第98回保健師国家試験
午前問題
問 31
文献検索を行い、その結果見つけた文献を引用しながら論文を書いた。
適切でないのはどれか。
適切でないのはどれか。
- 抄録で内容が確認できたため本文を読まずに引用した。
- 見つけた文献で使われていたキーワードで再検索した。
- 該当文献が多かったため原著論文に限定して再検索した。
- 出典を明示して著者の許可を得ずに文章の一部を引用した。
1
問 32
就業保健師数が最も多いのはどれか。
- 病院・診療所
- 介護保険施設
- 事業所
- 保健所
- 市町村
5
問 33
学校保健統計について正しいのはどれか。
- 2年に1回調査が行われる。
- 悉皆調査によるものである。
- 色覚は調査項目の1つである。
- 幼稚園児から高校生までが対象である。
- 学校医の配置状況は調査項目の1つである。
4
問 34
従業員数2,000人の事業場。この事業場では毎年5月に事業場内で定期健康診断を行っている。受診率は98%である。健康診断後の保健指導を充実させるために、次年度は月から10月に分散して健康診断を行うこととした。
事業場の健康管理センターに勤務する保健師がこの変更の影響を次年度末に評価する際、保健指導実施率の他に適切な評価項目はどれか。
事業場の健康管理センターに勤務する保健師がこの変更の影響を次年度末に評価する際、保健指導実施率の他に適切な評価項目はどれか。
- 有所見者率
- 健康診断の受診率
- 健康診断で仕事中に離席する時間
- 事業場が企画する健康講演会への参加率
- 自分の健診結果を理解している社員の割合
5
問 35
周産期医療センターにおいて、在胎31週0日、1,500gで出生した男児。出生後、呼吸状態が安定せず、しばらく入院治療の継続が必要と説明されている。
この児に適用となるのはどれか。
この児に適用となるのはどれか。
- 療育医療
- 養育医療
- 自立支援医療
- 特定疾患治療研究費
- 小児慢性特定疾患治療研究費
2
問 36
健康相談で、高血圧予防について知りたいという人に対する日常生活における保健指導内容で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 肥満を予防する。
- 塩分は1日12gを目安にする。
- 野菜は1日150gを目安にする。
- ストレスをためないようにする。
- アルコールは1日60g程度とする。
14
問 37
市では地域包括支援センターで高齢者の生活機能評価を行った。二次予防対象者に対する介護予防事業の内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 禁煙指導
- 栄養相談
- 介護技術指導
- 口腔機能向上の指導
- 訪問リハビリテーション
24
問 38
医療計画で必要病床数を二次医療圏ごとに算定するのはどれか。 2つ選べ。
- 精神病床
- 結核病床
- 一般病床
- 療養病床
- 人工透析の病床
34
問 39
保健計画の策定で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 数値目標を設定する。
- 他の行政計画と重複させない。
- 計画の策定過程への住民参加を促す。
- 評価計画は保健計画の策定後に検討する。
- 計画の評価メンバーは保健師が任命する。
13
問 40
災害救助法で定められている救助はどれか。2つ選べ。
- 医療及び助産
- 消防団員の任命
- 要援護者の把握
- 生活再建支援金の支給
- 収容施設(応急仮設住宅を含む)の供与
15
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
人口5万人の市。高齢者担当の保健師は2名。市内には、市直営の地域包括支援センターが1か所、訪問看護ステーションと特別養護老人ホームとがそれぞれか所ある。市内の各地区には保健推進員がいる。3地区の市民センターでボランティア主催の地域高齢者の集いを毎月回開催している。ボランティアから「集いの参加者の中で痩せてきたように感じる女性がいる。どうも食事をあまり食べていないようだし、衣服も不潔なことが多い」と保健師に相談があった。女性は86歳、長女と2人で暮らしている。6か月前に認知症と診断され、要介護1の認定を受けている。食事と排泄とに一部介助を要する。月1回の通院のために介護サービスを利用している。
人口5万人の市。高齢者担当の保健師は2名。市内には、市直営の地域包括支援センターが1か所、訪問看護ステーションと特別養護老人ホームとがそれぞれか所ある。市内の各地区には保健推進員がいる。3地区の市民センターでボランティア主催の地域高齢者の集いを毎月回開催している。ボランティアから「集いの参加者の中で痩せてきたように感じる女性がいる。どうも食事をあまり食べていないようだし、衣服も不潔なことが多い」と保健師に相談があった。女性は86歳、長女と2人で暮らしている。6か月前に認知症と診断され、要介護1の認定を受けている。食事と排泄とに一部介助を要する。月1回の通院のために介護サービスを利用している。
問 41
ボランティアから相談を受けた保健師は、関係者と連携して家庭訪問をしようと
考えた。
同行する関係者で優先度が高いのはどれか。
考えた。
同行する関係者で優先度が高いのはどれか。
- 保健推進員
- ボランティア
- 保健所保健師
- 介護支援専門員
4
問 42
保健師は、2日後に家庭訪問をし、長女と面接した。面接を進めるうちに長女は保健師に、母親に厳しく育てられたこと、介護のつらさや疲労感について話し始めた。母親の食事については「食べ終わるのを待っていたら片付かないので、食べていなくても15分経ったらお膳を下げています」と話した。
長女の話を傾聴した後の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
長女の話を傾聴した後の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 「厳しく育てられたことがお母さんに対するあなたの態度に出ていますね」
- 「介護度の高い高齢者を抱える他の家族はもっと大変ですよ」
- 「認知症高齢者の家族会に参加してみませんか」
- 「高エネルギーの流動食に変えてみませんか」
- 「デイサービスを利用してはどうでしょうか」
35
問 43
市では同様の事例が相次いだことから、高齢者虐待防止対策の見直しをすることにした。
見直す内容で優先度が高いのはどれか。
見直す内容で優先度が高いのはどれか。
- ネットワーク会議記録の保管方法
- 医療機関との夜間・休日連絡方法
- 高齢者虐待発見時の関係者間の連絡方法
- 高齢者虐待についての市民への啓発方法
4
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
人口10万人の市。出生数は年間1,200人。乳児の一時預かり事業や養育支援訪問事業は実施していない。Aさんは、出生時体重2,500g、2,600gの双子を出産した。市保健センターの保健師が新生児訪問を行ったところ、Aさんは「赤ちゃんが泣く度に別々に授乳を行っていて、ほとんど睡眠時間がとれません」と語った。夫の仕事の関係で出産直前に転入し、近くに親戚はいない。
人口10万人の市。出生数は年間1,200人。乳児の一時預かり事業や養育支援訪問事業は実施していない。Aさんは、出生時体重2,500g、2,600gの双子を出産した。市保健センターの保健師が新生児訪問を行ったところ、Aさんは「赤ちゃんが泣く度に別々に授乳を行っていて、ほとんど睡眠時間がとれません」と語った。夫の仕事の関係で出産直前に転入し、近くに親戚はいない。
問 44
保健師の対応で最も適切なのはどれか。
- 「母乳栄養で乗り切りましょう」
- 「大変なのは今だけです。頑張りましょう」
- 「子育て中の近所のお母さんを紹介しましょう」
- 「2人の授乳時間を合わせる方法を一緒に考えましょう」
4
問 45
市では、過去5年間に毎年6~8例の多胎児の出生があり、その育児について「育児書には多胎の育児については書いてないから役に立たない。どうしていいか困ることばかり」とその大変さを語る人が多い。保健師は多胎児をもつ家族への対策が必要と考えた。
市保健センターが、まず取り組むこととして最も適切なのはどれか。
市保健センターが、まず取り組むこととして最も適切なのはどれか。
- 要保護児童の把握
- 多胎妊婦教室の開催
- 療育指導事業の実施
- 多胎児親子の交流会の開催
4
問 46
市保健センターの保健師は、多胎児を育児中の家族への支援をさらに充実させる必要があると考えた。
最初に情報共有を図るのはどれか。
最初に情報共有を図るのはどれか。
- 乳児院
- 産科病院
- 児童相談所
- 市の児童福祉担当部署
4
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
保健所は、人口15万人で高齢化率22.3%のA市と人口8万人で高齢化率25.3%のB市とを管轄している。管轄内の医療・介護のサービス事業者数は充足している。脳卒中患者の一般病床の在院日数が長いため医療連携体制の構築に取り組むことになった。
保健所は、人口15万人で高齢化率22.3%のA市と人口8万人で高齢化率25.3%のB市とを管轄している。管轄内の医療・介護のサービス事業者数は充足している。脳卒中患者の一般病床の在院日数が長いため医療連携体制の構築に取り組むことになった。
問 47
保健所が事務局となり、医師会と病院と合同で検討会を開催することとした。
医療連携体制を強化する根拠となる法律はどれか。
医療連携体制を強化する根拠となる法律はどれか。
- 医療法
- 地域保健法
- 健康増進法
- 介護保険法
1
問 48
検討会を経て、脳卒中リハビリテーション連絡協議会が開催された。この会で、急性期・回復期・在宅医療を担う医療機関相互の連携が不十分なために、退院後のリハビリテーションの中断や、自宅に閉じこもりがちになるといった問題が生じていることが共有された。
脳卒中リハビリテーション連絡協議会が検討すべき対策で適切なのはどれか。
脳卒中リハビリテーション連絡協議会が検討すべき対策で適切なのはどれか。
- 介護老人保健施設の誘致
- 医療安全支援センターの設置
- 地域連携クリニカルパスの導入
- 生活習慣病の早期発見に関する啓発活動
3
問 49
保健所は医療サービスと介護サービスを含めた包括的な支援提供ができる仕組みづくりを検討することにした。保健師は、医療介護のサービス事業所に対する聞き取り調査を実施した。その結果、各事業所の実務者レベルの情報交換が必要だという意見が多かった。
保健師の対応として最も適切なのはどれか。
保健師の対応として最も適切なのはどれか。
- ボランティアの育成
- 民生委員に対するヒアリング調査の実施
- サービス事業者を対象とした事例検討会の企画
- 脳卒中で介護保険を利用している者のリスト作成
3
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
58歳の男性。15年間精神科病院に入院している。15年前「隣の家から攻撃される。自己防衛だ」と言い、家の前を通る人に石を投げる等の行動がみられたため、統合失調症と診断され、入院した。両親は死去し、兄弟はいない。自宅は残っている。親戚は音信不通である。薬物治療によって病状は安定しており、退院が予定された。退院準備のため、男性は病院ケースワーカーと自宅の様子を見に行った。
58歳の男性。15年間精神科病院に入院している。15年前「隣の家から攻撃される。自己防衛だ」と言い、家の前を通る人に石を投げる等の行動がみられたため、統合失調症と診断され、入院した。両親は死去し、兄弟はいない。自宅は残っている。親戚は音信不通である。薬物治療によって病状は安定しており、退院が予定された。退院準備のため、男性は病院ケースワーカーと自宅の様子を見に行った。
問 50
男性を見た近所の住民から「退院させないでほしい」と保健所保健師へ要望があった。
保健所保健師の対応で適切なのはどれか。
保健所保健師の対応で適切なのはどれか。
- 近所の住民が要望した理由を聞く。
- 近所の住民ひとりひとりを説得する。
- 男性の病状安定の診断書の提出を主治医に求める。
- 男性のことに関しては、病院に相談するよう住民に伝える。
- 近所の住民の感情へ配慮し、男性に15年前の謝罪をするよう助言する。
1
問 51
保健所保健師が病院スタッフとともに男性と面接すると、男性は「入院生活が長かったので、地域の人にも受け入れてもらえないし、退院後1人で生活できるのか不安だ」と言う。男性は病院ケースワーカーや保健所保健師と相談し、退院後はグループホームに入居することとなった。
保健所保健師の男性への対応で優先すべきなのはどれか。
保健所保健師の男性への対応で優先すべきなのはどれか。
- 精神科訪問看護の導入
- 社会復帰調整官の紹介
- 生活介護サービスの導入
- 精神疾患患者の患者会の立ち上げ
1
問 52
この事例のように精神障害者に対する理解が不十分な地域における退院促進の対策として、保健所保健師が事業化するのに適切なのはどれか。
- 日常生活用具給付事業
- 精神保健福祉士養成事業
- コミュニケーション支援事業
- 精神保健ボランティア養成事業
4
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
A市では肺がん検診の結果、肺癌と判明する事例が近年著しく増加していることから、統計的に要因分析することとした。A市には10年前までアスベストの工場があった。この地域ではがん登録事業を行っていない。隣接するB市とC町は、生活環境や住民の年齢構成がA市と類似している。
A市では肺がん検診の結果、肺癌と判明する事例が近年著しく増加していることから、統計的に要因分析することとした。A市には10年前までアスベストの工場があった。この地域ではがん登録事業を行っていない。隣接するB市とC町は、生活環境や住民の年齢構成がA市と類似している。
問 53
A市の肺癌の状況を、B市およびC町と比較する際に、国や県が実施して結果を公表している調査結果を利用することにした。
活用できる指標はどれか。
活用できる指標はどれか。
- 肺癌有病率
- 肺癌罹患率
- 肺癌死亡率
- 肺癌検診受診率
3
問 54
検証の結果、B市とC町よりも、A市における肺癌の増加傾向が顕著であることが分かった。保健師は肺癌罹患に対するアスベスト工場の影響を調べたいと考えた。
疫学調査法で最も適切なのはどれか。
疫学調査法で最も適切なのはどれか。
- 横断研究
- 介入研究
- コホート研究
- 症例対照研究
4
問 55
調査の結果、肺癌罹患とアスベスト工場との関連は認められなかった。
要因分析の観点から次に行うことで有用なのはどれか。
要因分析の観点から次に行うことで有用なのはどれか。
- 生活習慣との関連について分析する。
- 年齢調整した指標を用いて3市町を比較する。
- 肺癌患者のがんの家族歴について分析する。
- 年次ごとに肺癌患者数をプロットして回帰係数を求める。
1
1-30
31-55