第91回助産師国家試験
午前問題
問 31
壊死性腸炎の危険因子でないのはどれか。
- 早産児
- 敗血症
- 新生児仮死
- ビフィズス菌
4
問 32
妊婦が感染すると児に聴力障害を起こす可能性があるのはどれか。
- 麻疹
- 風疹
- 伝染性紅斑
- 流行性耳下腺炎
2
問 33
パルスドップラー法で計測された胎児血流波形の評価で、胎児の状態が正常であることを示唆する所見はどれか。
- 臍帯動脈の resistance index の上昇
- 臍帯動脈の拡張末期血流の維持
- 臍帯動脈の逆流
- 中大脳動脈の resistance index の低下
2
問 34
常位胎盤早期剥離で正しいのはどれか。
- 発症頻度は全妊娠の3%である。
- 板状硬は前壁付着よりも後壁付着で起こりやすい。
- 子宮筋層内に血液が浸潤し子宮胎盤溢血の状態となる。
- 常位胎盤早期剥離の既往歴は危険因子でない。
3
問 35
感染によるサイトカイン産生が引き起こす可能性があるのはどれか。
- 早産
- 巨大児
- 胎児奇形
- 前置胎盤
1
問 36
助産師が行う治療的コミュニケーションで適切でないのはどれか。
- 助産師が関わる目的を伝える。
- クライアントのニーズを明らかにすることに焦点を当てる。
- 言語的コミュニケーションのみに注意すればよい。
- 助産師の価値基準にとらわれず傾聴する。
3
問 37
50歳の女性。産婦人科外来に「肩こりが強く疲れやすい。イライラしたり憂うつになり、何もやる気が起こらない。この3か月、夜も眠れない」と電話があった。
相手の話を肯定的に受け止めながら聞いた後、最初の対応で適切なのはどれか。
相手の話を肯定的に受け止めながら聞いた後、最初の対応で適切なのはどれか。
- 昼寝を勧める。
- 気分転換を図るよう勧める。
- ボランティアなどの社会活動を勧める。
- 更年期障害の専門外来受診を勧める。
4
問 38
我が国の家族計画の動向で正しいのはどれか。
- 大正時代、女性の健康の立場から産児制限が論じられた。
- 第2次世界大戦前、コンドームの使用が盛んに指導された。
- 第2次世界大戦後、未成年者も不妊手術を受けられるようになった。
- 平成以降、既婚女性の経口避妊薬の使用は急激に増加した。
1
問 39
産後3か月で母乳育児中の女性が経口避妊薬による避妊を希望している。
この女性に提供する情報で正しいのはどれか。
この女性に提供する情報で正しいのはどれか。
- 授乳中は避妊の必要はない。
- 避妊率はコンドームの方が高い。
- 経口避妊薬は母乳中に移行する。
- 利用可能なのは産後6か月以降である。
3
問 40
34歳の初産婦。妊娠39週2日。第1頭位。推定児体重2,890g。1時間前に子宮口全開大、Station+2となった。現在、小泉門が4時に触れる。
この時点で産婦に勧める体位で適切なのはどれか。
この時点で産婦に勧める体位で適切なのはどれか。
- 仰臥位
- 右側臥位
- 蹲踞位
- 四つんばい
4
問 41
妊娠15週の健康診査の所見で正常から逸脱しているのはどれか。
- 体重が非妊時よりも7%減少している。
- 顔面に左右対称の色素沈着がある。
- Hb11~12g/dL、Ht33~36%である。
- 児頭大横径(BPD)が31mmである。
1
問 42
妊娠中の運動で適切なのはどれか。
- 妊娠後期以後はあおむけになる運動を勧める。
- 1回の運動時間は90分以内で週2、3回とする。
- 子宮収縮の日内変動を考慮し午後4時から6時が望ましい。
- 連続運動は自覚的運動強度「やや楽である」以下が望ましい。
4
問 43
19歳の初妊婦。妊娠28週で体重が10kg増加した。血圧136/80mmHg。尿蛋白(-)である。昨夕の食事はインスタントラーメンとケーキだったと言う。
セルフケア能力を高める支援で適切なのはどれか。
セルフケア能力を高める支援で適切なのはどれか。
- 生活指導のため入院を勧める。
- 妊婦体操のパンフレットを渡す。
- 妊婦の食習慣から献立プランをともに考える。
- 栄養士が立てた妊婦用献立プランを渡す。
3
問 44
双胎妊婦への説明で適切なのはどれか。
- 「二絨毛膜双胎の場合は一卵性双胎です」
- 「妊娠22週ころから管理入院が必要になります」
- 「切迫早産になりやすくなります」
- 「分娩時は過強陣痛を起こしやすくなります」
3
問 45
分娩進行のアセスメントで正しいのはどれか。
- 腹圧は随意性なので児娩出までコントロールできる。
- 児頭と恥骨とが同じ高さだったのでザイツ(±)である。
- 胎児先進部Station+3を骨盤出口部に達したと判断した。
- 分娩監視装置の陣痛曲線の振幅が小さいので微弱陣痛と判断した。
2
問 46
non-reassuring fetal status を疑う胎児心拍陣痛図はどれか。
2
問 47
30歳の初産婦。陣痛発来後6時間が経過し自然破水した。子宮口開大3cm、頭位で、Station-1、陣痛発作40秒、陣痛間欠4分である。陣痛発作時は苦痛表情を認め、腰部に自分の手を当てている。
産婦の援助で適切なのはどれか。
産婦の援助で適切なのはどれか。
- 入浴を勧める。
- 産痛緩和の姿勢は助産師の考えを勧める。
- 不安を与えないよう分娩進行の説明は控える。
- 産痛部位のマッサージを行い反応を確認する。
4
問 48
30歳の初産婦。妊娠39週5日で陣痛発来し入院した。夫が付き添い、陣痛間欠5分、子宮口4cm開大まで進行した時点で、産婦の実母が分娩立ち会いのため来院した。バースプランには「夫と2人で赤ちゃんを迎えたい」と記載がある。
助産師の対応で適切なのはどれか。
助産師の対応で適切なのはどれか。
- 実母の意向を尊重し立ち会ってもらう。
- 産婦と夫に実母の意向を伝え再検討してもらう。
- バースプランに反するので実母に立ち会えないと伝える。
- 産後の実母との関係を考慮し産婦と夫に実母の立ち合いを勧める。
2
問 49
児の娩出後15分。子宮底が軟らかく胎盤剥離徴候がみられない。
最初に行うのはどれか。
最初に行うのはどれか。
- クレーデ胎盤圧出法
- 膀胱充満の確認
- 臍帯の強い牽引
- 子宮底の輪状マッサージ
2
問 50
正常新生児への出生直後の対応で適切なのはどれか。
- 臍帯を触って脈拍数を測定する。
- 胸壁をタッピングして肺水の排出を促進する。
- 頸部を前屈させ気道確保する。
- 沐浴して保温する。
1
問 51
帝王切開の既往がある妊婦で経膣分娩が可能な条件はどれか。
- 帝王切開の既往が2回
- 前回の帝王切開の適応が狭骨盤
- 前回の帝王切開が古典的帝王切開
- 前回の帝王切開が下節横切開
4
問 52
35歳の経産婦。39週5日。子宮全開大前からいきんでいた。分娩室へ入室後、約20分で3,480gの児を経膣分娩した。その直後から鮮紅色の出血が始まり、胎盤は5分後に自然娩出したが出血量は450mLになった。子宮底臍下3指、硬度良好だが内診しようとすると出血が増加する。
可能性が高いのはどれか。
可能性が高いのはどれか。
- 胎盤遺残
- 弛緩出血
- 頸管裂傷
- 子宮破裂
3
問 53
32歳の初産婦。妊娠38週4日。午前5時に破水と同時に陣痛発来し、午前6時に入院した。第1頭位、胎児心拍数は144bpm、陣痛間欠6分、陣痛発作40秒。身長150cm、体重60kg。非妊時より10kg増加。子宮底長30cm、腹囲95cm。尖腹。内診所見は子宮口4cm開大、展退度60%、Station-1、子宮口の硬さは軟で位置は前方であった。
産婦に推奨する内容で適切なのはどれか。
産婦に推奨する内容で適切なのはどれか。
- 微弱陣痛のため臥位で過ごす。
- CPDの可能性が高いため禁食にする。
- 早期破水のため骨盤高位でベッド上で過ごす。
- さらに児頭の骨盤内嵌入を促すため散歩をする。
4
問 54
吸引分娩で正しいのはどれか。
- Station+2での施行は禁忌である。
- 分娩第2期の分娩停止は適応となる。
- 吸引圧は10~20cmHgの陰圧で牽引する。
- 吸引カップはできる限り小さい方が効果的である。
2
問 55
双手圧迫法で正しいのはどれか。
- 術者の片方の手拳を膣内に入れ後膣円蓋に当てる。
- 腹壁から子宮体部に当てた手と膣内に入れた手とで子宮を圧迫する。
- 止血するまで20分以上圧迫する。
- 止血後、子宮腔内の残留胎盤や卵膜片を調べる。
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
3
問 56
褥婦のケアで正しいのはどれか。
- 産褥1日目は授乳回数を制限し疲労回復を図る。
- 産褥3日まで水分摂取を制限する。
- 乳汁分泌過多の場合は授乳後徹底して搾乳する。
- ストレスでオキシトシン分泌を妨げないよう環境を整える。
4
問 57
産後の受胎調節法と使用可能な時期との組合せで正しいのはどれか。
1. | IUD | 産後6~8週以降 | |
2. | コンドーム | 産後3週以降 | |
3. | 経口避妊薬 | 月経が3、4回規則正しく再来後 | |
4. | 基礎体温法 | 月経再来後かつ授乳中止後 |
1
問 58
産後1日、母指頭大の脱肛による疼痛を訴える褥婦へのケアで適切なのはどれか。
- 坐位を避け臥床を勧める。
- 疼痛が強い場合は冷罨法を行う。
- 自分で還納できるよう指導する。
- 還納後、肛門の引き締め運動を指導する。
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
4
問 59
カルバマゼピン内服中のてんかん合併妊婦に対する説明で正しいのはどれか。
- 「妊娠によって発作が起こりにくくなります」
- 「児の奇形発生率は高くなりません」
- 「新生児の出血傾向を予防するためにビタミンCが投与されます」
- 「母乳はあげられます」
4
問 60
甲状腺疾患合併妊娠について正しいのはどれか。
- バセドウ病は妊娠中期以降に改善傾向を示す。
- 橋本病は分娩を契機に甲状腺クリーゼ発生のリスクが高い。
- プロピルチオウラシル内服中は授乳を中止する。
- 甲状腺ホルモン製剤内服中は授乳を中止する。
1