nurture.jp

第97回保健師国家試験

午前問題
問 31
特定健康診査時と1年後の特定健康診査時の体重変化量について、その間に行われた特定保健指導実施群と非実施群との間で平均値の差を検定したい。
用いる検定はどれか。
  1. F検定
  2. t検定
  3. x2検定
  4. フィッシャー検定
  5. ウィルコクソン検定
2
問 32
アルマ・アタ宣言で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 地域活動の強化
  2. 健康的な公共政策づくり
  3. 健康は基本的人権であること
  4. 健康は生きる目的ではなく生活の資源であること
  5. スローガンは「すべての人びとに健康を」であること
35
問 33
人口50万人の市。自立している独居高齢者の実態調査(無記名)を行った結果、プライバシーには深入りされたくないが、孤独死に対する不安を抱えている高齢者の実態が明らかになった。
孤独死を予防するための保健師の活動として適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 民生委員の会議に調査結果を提示して話し合う。
  2. 独居高齢者の名簿を作成し関係機関に配布する。
  3. 独居高齢者を支援するネットワークづくりを行う。
  4. 孤独死の不安をもつ高齢者に対して介護保険の申請を勧める。
  5. 居宅介護支援事業所の介護支援専門員に高齢者の見守りを依頼する。
13
問 34
地域・職域連携推進事業で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. ハイリスクアプローチの展開に重点を置く。
  2. 医療機関の代表として健康保険組合が参加する。
  3. 地域と職域に共通する課題の明確化が事業の推進に役立つ。
  4. 対象は二次医療圏地域・職域連携協議会に参加している企業である。
  5. 二次医療圏地域・職域連携協議会には労働基準監督署の参加を要請する。
35
問 35
58歳の女性。65歳の夫との2人暮らし。現在、脊髄小脳変性症で入院中である。移動時は車椅子を使用し、夜間のみ人工呼吸器を装着している。夫から「本人は退院を希望しているが、進行していく病気なので自分が介護をしていけるか不安で、在宅療養に踏み切れない」と保健所保健師に相談があった。
夫が在宅療養について検討するための支援で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 介護老人福祉施設のリストを渡す。
  2. 人工呼吸器の取り扱い業者を紹介する。
  3. 障害者自立支援法による療養介護の情報を伝える。
  4. 今後利用できる介護保険の居宅サービスについて説明する。
  5. 了解の得られた脊髄小脳変性症在宅療養者の家族を紹介する。
45
問 36
感染症対策に関する現行法はどれか。2つ選べ。
  1. 結核予防法
  2. 予防接種法
  3. 伝染病予防法
  4. 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律
  5. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
25
問 37
小学2年生の男子が、水泳の授業後に咽頭痛と倦怠感とを訴えて保健室に来室した。保健室で1時間休養させたが、発熱もみられたため保護者に連絡をして早退させた。翌日、保護者から咽頭結膜熱と診断されたので学校を休むという連絡が入った。
養護教諭が行う対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 学級閉鎖をする。
  2. プールを使用禁止にする。
  3. 同じ学級の自動の検温と健康観察とを行う。
  4. 全校児童に手洗いとうがいの励行を指導する。
  5. 教室の扉の取っ手を家庭用洗剤を含ませた布で拭く。
34
問 38
現在の日本の社会保障の考え方はどれか。2つ選べ。
  1. 社会保障の需要が高まるように努力する。
  2. 「共助」のシステムとして介護扶助を強化する。
  3. 給付と負担の両面で、より公平な制度としていく。
  4. 「公助」には国民皆保険と皆年金制度を位置づける。
  5. 「自助」を基本、「共助」が補完、対応できない場合に「公助」とする。
35
問 39
スクリーニング検査で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 疾病の一次予防として行われる。
  2. 多疾患を対象とするものをマススクリーニングという。
  3. 偽陰性が多くても、偽陽性が少ない検査が適している。
  4. 早期発見した場合、治療法が存在する疾患を対象とする。
  5. スクリーニング陽性者に対して診断確定する方法がある疾患を対象とする。
45
問 40
感染症発生動向調査で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 根拠法令は地域保健法である。
  2. 集計結果は市町村ごとに発表される。
  3. 性器クラミジア感染症は全数把握の対象である。
  4. 医療機関から保健所に患者情報の提供が行われる。
  5. 鳥インフルエンザ(H5N1)は全数把握の対象である。
45
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
 31歳の母親。夫と男児との3人暮らし。児は身長48cm、体重3,000gで出生した。乳児家庭全戸訪問事業による2か月時の訪問では、身長58cm、体重5,500gであった。母親は4か月児健康診査のため市保健センターに来所した。児は4か月と20日。身長63cm、体重7,000g。ポリオの予防接種が済んでいる。
 市では、乳幼児健康診査の他、育児相談(月1回、保健センター)、離乳食教室、子ども発達相談(月1回、就学前の児を対象とし、健康診査も兼ねている)も実施しており、赤ちゃんふれあいルーム(乳児を対象とした体重測定と母親同士の交流の場)がある。ポリオ以外の予防接種は個別接種である。乳児身体発育曲線(男児)を図に示す。
状況設定問題の画像
問 41
4か月児健康診査の問診時、母親から「予防接種は次に何を受ければよいか」と相談があった。
予防接種で最も優先度が高いのはどれか。
  1. BCG
  2. 日本脳炎
  3. 麻疹・風疹
  4. DPT混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)
1
問 42
母親は児とともに7か月児健康診査に来所した。児は7か月と5日。身長67cm、体重7,300g。定頸+、寝返り+、手をついたお座り+。母親は「5か月から離乳食を開始した。同じアパートの住人と時々子育ての話をする」と言う。
保健師とアセスメントに必要な情報で優先度が高いのはどれか。
  1. 予防接種の状況
  2. 事故予防の理解
  3. 離乳食の進行状況
  4. 母親への育児サポート状況
3
問 43
母親は児とともに10か月児健康診査に来所した。児は10か月と1日。身長68cm、体重7,600g。手をついたお座り+、はいはい(-)、つかまり立ち(-)。母親は「うちの子は他の子と比べておとなしいみたい。あまり動かないし…」とやや不安そうである。保健師は母親が気にしていることや気持ちを受けとめ、他の母子保健事業の利用を促して健康診査後もフォローしていくこととした。
利用を促す母子保健事業で最も適切なのはどれか。
  1. 育児相談
  2. 離乳食教室
  3. 子ども発達相談
  4. 赤ちゃんふれあいルーム
3
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
 人口5万3千人の市。A地区は自営業者が多く、B~D地区は近隣の市町村に通勤している者が多い。市では、特定保健指導の「動機付け支援」利用者を対象に、運動推進員の協力を得て、月2回、3か月間の『いきいき運動教室』を実施している。目的は、行動変容ステージが関心期・準備期にある者の行動変容である。「動機付け支援」利用者全員が運動への関心を示したため、全員に案内を郵送し、募集した。教室への参加状況を表に示す。
状況設定問題の画像
問 44
教室の目的に沿った対象者の参加率が高い地区はどれか。
  1. A地区
  2. B地区
  3. C地区
  4. D地区
3
問 45
市の保健師はこの教室への参加者をさらに増やすために、特定保健指導の周知方法を見直したいと考えた。
A地区の場合、協力を得る対象で最も有効と考えられるのはどれか。
  1. 自治会
  2. 教室修了者
  3. 運動推進員
  4. 市内の医療機関
1
問 46
B地区の教室修了者の1人から市の保健師に「1人では続けていくのが難しいので、今後も皆で運動を続けたい」との申し出があった。
市の保健師の対応で優先度が高いのはどれか。
  1. 教室参加時運動習慣ありの者を対象とした自主グループづくりを勧める。
  2. 教室を修了した他の者にグループによる運動継続の意向を確認する。
  3. 地区の運動推進員に自主グループづくりの意向を確認する。
  4. 地区の運動推進員にグループの立ち上げを依頼する。
2
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
 Aさん、30歳の男性。統合失調症で両親との3人暮らし。市保健センターで行われている精神障害者社会復帰事業(デイケア)に参加している。Aさんから「70歳の父が筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉になり、大学病院に入院した。母も高齢なので自分が1人で介護をしなくてはいけない」と市の保健師に相談があった。
問 47
市の保健師のAさんへの対応で優先度が高いのはどれか。
  1. 保健所保健師への相談を勧める。
  2. 父親の介護は母親に任せるよう話す。
  3. 介護保険制度の手続き方法を説明する。
  4. 父親の療養について母親を交えて話し合うことを提案する。
  5. 父親を介護することについて、Aさんの主治医に許可を得るよう助言する。
4
問 48
市の保健師は、保健所保健師と協力してこの家族を支援することとした。1か月後、Aさんの父親は退院し在宅療養に移行することになった。保健所保健師が、Aさんとその両親の承諾を得て、Aさんの父親の主治医に病状確認をすると、「現在は下肢の症状が中心で、球麻痺症状はみられないが、今後病状の進行に応じて対応が必要となる」とのことだった。
この時点で考えられるAさんの父親の在宅療養のための保健所保健師の支援として最も適切なのはどれか。
  1. 療養通所介護
  2. かかりつけ医の確保
  3. 訪問入浴介護の利用
  4. 介護保険による訪問看護の導入
2
問 49
Aさんの父親の在宅療養が開始された。ある日、Aさんの父親を担当している訪問介護員から「Aさんは精神障害者だと聞いたが、どのように接していいのかわからない」と保健所保健師に相談が入った。
保健所保健師のその後の対応として適切なのはどれか。
  1. 訪問介護員の交代を提案する。
  2. Aさんの病状について市の保健師に確認するよう勧める。
  3. 訪問介護員の不安や対応方法をテーマに事例検討会を行う。
  4. 父のサービス利用時間中はAさんに外出するよう勧めると約束する。
3
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
 ある保健所において、管轄区域の市町村保健センターの乳幼児健康診査に来る母親を対象として質問紙調査(無記名、自記式)を実施することになった。この調査の目的は、母親のメンタルヘルスとその関連要因を明らかにし、必要な事業を検討することである。
問 50
保健所が調査事業を行うことについて規定している法律はどれか。
  1. 健康増進法
  2. 地域保健法
  3. 母子保健法
  4. 次世代育成支援対策推進法
  5. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
2
問 51
来所した母親に、調査への依頼および説明が書いてある手紙と調査用紙を渡し、口頭でも依頼と説明を行った。記入後、回収箱に入れてもらうこととした。
この調査の実施にあたり、倫理的に問題がないのはどれか。
  1. 児の生年月日を調査項目に加える。
  2. 協力できないといわれた場合は理由を確認する。
  3. 同意の確認は記入した回答の提出をもって行う。
  4. 記入漏れの点検に備えて裏面に受付け番号を記入しておく。
3
問 52
調査の結果を保健所保健師と市の保健師で検討したところ、子育て中の母親のメンタルヘルス指標と夫からの支援の指標との間に強い関連が認められた。
この結果を受けて、今後、市で行うべき取り組みとして優先度が高いのはどれか。
  1. 父親を対象としたメンタルヘルス調査を実施する。
  2. 児童虐待についての啓発資料を自治会に配布する。
  3. 男性労働者を対象としたメンタルヘルス研修会を行う。
  4. 両親学級で育児経験のある父親から体験談を話してもらう。
4
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
 新たにがんのスクリーニング法が開発され、市では住民検診で利用できるか検討することになった。市内のA病院でがん患者100人と健康な人100人を対象に調査を行い、検査陽性とがん罹患との関連が明らかになった。市と地域の医療機関は協力体制がとれており、これまでがん検診では一次健診と精密検査の実施体制が確立されている。
問 53
スクリーニング検査法評価の指標の中で、A病院で行った調査の結果と比べて、住民200人を対象に調べた場合に結果が低くなる可能性があるのはどれか。
  1. 敏感度
  2. 特異度
  3. 陽性反応的中度
  4. 陰性反応的中度
3
問 54
新しいスクリーニング法を住民に施行して、評価をすることにした。検査陽性者は、スクリーニング検査1年後まで追跡をして全員のがんの罹患状況を確認することにし、検査陰性者のがんの罹患状況は、地域がん登録を紹介して確認することにした。検査陽性者と陰性者との全員を1年間追跡したときの結果を真の値とする。
真の値と試行の結果をそれぞれに比べて、その差が最も大きくなる可能性があるのはどれか。
  1. 敏感度
  2. 特異度
  3. 陽性反応的中度
  4. 陰性反応的中度
1
問 55
住民を対象にした試行の結果、スクリーニング検査法の精度がよいことが確認できた。このスクリーニング検査法を用いて住民健診を実施することにした。
一次健診と精密検査を委託する市内の医療機関に協力を依頼する内容で優先度が高いのはどれか。
  1. 要精検者に受診を勧める。
  2. 検査陰性者をフォローする。
  3. 一次検診の広報活動を企画する。
  4. 各医療機関の要精検率を一定にする。
1
1-30
31-55