第92回助産師国家試験
午後問題
問 1
我が国の生殖補助医療で優先するのはどれか。
- 経済的効果
- 染色体異常の発見
- 生まれてくる子の福祉
- 妊娠の確立が高い方法
3
問 2
妊婦に禁忌の薬物はどれか。
- ワルファリン
- ヒドララジン
- メトクロプラミド
- クロルフェニラミン
1
問 3
成熟期女性の健康問題で正しいのはどれか。
- 子宮筋腫の有病率は50%である。
- 不妊と子宮内膜症とは統計学的に関連がない。
- 乳癌は2005年悪性新生物死亡原因の第5位である。
- 性器クラミジア感染は子宮外妊娠のリスク因子となる。
4
問 4
胎児の成熟と機能で正しいのはどれか。
- 妊娠8~12週に器官形成される。
- 妊娠16~20週ころから随意的排尿がみられる。
- 妊娠20週ころには肺胞は肺水で充満している。
- 妊娠24週ころから羊水を嚥下する。
1 または 2
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
2)理由
複数の正解があるため、複数の選択肢を正解とする。
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
2)理由
複数の正解があるため、複数の選択肢を正解とする。
問 5
子宮峡部(子宮体下部)で正しいのはどれか。
- 非妊時は約5cmである。
- 横紋筋からなる通過管である。
- 組織学的内子宮口を産科学的内子宮口という。
- 陣痛開始後の頸管の開大に続いて展退が始まる。
3
問 6
妊娠中の栄養で正しいのはどれか。
- 末期にBMI25は肥満妊婦である。
- 食塩摂取量は1日に10g以下が望ましい。
- 非妊時に比べてカルシウムの吸収率が低下する。
- 末期の体重増加は1ヶ月に500g以内が標準的である。
2
問 7
分娩開始の前兆はどれか。
- 胎児下降による排尿困難
- 羊膜血管の破綻による産徴
- 前駆陣痛による下腹部の収縮輪
- 骨盤底の弛緩による胎児下降感
4
問 8
分娩中の母体の変化で正しいのはどれか。
- 体温調節能が低下する。
- 分娩第1期には尿量が増加する。
- 胃腸の運動・消化吸収が亢進する。
- 分娩第1期には心拍出量が最大となる。
2
問 9
産褥期の変化で正常なのはどれか。
- 子宮筋線維の変性を認めない。
- 血液凝固能は産褥3日で回復する。
- 血色素量は産褥4、5日まで低下する。
- 内子宮口は産褥3週で1指程度に閉鎖する。
3
問 10
新生児の睡眠で正しいのはどれか。
- 睡眠のリズムは母乳哺乳の影響を受ける。
- 覚醒している時間は正期産児よりも早産児の方が長い。
- レム睡眠の合計時間は正期産児よりも早産児の方が短い。
- レム睡眠では呼吸や心拍数の変動がノンレム睡眠よりも少ない。
1
問 11
25歳の女性。最終月経から45日経っても無月経のため来院した。妊娠反応陽性であったが、超音波検査で胎嚢が確認されなかった。帰宅途中で急に下腹部痛が出現し、少量の性器出血があったので病院へタクシーで引き返して来た。冷汗と腹部の圧痛とがある。
可能性の高いのはどれか。
可能性の高いのはどれか。
- 子宮外妊娠
- 胞状奇胎
- 稽留流産
- 完全流産
1
問 12
分娩時の異常で正しいのはどれか。
- 後方前頭位は経膣分娩が不可能である。
- 胎位胎勢異常は過強または微弱陣痛の原因となる。
- 胎児娩出直後の鮮紅色の出血は子宮破裂と判断する。
- 子宮口7、8cm開大時点で陣痛周期が1分30秒は過強陣痛である。
2
問 13
新生児の異常呼吸とその説明の組合せで正しいのはどれか。
1. | 鼻翼呼吸 | 鼻孔の律動的な縮小 | |
2. | 伸吟 | 吸気時に出すうなり声 | |
3. | 無呼吸 | 20秒以上の呼吸運動の停止 | |
4. | 陥没呼吸 | 呼気時の肋間、胸骨下および鎖骨上窩の陥没 |
3
問 14
病院を受診している妊婦とその家族とを対象に、参加型の両親学級の企画・運営を行うこととした。
グループの発達段階と助産師の役割の組合せで正しいのはどれか。
グループの発達段階と助産師の役割の組合せで正しいのはどれか。
1. | グループ形成の初期 | 受容的に見守る | |
2. | 自発的に参加し始める時期 | 指示を与えて主導する。 | |
3. | 信頼や連帯感が生じる時期 | リーダーを指名する。 | |
4. | 一丸となり活動する時期 | 活動内容などを調整する。 |
4
問 15
更年期女性の尿失禁で正しいのはどれか。
- 腹圧性尿失禁には膀胱訓練が有効である。
- 切迫性尿失禁には骨盤底筋訓練が有効である。
- 切迫性尿失禁よりも腹圧性尿失禁の方が多い。
- 低用量の副腎皮質ステロイドの服用が有効である。
3
問 16
妊娠38週0日。図は外来での胎児心拍陣痛図である。
適切な対応はどれか。
- 翌日にNSTの再検査をする。
- 胎動が減少したら受診するよう指導する。
- 1時間散歩した後にNSTの再検査をする。
- 帝王切開の準備をする。
4
問 17
33歳の1回経産婦。他院で妊娠と診断され、妊娠14週で妊婦健康診査のために来院した。前回の出産では妊娠悪阻で2週間入院治療を受け、妊娠24週で前期破水を起こし緊急に古典的帝王切開術を行った。HTLV-1抗体は陽性だった。
今回の妊娠中期の管理で最も注意すべき既往はどれか。
今回の妊娠中期の管理で最も注意すべき既往はどれか。
- 古典的帝王切開
- 妊娠24週で早産
- HTLV-1抗体陽性
- 妊娠悪阻で入院治療
2
問 18
分娩第1期の正常な陣痛はどれか。
- 子宮内圧法での発作時羊水圧が10mmHgである。
- 活動期の陣痛周期が7分である。
- 子宮口4~8cm開大時の発作が70秒である。
- 子宮口9cm~全開大時の発作が2分である。
3
問 19
30歳の初産婦。昨夜午後8時に入院した。入院時は子宮口2cm開大。本日午前7時の時点で子宮口8cm開大、Station+1、陣痛間欠3分、発作40~50秒。陣痛間欠時はうとうとし、発作時は顔をしかめている。時々嘔気がある。
産婦への援助で最も適切なのはどれか。
産婦への援助で最も適切なのはどれか。
- 坐位でいるよう促す。
- 朝食の全量摂取を促す。
- 嘔気のたびに声をかけ含嗽を促す。
- 陣痛発作に合わせて腰部をマッサージする。
4
問 20
産婦の状態と分娩体位の組合せで適切なのはどれか。
1. | 腰痛が強くじっとしていられない | 仰臥位分娩 | |
2. | 前回の分娩所要時間4時間の経産婦 | 座位分娩 | |
3. | 疲労している | 側臥位分娩 | |
4. | 陣痛が弱く児頭が下降しない | 四つん這い分娩 |
3
問 21
分娩後、出血が持続し総量が2,000mLとなった。血圧が低下し、頻脈と血尿とが出現し始めた。
予測される血液・凝固系所見はどれか。
予測される血液・凝固系所見はどれか。
- 出血時間 2分00秒
- プロトロンビン時間 12秒
- フィブリノゲン 120mg/dL
- FDP(フィブリンゲン分解産物) 8µg/dL
3
問 22
38歳の経産婦。妊娠39週5日に陣痛発来し入院した。入院時内診所見は子宮口4cm開大、展退度80%、Station±0、矢状縫合は斜で、1時半方向に小泉門を触知した。陣痛間欠3分、発作30秒だった。5時間後の内診所見は、子宮口9cm開大、展退度100%、Station±0、矢状縫合は斜で、1時半方向に小泉門を触知した。陣痛間欠2分、発作45秒だった。
可能性が高いのはどれか。
可能性が高いのはどれか。
- 正常分娩経過
- 微弱陣痛
- 回旋異常
- 児頭骨盤不均衡
4
問 23
33歳の2回経産婦。経膣分娩30分後に状態を観察したところ、パッドに200gの出血があった。子宮底は臍下1横指に硬く触れた。褥婦に声をかけると眠そうに返答をしている。
対応で優先度が低いのはどれか。
対応で優先度が低いのはどれか。
- 意識状態の観察
- 血圧・脈拍の測定
- 子宮底輪状マッサージ
- 医師への状態の報告
3
問 24
乳汁分泌で正しいのはどれか。
- 乳頭吸綴刺激によって開始する。
- 母親の不安はオキシトシン分泌を低下させる。
- 分泌量が増加している間はプロラクチン高値が持続する。
- 乳頭吸綴刺激による乳腺への作用は、プロラクチンがオキシトシンよりも早い。
2
問 25
産後うつ病で正しいのはどれか。
- 自殺念慮を認めることは少ない。
- 三環系抗うつ薬は母乳移行が少ない。
- 産後2、3週以後に発症することが多い。
- 育児の自立を促すことが症状回復を早める。
3
問 26
成熟時に認められるのはどれか。
- 関節が柔らかい。
- 筋肉の緊張度が低い。
- 多数の静脈が明瞭に見える。
- 足底の前1/3にしわが少ない。
1
問 27
生後1日の新生児が血性の胃内容物を嘔吐した。
必要な検査はどれか。
必要な検査はどれか。
- 頭部CT
- アプト試験
- シェイク試験
- ガスリー検査
2
問 28
我が国の平成18年(2006年)における妊産婦死亡の直接産科的死因の第1位はどれか。
- 産科的塞栓
- 分娩後出血
- 前置胎盤及び胎盤早期剥離
- 妊娠、分娩、産褥における浮腫、蛋白尿、高血圧性障害
1
問 29
市町村保健センターで正しいのはどれか。
- 二次医療圏に1か所設置される。
- 基本的な母子保健サービスを提供する。
- 母子保健法によって設置が定められている。
- 国の保健計画に基づきサービスを提供する。
2
問 30
正しいのはどれか。
- 出生証明書には頭囲を記載する。
- 出生の届出は子の出生地では行えない。
- 出生の届出は7日以内に行わなければならない。
- 医師の立会いがない場合には助産師が出生証明書を作成する。
4
1-30
31-50