第91回助産師国家試験
午前問題
問 1
ICMの「助産師のための国際倫理規定」に基づく母乳育児支援はどれか。
- 文化的多様性に関わらず母乳を勧める。
- 母乳育児中でも必ず調乳方法を教える。
- 有害と考えられる調乳手順は禁止する。
- 助産師が良いと認める方法を強く推奨する。
3
問 2
1994年のカイロ会議で採択されたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの行動計画に基づいているのはどれか。
- 対象は周産期の女性の健康である。
- 人工妊娠中絶は女性の選択権である。
- 様々な性アイデンティティを認める。
- 人は誰でも希望するときに希望する数の子どもを持つことができる。
4
問 3
思春期女子の身体変化で正しいのはどれか。
- 初経の発来と体脂肪率とは関係しない。
- 年間身長増加量は初経後1年以内がピークである。
- 初経のころの子宮は頸部と体部とはほぼ同じ長さである。
- 骨盤外計測値は14歳以降に急激に増加する。
3
問 4
妊娠中の摂取物の影響で正しいのはどれか。
- アルコール摂取は早産率を上昇させる。
- コカイン摂取は胎児の奇形発生率に影響しない。
- たばこの本数が多いほど出生時の児体重が減少する。
- コーヒー1杯/日のカフェイン摂取は胎児死亡率を高める。
3
問 5
卵胞の発育とその機能で正しいのはどれか。
- LHは卵胞を発育させる。
- 卵母細胞は思春期に第一成熟分裂が始まる。
- 排卵直前の成熟卵胞は直径約20mmに達する。
- 排卵されなかった卵胞はグラーフ卵胞となる。
3
問 6
妊婦に禁忌の薬物はどれか。
- カプトプリル(降圧薬)
- アミノフィリン(喘息薬)
- フェニトイン(抗てんかん薬)
- プレドニゾロン(副腎皮質ステロイド薬)
1
問 7
ダウン症候群で正しいのはどれか。
- 転座型が最も多い。
- 出生頻度は3,000人出生に1人である。
- 母親の年齢が40歳を過ぎると発生頻度は300例に1例となる。
- 母親がダウン症候群の転座型保因者の場合、生児がダウン症候群である確立は1/3である。
4
問 8
単純体重減少性無月経で正しいのはどれか。
- 病識はない。
- 食行動の異常はない。
- ゴナドトロピンの分泌は正常である。
- ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の分泌は正常である。
2
問 9
組合せで正しいのはどれか。
1. | クロミフェンテスト | 卵巣刺激試験 | |
2. | hMG負荷テスト | 下垂体刺激試験 | |
3. | GnRH負荷テスト | 視床下部刺激試験 | |
4. | エストロゲン負荷テスト | 視床下部刺激テスト |
4
問 10
妊娠の維持機構で正しいのはどれか。
- hCGは脱落膜で産生される。
- hCGは黄体のプロゲステロン産生を刺激する。
- エストロゲンが子宮平滑筋の収縮を抑制する。
- 胎盤でのプロゲステロン産生は胎児からのコレステロール供給に依存する。
2
問 11
胎児の造血機能で正しいのはどれか。
- 胎児期の造血の中心は腎臓である。
- 胎児ヘモグロビンは妊娠34~36週にはヘモグロビンの約半数を占める。
- 胎児ヘモグロビンは低酸素状態での酸素の運搬に有利である。
- 成人ヘモグロビンは妊娠37週から産生が始まる。
3
問 12
胎盤の構造と機能で正しいのはどれか。
- 絨毛間腔の母体血液は胎児血液と混合する。
- 妊娠16週ころから母体IgGは胎児へ移行する。
- 妊娠16週ころから黄体ホルモンを分泌して妊娠を維持する。
- hPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)を分泌して子宮収縮を抑制する。
2
問 13
妊娠による生殖器の変化で正しいのはどれか。
- 膣分泌物のpHは非妊時よりも高くなる。
- 子宮は平滑筋細胞の伸展と肥大で増大する。
- 妊娠5か月ころには内診でピスカチェック徴候が認められる。
- 子宮峡部は妊娠週数とともに短縮し妊娠末期には約1cmとなる。
2
問 14
分娩の生理で正しいのはどれか。
- 骨盤出口部の広さは変化しない。
- 初産婦では子宮口3cm開大から最大傾斜期になる。
- 嵌入とは児頭大横径が骨盤入口面より下降することをいう。
- 産婦が坐位姿勢をとると陣痛発作時の子宮内圧は低下する。
3
問 15
分娩時の子宮頸部の変化で正しいのはどれか。
- 顆粒球エラスターゼ活性は低下する。
- 頸管熟化は陣痛開始の3時間前ころから起こる。
- 頸部のコラーゲン量は陣痛発来の前に増加する。
- 経産婦では外子宮口が全開大するまで子宮膣部は消失しない。
4
問 16
正常な児頭の第2回旋で正しいのはどれか。
- 児の胎向は変化しない。
- 頤部が胸部に接近する回旋である。
- 大泉門側は母体の恥骨結合に向かう。
- 児頭が骨盤底に達する前に終了することが多い。
4
問 17
娩出直前の児の血液ガスの変化で正しいのはどれか。
- pHは上昇する。
- 酸素飽和度は低下する。
- Base Excessは上昇する。
- 動脈血炭酸ガス分圧は低下する。
2
問 18
褥婦の経過で正しいのはどれか。
- 産褥1日には尿量は減少する。
- 産褥2日にはプロラクチンは上昇する。
- 産褥1週にはインスリン感受性は非妊時と同等になる。
- 産褥3週後半には胎盤付着部の子宮内膜は再生する。
3
問 19
早期新生児期の呼吸で異常なのはどれか。
- 呻吟を伴わない啼泣時陥没呼吸
- 出生直後の捻髪音、軋轢音を伴う呼吸音
- 中心性チアノーゼを伴わない無呼吸
- 出生直後の周期性呼吸
3
問 20
乳児の感覚機能で正しいのはどれか。
- 平衡感覚は生後に出現する。
- 出生直後の視力は0.3程度である。
- 注視できるようになるのは生後5、6か月からである。
- 音の方向が分かるようになるのは生後5、6か月からである。
4
問 21
妊娠高血圧腎症の定義に含まれるのはどれか。
- 浮腫を伴う。
- 蛋白尿を伴う。
- 高血圧は妊娠24週以降に発症する。
- 高血圧は分娩後8週以内に正常化する。
2
問 22
子宮外妊娠で正しいのはどれか。
- 尿中hCGが妊娠週数に比して高値である。
- 超音波断層法で腹腔内の出血像を認める。
- 最も頻度の高いのは卵管峡部の妊娠である。
- 卵管破裂の典型的症状は大量の外出血である。
2
問 23
正しいのはどれか。
- 癒着胎盤は初産婦に多い。
- 横位は微弱陣痛になりやすい。
- 臍帯巻絡は胎位胎勢に影響しない。
- 狭骨盤は臍帯下垂を引き起こしやすい。
4
問 24
羊水塞栓症の危険因子となるのはどれか。
- 初産婦
- 高血圧
- 過強陣痛
- 弛緩出血
3
問 25
産褥血栓性静脈炎で正しいのはどれか。
- 有痛性白股腫は表在性である。
- 深在性よりも表在性の方が多い。
- 我が国の発症頻度は2%である。
- 産褥1日以内に発症することが多い。
2
問 26
28歳の初産婦。産褥2日。本人の希望で昼間のみ母子同室である。夜間、乳房が膨張して乳頭と乳輪部とに浮腫が出現した。体温37.0℃。硬結や乳頭亀裂もない。
最も考えられるのはどれか。
最も考えられるのはどれか。
- 乳房うっ積
- 急性化膿性乳腺炎
- 乳管開口部の未開口
- うっ滞性乳腺炎(うつ乳)
1
問 27
産後うつ病で適切なのはどれか。
- 日本での発症頻度は欧米よりも高い。
- 産後6か月ころに発症のピークがある。
- マタニティブルーズは産後うつ病発症の危険因子である。
- エジンバラ産後うつ病自己調査票を用いて診断ができる。
3
問 28
正常な新生児にみられない徴候はどれか。
- 出生直後の鼻翼呼吸
- 生後8時間での吐物への血液混入
- 生後5日の児の眼球の黄染
- 自転車こぎ様運動
4
問 29
正しいのはどれか。
- Rh(D)血液型不適合による溶血は胎児期から起こる。
- 早発黄疸は48時間までに出現した肉眼的黄疸をいう。
- ABO血液型不適合による溶血性黄疸は第1子には発症しない。
- アルブミンと結合した間接ビリルビンは血液脳関門を通過しやすい。
1
問 30
母体が水痘を発症し3日後に正期産児を分娩した。
正しいのはどれか。
正しいのはどれか。
- 児は水痘を発症しない。
- 胎児期に水痘の経胎盤感染は起きない。
- 児が発症した場合の死亡率は約5%である。
- 児に水痘抗体価の高いグロブリンを投与する。
4