄は胎盤を通過する。
  2. プロゲステロンにより造血能が低下する。
  3. 血漿量の増加は妊娠10か月でピークとなる。
  4. 妊娠貧血の母親から出生した新生児では貧血の頻度が高い。
1
問 47
35歳の経産婦。妊娠40週5日で陣痛が発来し入院した。入院時所見は陣痛3分間欠、子宮口5cm開大、Station-3、展退度90%であった。2時間後の所見は陣痛2分30秒から3分間欠、発作40秒、子宮口9cm開大、Station-3、展退度100%で、小泉門が12時に触れた。
アセスメントで正しいのはどれか。
  1. 正常分娩経過
  2. 微弱陣痛
  3. 回旋異常
  4. 児頭骨盤不均衡
4
問 48
正常な分娩経過で児頭が嵌入している状態にあるのはどれか。
  1. Station-3
  2. 先進部が入口部の位置
  3. 大横径が骨盤入口部を通過した位置
  4. 内診による恥骨後面全部の触知
3
問 49
33歳の経産婦。「前回は自分で産んだという満足感がなかったので、今回は自分のペースを大切にして産みたい」と言う。
分娩第1期のケアで適切でないのはどれか。
  1. 静かに産婦に付き添う。
  2. 陣痛発作時に産婦の呼吸をリードする。
  3. 産婦の要求に応じられる距離にいる。
  4. 分娩進行に伴う対処行動を観察する。
2
問 50
胎盤娩出で正しいのはどれか。
  1. 胎盤娩出方式ではダンカン様式が多い。
  2. 剥離が下縁から始まったときはシュルツェ様式で娩出される。
  3. 剥離に伴い膣外に臍帯が下降することをストラスマン徴候という。
  4. 剥離すると子宮底が高くなり右傾することをシュレーダー徴候という。
4
問 51
分娩体位と骨盤誘導線、重力、ベクトルとの組合せで正しいのはどれか。

骨盤誘導線:A  重力:B  ベクトル:C
1. スクワット2. 側臥位
選択肢1の画像選択肢2の画像
3. 仰臥位4. 四つばい
選択肢3の画像選択肢4の画像
1
問 52
仰臥位分娩における経産婦の分娩介助で適切なのはどれか。
  1. 児頭が鶏卵大に出現してから会陰保護を開始する。
  2. 努責時間は20秒とする。
  3. 児頭の娩出速度の調整は会陰にあてた手に力を入れる。
  4. 第3回旋が終了するまで努責を続ける。
1
問 53
下記の胎児心拍陣痛図で考えられるのはどれか。
問53の画像
  1. 正常分娩経過
  2. 過強陣痛
  3. 子宮破裂
  4. 常位胎盤早期剥離
4
問 54
初産婦、妊娠36週。前期破水で入院した。血液検査を行ったところ、AST(GOT)180IU/L、ATⅢ45%、血小板7万/µL、推定児体重2,670gであった。同時に行った胎児心拍陣痛図は正常であった。
この場合、優先されるのはどれか。
  1. NICUへの連絡
  2. 吸引分娩の準備
  3. エストリオール検査
  4. 播種性血管内凝固症候群(DIC)治療の準備
4
問 55
肩甲難産で適切なのはどれか。
  1. 後在肩甲が恥骨下へ入り込む。
  2. 児の予後に顔面神経麻痺が多い。
  3. 休息な児頭娩出後に起こりやすい。
  4. マックロバーツの体位が有効である。
4
問 56
産科手術で正しいのはどれか。
  1. 帝王切開術の麻酔法は吸入麻酔が第1選択である。
  2. 骨盤位牽出術ではファイトスメリー法で上肢解出を行う。
  3. 子宮口が8cm開大していれば鉗子遂娩術を行うことができる。
  4. 吸引遂娩術は鉗子遂娩術より牽引力が弱い。
4
問 57
吸啜反射で正しいのはどれか。
  1. 3歳でも反射はある。
  2. 胎児では妊娠28週頃から出現する。
  3. 反射が出ないときには中枢神経障害を疑う。
  4. 児の口角を触れるとその方向へ顔を向ける反射である。
3
問 58
産褥5日の初産婦。乳房は緊満し、外側に硬い部分があり、触れると痛がる。乳輪部がやや硬く乳頭の長さは1cmで先が赤い。
援助で適切なのはどれか。
  1. 直接授乳を一時中断する。
  2. 乳頭保護キャップを使用する。
  3. 乳房外側を温め疼痛を緩和する。
  4. 乳頭乳輪部が柔らかくなるようマッサージする。
4
問 59
産褥3日。経膣分娩時に会陰裂傷第2度で縫合術を行った。
会陰部の状態と対応との組合せで適切なのはどれか。
1.
縫合部の軽度の離開
臥床安静
2.
縫合部の発赤
産褥体操で骨盤底の血液循環促進
3.
縫合部付近の圧痛・持続痛
疼痛の増強傾向の経時的な観察
4.
縫合部の浮腫
会陰部の温湿布
3
問 60
甲状腺機能亢進症合併妊娠で正しいのはどれか。
  1. 妊娠中に発症するケースがほとんどである。
  2. 機能亢進状態が続くと早産のおそれがある。
  3. 抗甲状腺薬は胎児の甲状腺機能を亢進する。
  4. 産後は軽快することが多い。
2