第101回保健師国家試験
午前問題
問 31
A市の健康増進計画を策定する際の住民意識調査で、喫煙者のうち、たばこをやめたい人は男女ともに6割以上いることが分かった。
この時点で当てはまるプリシード・プロシードモデルの要因はどれか。
この時点で当てはまるプリシード・プロシードモデルの要因はどれか。
- 環境要因
- 強化要因
- 行動要因
- 実現要因
- 準備要因
5
問 32
個人情報保護について正しいのはどれか。
- 疫学研究で遺伝子を扱うことは禁止されている。
- がん登録への情報提供には患者本人の同意は必要ない。
- 新規で保健事業を行う際は倫理審査を受ける必要がある。
- 無記名式のアンケート調査には文書による同意が必要である。
- 緊急時であっても個人情報を第三者に提供する際には本人の同意が必要である。
2
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
正解した受験者については採点対象に含め、不正解の受験者については採点対象から除外する。
2) 理由
問題として適切であるが、受験者レベルでは難しすぎるため、採点対象から除外する。但し、正解した受験者については、採点対象に含める。
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
正解した受験者については採点対象に含め、不正解の受験者については採点対象から除外する。
2) 理由
問題として適切であるが、受験者レベルでは難しすぎるため、採点対象から除外する。但し、正解した受験者については、採点対象に含める。
問 33
平成24年(2012年)の地域保健対策の推進に関する基本的な指針の改正で新たに加えられたのはどれか。
- 国民の健康づくりの推進
- ノーマライゼーションの推進
- 児童虐待防止対策に関する取組
- 次世代育成支援対策の総合的かつ計画的な推進
- ソーシャルキャピタルを活用した自助及び共助の支援の推進
5
問 34
医療保険でないのはどれか。
- 介護保険
- 国民健康保険
- 組合管掌健康保険
- 後期高齢者医療制度
- 全国健康保険協会管掌健康保険
1
問 35
平成23年(2011年)の介護保険法改正によって創設されたのはどれか。2つ選べ。
- 予防給付
- 複合型サービス
- 居宅療養管理指導
- 地域包括支援センター
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
25
問 36
町立小学校で身体的虐待が疑われる外傷のある児童を発見した。
児童虐待の防止等に関する法律に基づき通告する機関として正しいのはどれか。2つ選べ。
児童虐待の防止等に関する法律に基づき通告する機関として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 警察署
- 保健所
- 教育委員会
- 児童相談所
- 福祉事務所
45
問 37
保健所における健康危機管理に関する業務で法令に定められているのはどれか。2つ選べ。
- 食中毒発生時の調査
- 狂犬病発生緊急連絡網の整備
- 感染症発生における医師からの届出の受理
- 保育所で乳児が突然死した時の届出の受理
- 虐待による介護老人福祉施設の指定の取消し
13
問 38
介入研究で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 仮説設定のために用いられる。
- 無作為化(割付)を前提としている。
- 介入と結果との時間的関係が明確である。
- 複数の曝露要因の影響を検討することはできない。
- 観察研究より高いレベルのエビデンスを提供する。
35
問 39
平成24年(2012年)の厚生労働省による食中毒統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 患者数は年間100万人以上である。
- 死亡者数は年間1,000人以上である。
- ノロウイルスによる患者が最も多い
- 腸管出血性大腸菌(VT産生)による死亡者が最も多い。
- 原因食品で最も多いのは肉類およびその加工品である。
34
問 40
世界保健機関〈WHO〉の活動内容で正しいのはどれか。2つ選べ。
- リプロダクティブ・ヘルスの推進
- 飢餓地域への食糧の配布
- 疾病の国際分類の設定
- 児童の就学支援
- 雇用対策
13
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
Aさん(46歳、女性)。48歳の会社員の夫、高校生の長男および中学生の次男との4人暮らし。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と診断され、難病の医療費助成の申請のため夫が夜勤の前に保健所に来所した。夫によると、Aさんは包丁を使うことが難しくなり、子どもたちの弁当を作るのに時間がかかるようになったことを気にしているという。1週後、保健師がAさん宅を訪問し状況を確認したところ、Aさんは「主婦としての役割が果たせなくなることがつらい」と話した。
Aさん(46歳、女性)。48歳の会社員の夫、高校生の長男および中学生の次男との4人暮らし。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と診断され、難病の医療費助成の申請のため夫が夜勤の前に保健所に来所した。夫によると、Aさんは包丁を使うことが難しくなり、子どもたちの弁当を作るのに時間がかかるようになったことを気にしているという。1週後、保健師がAさん宅を訪問し状況を確認したところ、Aさんは「主婦としての役割が果たせなくなることがつらい」と話した。
問 41
訪問時に保健師が提案することで最も適切なのはどれか。
- 夫に家事を任せる。
- 料理することをあきらめる。
- 訪問介護員が家事を担当する。
- 家族で家事の役割分担をする。
4
問 42
Aさんは病状が進行し、1人で身の回りのことを行うことが難しくなり、家族が不在である平日の日中に訪問介護を利用することになった。担当する訪問介護員から「最近、Aさんはつまずいたり転んだりすることが多くなりました。この病気の患者さんを担当するのは初めてなので関わり方が分かりません」と相談を受けた。
保健師の対応で優先されるのはどれか。
保健師の対応で優先されるのはどれか。
- 訪問介護員の訪問に同行する。
- 経験の豊富な訪問介護員と交代するよう調整する。
- Aさんとの対応で注意することを主治医に確認するよう助言する。
- 訪問介護員に難病患者の支援に関する研修を受講するよう勧める。
1
問 43
3年後。Aさんは呼吸が困難になり、本人の希望による人工呼吸器装着のため1か月入院した。退院後は発語による意志疎通ができない状態になった。退院後3日に訪問すると、Aさんは保健師を見て涙を流した。子どもたちはAさんとの接触を避けている様子がみられた。
このときの家族への対応で優先度が高いのはどれか。
このときの家族への対応で優先度が高いのはどれか。
- 子どもたちから母親に対する思いを聴く。
- 家族でカウンセリングを受けるよう勧める。
- 子どもたちに1日1回Aさんに話しかけるよう指導する。
- 子どもたちがAさんを避けないよう話すことを夫に提案する。
1
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
A君(2歳)の母親。「初めての子どもで、対応が分かりません。食事が終わるまでに1時間もかかったりしてイライラします。他の子どもより落ち着きがないような気がします。この前の健康診査では問題ないと言われましたが不安です」と電話相談があった。保健師は話を聞いた上で、保健センターの育児相談に来るよう促した。
A君(2歳)の母親。「初めての子どもで、対応が分かりません。食事が終わるまでに1時間もかかったりしてイライラします。他の子どもより落ち着きがないような気がします。この前の健康診査では問題ないと言われましたが不安です」と電話相談があった。保健師は話を聞いた上で、保健センターの育児相談に来るよう促した。
問 44
電話相談の翌日、母親はA君とともに育児相談に来所した。A君はすぐに育児相談室の本棚に行き、絵本を開いたり閉じたりしている。
最初の対応で最も適切なのはどれか。
最初の対応で最も適切なのはどれか。
- 発達相談を勧める。
- 子どもの発達を評価する。
- しつけに関する親子教室を紹介する。
- 母親の話から不安の内容を確認する。
4
問 45
保健師は母親に食事のときの様子を質問した。「息子は食卓について自分で食べます。おやつは好んで食べますが、食事は遊びながら食べて時間がかかることがあり困っています」と母親は話した。
このときの母親への助言で最も適切なのはどれか。
このときの母親への助言で最も適切なのはどれか。
- 「食事の量を少なくしましょう」
- 「おやつをあげるのはやめましょう」
- 「時間を決めて食事を終えましょう」
- 「お母さんが食べさせてあげましょう」
3
問 46
最近、A君と同じ年代の児の食事に関する相談が増えている。保健師は幼児期における食育について講習会を企画することにした。
講習会の指導内容で最も適切なのはどれか。
講習会の指導内容で最も適切なのはどれか。
- 嫌いなものは与えないようにする。
- 楽しい雰囲気で食べることができるよう工夫する。
- 昼寝が食事時間にかかるときは起こして食事させる。
- 栄養のバランスよりも必要エネルギー量を重視する。
2
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
Aさん(36歳、男性)。1人暮らし。従業員数300人のIT関連会社に勤務している。残業時間は月平均60時間で、3年前から15本/日の喫煙をしている。運動習慣はなく、昼と夜は外食が多い。会社の定期健康診断で中性脂肪が150mg/dLであった。
既往歴に特記すべきことはない。
Aさん(36歳、男性)。1人暮らし。従業員数300人のIT関連会社に勤務している。残業時間は月平均60時間で、3年前から15本/日の喫煙をしている。運動習慣はなく、昼と夜は外食が多い。会社の定期健康診断で中性脂肪が150mg/dLであった。
既往歴に特記すべきことはない。
問 47
Aさんが勤める会社の保健師が行う指導で適切なのはどれか。
- 休暇の取得
- 医療機関の受診
- 生活習慣の見直し
- リラクセーションの実施
3
問 48
保健師がこの職場の喫煙状況について調査をしたところ、喫煙者は48%で、喫煙者のうち30%が禁煙を希望している。禁煙を希望する者のうち、保健師との面接において禁煙する気持ちはあるがうまくいかないと訴える者が多かった。
禁煙を希望する者に対する支援として最も適切なのはどれか。
禁煙を希望する者に対する支援として最も適切なのはどれか。
- 喀痰検査を実施する。
- 肺がん検診の受診を勧める。
- たばこの代わりにお菓子を勧める。
- 禁煙のためのグループワークを実施する。
- 喫煙の健康被害についてのパンフレットを配布する。
4
問 49
衛生委員会に「喫煙室からたばこの煙が流れてくる」、「敷地内で歩きたばこをする人がいる」という投書があり、衛生委員会で職場全体の喫煙対策を検討することになった。
最初に行うことで最も適切なのはどれか。
最初に行うことで最も適切なのはどれか。
- 喫煙室が設置されている環境について確認する。
- 敷地内に監視カメラを設置する。
- 喫煙者に携帯灰皿を配布する。
- 喫煙室を廃止する。
1
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
人口約35万人の中核市。午前10時、震度6強の地震が発生し、市は避難所の設置を決めた。家屋の損壊が確認され、多数の死傷者がいると予測された。県と市には災害対策本部が設置された。
人口約35万人の中核市。午前10時、震度6強の地震が発生し、市は避難所の設置を決めた。家屋の損壊が確認され、多数の死傷者がいると予測された。県と市には災害対策本部が設置された。
問 50
健康の危機管理体制の中心となる管理責任者として最も適しているのはどれか。
- 市長
- 県知事
- 市の医師会長
- 市の保健所長
4
問 51
発災当日の市の保健師の対応で優先度が高いのはどれか。
- 健康調査票の作成
- 要援護者の安否の確認
- 家庭訪問による個別健康相談
- 住民一人一人の不安の受け止め
2
問 52
発災後2週。保健師は、避難所への巡回訪問中に5歳児の母親から「子どもが自分から全く離れようとしない。寝ている間に急に大声をあげて泣き出すようになり心配だ」と相談を受けた。
保健師の対応で適切なのはどれか。
保健師の対応で適切なのはどれか。
- 子どもの心のケアに関する相談窓口を紹介する。
- 避難所の他の子どもと接触しないように伝える。
- 別の避難所に移動するように勧める。
- 様子をみるように伝える。
1
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
人口8万人、高齢化率30%のA市。最近、徘徊している高齢者を保護した事例が数件あったと警察から地域包括支援センターに情報提供があった。地域包括支援センターの保健師は、徘徊している高齢者について情報収集する必要があると考えた。
人口8万人、高齢化率30%のA市。最近、徘徊している高齢者を保護した事例が数件あったと警察から地域包括支援センターに情報提供があった。地域包括支援センターの保健師は、徘徊している高齢者について情報収集する必要があると考えた。
問 53
情報収集先として最も適切なのはどれか。
- 消防署
- 民生委員
- 保健センター
- 介護支援専門員
2
問 54
情報収集の結果、認知症高齢者の地域での見守りネットワークを構築することにした。自治会長に協力を求めたところ、自治会主催の自治会員向け行事として取り組むことになった。
取り組みの内容として優先度が高いのはどれか。
取り組みの内容として優先度が高いのはどれか。
- 認知症高齢者と交流する。
- 認知症に関する専門医療機関を見学する。
- 高齢者の徘徊に関する新聞報道を分析する。
- 認知症高齢者への対応のロールプレイを行う。
4
問 55
保健師は地域に認知症高齢者の居場所を作りたいと考え、公民館を会場にした事業に取り組むことにした。
事業を実施する上で最も適切なのはどれか。
事業を実施する上で最も適切なのはどれか。
- 認知症高齢者と地域の住民が参加できるプログラムを設定する。
- 認知症高齢者と同居している家族の休息を促す。
- 活動内容は認知症の専門医が決める。
- 開催頻度は年4回とする。
1
1-30
31-55