第96回助産師国家試験
午後問題
問 1
日本で着床前診断の対象となる疾患はどれか。
- フェニルケトン尿症
- Down〈ダウン〉症候群
- Turner〈ターナー〉症候群
- Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー
4
問 2
月経前症候群の身体症状に主に関わるホルモンを分泌するのはどれか。
- 卵巣
- 脳下垂体前葉
- 脳下垂体後葉
- 視床下部
1
問 3
授乳が禁止となる薬剤はどれか。
- アンピシリン
- プレドニゾロン
- メトトレキサート
- アセトアミノフェン
3
問 4
卵膜を構成するもので母体に由来するのはどれか。
- 羊膜
- 脱落膜
- 絨毛膜
- 結合組織層
2
問 5
妊娠に伴う変化で正しいのはどれか。
- 心拍出量は減少する。
- 腎血漿流量は減少する。
- 循環血流量は減少する。
- 腎の糸球体濾過率は増加する。
4
問 6
頭位分娩での児頭の応形機能について正しいのはどれか。
- 前方後頭位では大斜径が短縮する。
- 児頭の変形は分娩後約1か月持続する。
- 両頭頂骨の上に前頭骨・後頭骨が重なる。
- 後在頭頂骨が前在頭頂骨の下方に進入する。
4
問 7
39歳の初産婦。双胎妊娠による切迫早産で4週間の安静入院後、妊娠 37週で帝王切開となった。手術翌日の子宮底の高さは臍下1横指で収縮は良好である。Hb10.2g/dL。初回歩行時、軽度下肢の痛みを感じたがしばらくして痛みは落ち着いた。脈拍72/分、血圧118/56mmHg。初回歩行の時間後にトイレまで歩行した際、トイレ内で突然意識を消失した。
考えられる状態はどれか。
考えられる状態はどれか。
- 子癇
- 脳虚血
- 肺血栓塞栓症
- 出血性ショック
3
問 8
60歳の女性。排尿困難を主訴として来院した。膀胱と子宮頸部が腟口まで下垂しており、医師は骨盤臓器脱と診断し、排尿障害の治療のためにリングペッサリーを腟内に装着した。
この女性への指導として正しいのはどれか。
この女性への指導として正しいのはどれか。
- 「入浴時には外してください」
- 「スポーツは控えてください」
- 「装着したまま性交渉が可能です」
- 「長時間の外出は控えてください」
3
問 9
25歳の初産婦。妊娠40週5日で、3,850gの児を正常分娩した。弛緩出血で、約2,000mL出血した。現在分娩後2時間、子宮収縮は良好である。脈拍 130/分、血圧80/50mmHg。産婦は意識清明であるが悪心を訴えており、四肢の冷感を認めた。
直ちに行われる処置はどれか。
直ちに行われる処置はどれか。
- 全身を温める。
- 輸血を開始する。
- 気管内挿管する。
- 副腎皮質ステロイドを投与する。
2
問 10
妊娠20週の双胎妊娠の女性。会社員。非妊時BMIは21.5。現在、非妊時体重より4kg 増加している。
保健指導で適切なのはどれか。
保健指導で適切なのはどれか。
- 「マタニティビクスをしましょう」
- 「次の妊婦健康診査は4週後になります」
- 「分娩予定日の16週前から休業できます」
- 「非妊時から分娩時までの体重増加の目安は11~14kgです」
4
問 11
会陰裂傷第3度があった産婦への対応で正しいのはどれか。
- 直腸診を行う。
- 直腸筋層まで縫合する。
- 食事は低残渣食とする。
- 翌日に浣腸を行う。
1
問 12
Brandt-Andrews〈ブラント・アンドリュース〉胎盤圧出法で適切なのはどれか。
- 胎盤剝離徴候を確認する前に実施する。
- 片手を腹壁から子宮体と子宮下部の境の部位に当てる。
- 最初に腹壁に当てた手で子宮体を恥骨部側に押し下げる。
- 臍帯は牽引しないようにする。
2
問 13
34歳の1回経産婦。前回正常分娩で2,700gの児を出産した。妊娠39週3日。身長145cm、体重58kg。児頭大横径〈BPD〉9.6cm。午後2時30分に自然破水した。内診所見は、子宮口全開大、Station-3、矢状縫合は横径に一致していた。午後4時、陣痛間欠1~2分、陣痛発作60秒。内診所見では、児頭の下降度に変化がなかった。胎児心拍数陣痛図は正常波形である。
対応で適切なのはどれか。
対応で適切なのはどれか。
- 散歩を勧める。
- 絶飲食とする。
- 乳頭刺激をする。
- 子宮収縮薬の準備をする。
2
問 14
28歳の初産婦。3,400gの児を正常分娩で出産した。分娩時出血は650mL。会陰裂傷第度と腟壁裂傷とがあり、縫合術を受けた。分娩後3時間、体温37.3℃、脈拍88/分、血圧120/70mmHg。子宮底は臍下横指で硬く触れる。赤色出血が1時間で40g。「お尻のあたりが痛い」と激しい痛みを訴え、苦痛表情だが脱肛はない。会陰部に腫脹はなく縫合不全もない。
最も考えられるのはどれか。
最も考えられるのはどれか。
- 頸管裂傷
- 腟壁血腫
- 弛緩出血
- 後陣痛
2
問 15
NYHA分類でⅠ度の心疾患合併妊婦の管理で適切なのはどれか。
- 選択的帝王切開を勧める。
- 妊娠初期から入院を勧める。
- 生活の中に一定の休息時間を設ける。
- インフルエンザワクチンの接種を控えるように説明する。
3
問 16
市町村における次世代育成支援の行動計画策定で適切なのはどれか。
- 民間事業者の活用は控える。
- 他の市町村と類似した計画とする。
- 社会的養護を必要とする子どもへの対応を検討する。
- 夫婦と子ども2人の世帯を想定して対策を検討する。
3
問 17
母体保護法の目的で正しいのはどれか。
- 母子の生活を支援する。
- 母子保健事業を推進する。
- 母性の生命健康を保護する。
- 母子家庭および寡婦の福祉を保護する。
3
問 18
助産師の守秘義務違反とならないのはどれか。
- 妊婦の夫が有名人であることを友人の助産師に話した。
- 妊婦のパートナーが失業していたことを妊婦の母親に伝えた。
- 昨日の感動的な出産をしたAさんのことを妊婦である友人に話した。
- 5歳の子どもの腹部に複数の内出血があることを児童相談所に伝えた。
4
問 19
助産業務について正しいのはどれか。
- 臨時応急の手当であっても医行為を行ってはならない。
- 医師の指示の下に行った行為は責任を問われない。
- 業務の範囲内において裁量権がある。
- 死胎の検案はできない。
3
問 20
男性側の不妊原因で最も多いのはどれか。
- 造精機能障害
- 精路通過障害
- 勃起障害
- 射精障害
- 性欲低下
1
問 21
第2頭位で、児頭の最大周囲径が骨盤入口部にある図を示す。
前頭頂骨進入はどれか。
ただし、図の上が母体腹側、下が母体背側を示す。円は骨盤入口面、印は大泉門、◇印は小泉門を表す。
前頭頂骨進入はどれか。
ただし、図の上が母体腹側、下が母体背側を示す。円は骨盤入口面、印は大泉門、◇印は小泉門を表す。
1.
2.
3.
4.
1
問 22
妊婦の下肢のけいれんについて正しいのはどれか。
- 膝窩筋に起こりやすい。
- 妊娠初期に発症頻度が高い。
- 血中のカルシウムの増加が原因となる。
- 予防としてリン酸の過剰摂取を避ける。
- 予防として就寝時は下肢の底屈位をとる。
4
問 23
鉗子分娩を安全に行うために満たすべき条件はどれか。
- 小泉門が先進している。
- 胎児の状態が良好である。
- 子宮口が全開大している。
- Stationが±0以下である。
- 矢状縫合が縦になっている。
3
問 24
母乳哺育を行っている生後か月の正期産児において、母乳不足を疑う所見はどれか。
- 平均体重増加量27g/日
- 哺乳時間40~50分/回
- Kaup〈カウプ〉指数17
- 哺乳回数8~10/日
- 粘液便の排泄
2
問 25
助産録の記載事項として保健師助産師看護師法施行規則に規定されていないのはどれか。
- 児の性別
- 分娩の場所
- 妊産婦の住所
- 妊産婦の国籍
- 胎児付属物の所見
4
問 26
妊娠27週日で出生した1,050gの児。
皮膚の観察でみられるのはどれか。2つ選べ。
皮膚の観察でみられるのはどれか。2つ選べ。
- 硝子様透明
- 稗粒腫
- 胎脂
- 落屑
- 産毛
35
問 27
Rubin〈ルービン〉の示す母親役割行動における保持期の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 家族との関係を再調整する。
- 育児技術の習得に向けて努力する。
- 自らの基本的欲求を満たそうとする。
- 母乳が十分分泌するかに関心を向ける。
- 出産によって、子どもと分離したという認識をもつ。
24
問 28
胎児機能不全を起こしやすい臍帯の所見はどれか。2つ選べ。
- 臍帯偽結節がある。
- 臍帯の長さが25cmである。
- 臍帯が卵膜に付着している。
- 臍動脈が2本、臍静脈が1本である。
- 臍帯の太さが1.5cm×1.5cmである。
23
問 29
低出生体重児で出生後早期に起こりやすいのはどれか。2つ選べ。
- 一過性多呼吸
- 顔面神経麻痺
- 上腕神経叢麻痺
- 胎便吸引症候群
- 低カルシウム血症
15
問 30
36歳の初産婦。身長160cm、非妊時体重56kgであった。妊娠26週2日、体重60kg、血圧142/78mmHg。尿蛋白+、尿糖(±)。Hb10.5g/dL。子宮底長30cm、腹囲93cm。下腿浮腫(±)。1週前から腰痛がある。腹部緊満感が頻回にある。内診所見は、子宮口閉鎖、出血はない。
妊婦への指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
妊婦への指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 入浴を制限する。
- 鉄分の多い食材を勧める。
- 摂取カロリーを制限する。
- 1日1時間程度の散歩を勧める。
- 腹部緊満感のあるときは休息をとる。
25
1-30
31-55