第92回助産師国家試験
午前問題
問 31
子宮筋腫合併妊娠で正しいのはどれか。
- 癒着胎盤の頻度が高くなる。
- 子宮復古不全の頻度は変わらない。
- 子宮頸部筋腫では微弱陣痛を起こしやすい。
- 子宮体部筋腫では産道通過障害を起こしやすい。
1
問 32
生後2週の新生児。母乳栄養である。
栄養の追加を考慮すべき徴候はどれか。
栄養の追加を考慮すべき徴候はどれか。
- 1日11回授乳している。
- 出生時体重に達している。
- 排尿回数が1日7、8回である。
- 退院後から1日当たりの体重増加が15gである。
4
問 33
高校2年生の女子を対象とした健康教育を行うこととした。
内容で優先度が低いのはどれか。
内容で優先度が低いのはどれか。
- 性感染症予防
- 極端な食事制限の影響
- 二次性徴に伴う体の変化
- 喫煙による健康への影響
3
問 34
妊婦に実施可能な予防接種はどれか。
- 麻疹
- 風疹
- ポリオ
- インフルエンザ
4
問 35
正しいのはどれか。
- 未熟児訪問指導は市町村が主体となって行う。
- 妊産婦訪問指導は市町村が主体となって行う。
- 新生児訪問指導を行うのは助産師でなければならない。
- 新生児訪問指導は生後30日以内に行わなければならない。
2
問 36
産科病棟における新生児の感染予防対策で適切なのはどれか。
- 毎日沐浴を実施する。
- 母と子の皮膚接触を推奨する。
- 新生児室で無菌的管理とする。
- 授乳ごとの乳頭消毒を奨励する。
2
問 37
正しいのはどれか。
- 助産師が救命のために医行為を行うことは違法である。
- 助産師は医師の指示の下に行った行為に責任を負わない。
- 産科の医療事故訴訟で最も多いのは「母親の死亡」である。
- 助産師には裁量性が認められるとともに注意義務がある。
4
問 38
更年期女性へのホルモン補充療法によって改善されるのはどれか。2つ選べ。
- 高血圧
- 高血糖
- 子宮筋腫
- 骨粗鬆症
- 血管運動神経性障害
45
問 39
妊娠20週で大球性正色素性貧血を認めた。
不足している可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
不足している可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
- 鉄
- 葉酸
- カルシウム
- ビタミンB6
- ビタミンB12
25
問 40
経口避妊薬によって発生率が低下するのはどれか。2つ選べ。
- 乳癌
- 卵巣癌
- 外陰癌
- 子宮体癌
- 子宮頸癌
24
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
25歳の経産婦。妊娠36週の妊婦健康診査で外陰部と尿との細菌培養でB群溶血性レンサ球菌陽性であった。38週0日、午前1時に破水感があり入院した。
25歳の経産婦。妊娠36週の妊婦健康診査で外陰部と尿との細菌培養でB群溶血性レンサ球菌陽性であった。38週0日、午前1時に破水感があり入院した。
問 41
入院後に妊婦へ行うのはどれか。
- セフェム系抗菌薬の内服
- インドメタシン坐薬の投与
- クロラムフェニコール膣錠の投与
- ペニシリン系抗菌薬の点滴静脈内注射
4
問 42
同日夕方から陣痛が強くなり、午後8時に子宮口が全開大した。妊婦の体温は38.7℃であった。そのまま分娩となり頭位で2,800gの男児を出生した。生後1分の児の写真(No.2)を別に示す。生後1分では児は泣いていた。心拍数は160/分で手足を動かし、口腔内吸引で咳をしている。羊水混濁はない。
生後1分の時点で児に対して行う処置で正しいのはどれか。
生後1分の時点で児に対して行う処置で正しいのはどれか。
- 口元で酸素を投与する。
- マスクとバッグとで用手換気する。
- 胃管を挿入する。
- 胸骨圧迫をする。
1
問 43
生後3時間。児は体温37.2℃。心拍数155/分、呼吸数45/分。よく泣いて元気だったので母子同室となった。生後6時間と9時間とでは児の状態に変化はなかったが、生後12時間に「少し息を止めがちになる」と母親が児を抱いて新生児室にきた。心拍数195/分。体温36.0℃で末梢冷感を認める。チアノーゼはないが、呼吸は不規則で時々無呼吸となり刺激で回復する。
児への対応で最も重要なのはどれか。
児への対応で最も重要なのはどれか。
- 酸素投与を開始する。
- 小児科医の診察を依頼する。
- 産着を1枚重ねて保温する。
- 白血球数とCRP値の測定を行う。
2
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
22歳の女性。大学4年生で1か月後に卒業予定である。無月経と、2日前から外陰部に疼痛と水泡とが出現したため来院した。2年前に性器ヘルペスに感染した既往があり、現在のパートナーは初感染時の人とは異なるという。
診察の結果、性器ヘルペスが再発しており妊娠反応は陽性であった。
22歳の女性。大学4年生で1か月後に卒業予定である。無月経と、2日前から外陰部に疼痛と水泡とが出現したため来院した。2年前に性器ヘルペスに感染した既往があり、現在のパートナーは初感染時の人とは異なるという。
診察の結果、性器ヘルペスが再発しており妊娠反応は陽性であった。
問 44
性器ヘルペスの説明で正しいのはどれか。
- 「再感染はまれなことですよ」
- 「治癒には約3か月かかります」
- 「再感染なので症状は重くなります」
- 「抗ウイルス薬の内服が必要になるでしょう」
4
問 45
女性は「またヘルペスになってしまった。せっかく妊娠したのにこれからどうなるのですか」と尋ねた。
再発型ヘルペスを持つ妊婦の経過で正しいのはどれか。
再発型ヘルペスを持つ妊婦の経過で正しいのはどれか。
- 20%前後が流産する。
- 産道感染よりも胎内感染が多い。
- 経膣分娩は不可能である。
- 新生児ヘルペスを合併するのは5%弱である。
4
問 46
女性はパートナーと婚約しており、両親に結婚と妊娠とを伝える予定だという。「子どもにヘルペスがうつったらどうしよう。ヘルペスのことを彼に伝えたいけど不安。どうしたらよいのかわからない」と泣き出した。
対応で最も適切なのはどれか。
対応で最も適切なのはどれか。
- 今回の妊娠はあきらめてヘルペスの治療をするよう勧める。
- 女性が実家の両親に現状を伝えて今後のことを相談するよう勧める。
- パートナーにヘルペスのことは伝えずに妊娠継続することを勧める。
- 女性がパートナーに現状を伝えて2人で話し合える方法をともに考える。
4
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
19歳の初妊婦。大学2年生。妊娠19週2日。身長165cm、体重48kg(非妊時45kg)。今回の妊娠を機に2年間交際していた21歳の大学生と結婚した。「乳首の色がすごく濃くなって自分の体じゃない感じがする。おりものの量が最近増えてきて気持ち悪い」と話す。膣分泌物は無色透明で粘稠性があり、外陰部の発赤と瘙痒間とはない。子宮底長15cm、児心音146bpm。血圧102/58mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)。Hb11.0g/dL、Ht34%。
19歳の初妊婦。大学2年生。妊娠19週2日。身長165cm、体重48kg(非妊時45kg)。今回の妊娠を機に2年間交際していた21歳の大学生と結婚した。「乳首の色がすごく濃くなって自分の体じゃない感じがする。おりものの量が最近増えてきて気持ち悪い」と話す。膣分泌物は無色透明で粘稠性があり、外陰部の発赤と瘙痒間とはない。子宮底長15cm、児心音146bpm。血圧102/58mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)。Hb11.0g/dL、Ht34%。
問 47
妊婦への説明で正しいのはどれか。
- 「貧血の傾向がありますね」
- 「妊娠すると膣の分泌物が増えますよ」
- 「妊娠週数のわりに子宮底長が小さいですね」
- 「乳首や乳輪の色が変わったのはリビド着色といいます」
2
問 48
「あまり太りたくないので、お惣菜を買うときに何を買っていいか困ってしまうんです。もう3kgも太ってしまったんです」と話す。
指導で適切なのはどれか。
指導で適切なのはどれか。
- 体重増加は正常である。
- サプリメントで栄養を補う。
- 児の成長のためにもっと体重を増やす。
- 副菜の量を増やして主食の量を減らす。
1
問 49
妊婦は「結婚できたことはうれしいし、2人で赤ちゃんのことを話すのは楽しいです。でも体はだるくてお産まで頑張れるか心配です。学校もできるだけ続けたいけれど自信がありません。彼はこれまでと変わらず楽しそうで、どうして自分だけがこんなに大変なのかと思うこともありますが、彼には言えません」と話す。
アセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。
アセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。
- 妊娠を肯定的に捉えている。
- 学業の中断について不安がある。
- 夫とのコミュニケーションは十分にとれている。
- 本人だけでなく夫にも妊娠・出産に対する心理的準備を促す必要がある。
- この夫婦関係が長引くとDV(ドメスティック・バイオレンス)のリスクが高まる。
24
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
35歳の1回経産婦。妊娠中から下腿に静脈瘤があった。今回3,018gの女児を分娩した。分娩経過に異常はない。出産当日から24時間母子同室で母乳育児を行っている。産褥3日。授乳時に下肢の疼痛の訴えがあり、左下腿に腫脹、発赤、熱感および静脈の怒張を認めた。
35歳の1回経産婦。妊娠中から下腿に静脈瘤があった。今回3,018gの女児を分娩した。分娩経過に異常はない。出産当日から24時間母子同室で母乳育児を行っている。産褥3日。授乳時に下肢の疼痛の訴えがあり、左下腿に腫脹、発赤、熱感および静脈の怒張を認めた。
問 50
この徴候への対応で正しいのはどれか。
- 下腿の温浴
- ガードルの着用
- 下腿のマッサージ
- 弾性ストッキングの着用
4
問 51
薬物治療が行われることとなった。褥婦から「これまでどおり母乳育児は続けられますか。薬は赤ちゃんに影響しないのですか。足も痛いです」と質問があった。
対応で適切なのはどれか。
対応で適切なのはどれか。
- 「薬物治療が始まるので人工乳に代えましょう」
- 「母乳は続けられるので添い寝で授乳してみましょう」
- 「母乳は続けられるので椅子に座って授乳をしましょう」
- 「赤ちゃんを新生児室に預け3時間ごとに授乳室で母乳をあげましょう」
2
問 52
退院後2週、褥婦から乳房痛があり発熱していると電話があった。電話の問診から、感冒様症状はないが倦怠感が強く、体温は39.0℃で、右乳房外側に硬結と発赤、乳管口に白斑が1か所あるという。
対応で適切なのはどれか。
対応で適切なのはどれか。
- 受診を勧める。
- 休養のため授乳を中断する。
- 硬結部位の温罨法を勧める。
- 自己乳房マッサージを勧める。
1
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
病床数30床の産婦人科病院。42歳の助産師が病棟師長として病棟の管理および運営を行っている。病棟の助産師の人員構成は経験1年目4人、2~4年目5人、5~9年目8人、10年目以上5人である。
病床数30床の産婦人科病院。42歳の助産師が病棟師長として病棟の管理および運営を行っている。病棟の助産師の人員構成は経験1年目4人、2~4年目5人、5~9年目8人、10年目以上5人である。
問 53
人材育成における病棟師長の責務で適切なのはどれか。
- 助産師個々の目標を決定する。
- 新人助産師のプリセプターになる。
- 分娩室には経験年数5年以上の助産師を配置する。
- 病院外で行われる研修会に参加できる環境を整える。
4
問 54
母乳ケア外来を開設し、病棟の助産師1名が毎日担当することとなった。
適切なのはどれか。
適切なのはどれか。
- 集団指導を中心とする。
- 対象は出産後1年までの母親とする。
- 乳房ケア以外に心理的サポートも行う。
- 断乳に関する相談は産科外来を紹介する。
3
問 55
回旋異常のため帝王切開術で分娩した褥婦から「自分の分娩の経過を詳しく知りたい」と求められた。
褥婦への対応で適切なのはどれか。
褥婦への対応で適切なのはどれか。
- 分娩時の経過記録の写しを渡す。
- 理由によっては情報提供しない。
- 診療記録ではない助産録は情報提供しない。
- 口頭および文書で分娩の経過について説明する。
4
1-30
31-55