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第99回保健師国家試験

午後問題
問 31
養護教諭の職務として正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 保健教育を行う。
  2. 給食の衛生管理を行う。
  3. 児童生徒の家族の健康管理を行う。
  4. 学校保健安全計画の立案に参画する。
  5. 感染症のおそれのある児童生徒の出席停止を決定する。
14
問 32
人口7万人、高齢化率30%の市。地震により市の大半が被災し、1か月が経過した。保健師による全戸訪問から、在宅の高齢者の中に褥瘡ができるなど状態が悪化している人がいることが分かった。
今後、状態が悪化している在宅の要介護高齢者の症状を改善するために、市保健師が行うことで適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 民生委員に配食サービスを依頼する。
  2. 居宅サービス事業者と情報を共有する。
  3. デイサービスを市役所庁舎で実施する。
  4. 災害ボランティアセンターに訪問介護を依頼する。
  5. 訪問医療チームに状態が悪化している要介護高齢者リストを渡す。
25
問 33
公衆衛生行政について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 日本国憲法第 20 条を法的基盤としている。
  2. 人材、法律による制度および予算が必要である。
  3. 一般衛生、産業保健、環境保健の
  4. 国や地方自治体が国民の健康保持増進のために行う。
  5. 都道府県の公衆衛生行政部門の組織機構は一様である。
24
問 34
保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 国勢調査は5年に1度実施される。
  2. 患者調査は2年に1度実施される。
  3. 人口動態調査は2年に1度集計される。
  4. 国民生活基礎調査から罹患率が得られる。
  5. 医療施設調査には静態調査と動態調査とがある。
15
問 35
人口122万人の市。1年間の結核新登録者数は183人、年末の活動性結核患者数は159人、年末の結核総登録患者数は549人であった。
年間の結核罹患率(人口10万人対)を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第位を四捨五入すること。

解答:
00
11
22
33
44
55
66
77
88
99
15
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
 Aさん(85歳、男性)。肺癌の終末期である。病院から車で1時間かかる自宅への退院を希望しており、病院の地域連携室から保健所保健師に相談が入った。Aさんは軽度の呼吸困難と骨転移による激しい痛みとがあったが、現在は薬物による疼痛コントロールができている。子どもはなく、妻(80歳)と2人暮らしをしていた。
問 36
保健師は、Aさんと妻が在宅での看取りを希望していることを確認した。
疼痛コントロールを退院後も継続するために、最初に調整する機関はどれか。
  1. 保健センター
  2. 近隣の調剤薬局
  3. 在宅療養支援診療所
  4. 訪問看護ステーション
3
問 37
Aさんと妻は病院の主治医から在宅での療養生活についての説明を受けてから退院し、医師、看護師、薬剤師の在宅ケアチームによるケアが24時間体制で開始された。週後に保健師は妻に電話をして様子を聞いた。妻は「時々、本人は自覚していないけど呼吸が苦しそうで心配です」と話した。
妻への説明で適切なのはどれか。
  1. 「苦しいときは救急車を呼びましょう」
  2. 「症状が落ち着くまで様子をみましょう」
  3. 「入院していた病院に相談してみましょう」
  4. 「訪問看護師にいつでも連絡してよいですよ」
4
問 38
Aさんは家族や近所の友人に看取られて亡くなった。保健所ではAさんの事例をもとに、在宅ターミナルケアの体制整備を図るため推進会議を開催することにした。
推進会議の初回の議題で最も優先すべきなのはどれか。
  1. 在宅ケア支援ボランティアの育成
  2. 住民対象の終末期に関する意識調査の内容
  3. 関係機関の在宅ターミナルケアの取り組み状況
  4. 診療所医師を対象とした緩和ケア研修会の内容
3
次の文を読み39、40の問いに答えよ。
 Aさん(56歳、女性)。48歳のときに多系統萎縮症と診断された。現在、歩行困難となり、車椅子で移動している。構音障害と排尿障害とがあり、膀胱留置カテーテルを留置している。隣市の専門医療機関に月1回通院している。要介護4で、通所介護サービスを週2回利用している。61歳の夫(無職)と人暮らし。市内に長女(26歳)が1人暮らしをしているが、仕事が多忙のため、Aさんの介護は夫が中心に担ってい
る。夫は糖尿病で半年くらい前から血糖コントロールが不良である。
問 39
夫は血糖のコントロールのために入院を勧められている。
夫の入院中にAさんが利用する事業で適切なのはどれか。
  1. 神経難病患者在宅医療支援事業
  2. 難病患者地域支援対策推進事業
  3. 重症難病患者入院施設確保事業
  4. 難病患者認定適正化事業
  5. 短期入所療養介護
5
問 40
夫は入院し、インスリンの自己注射が開始された。退院後もAさんの介護をしている。翌年、Aさんの特定疾患医療費助成の更新申請に保健所に来所した。Aさんは、症状が進行したために、2週前から専門医療機関に入院し、呼吸管理のため気管切開をして吸引が頻回に必要な状況であるという。夫婦ともに在宅療養を望んでおり、夫はAさんの退院に向け、吸引の練習をしている。訪問サービスの利用について意向を確認すると、夫は「自宅に他人が入ると疲れるから利用は考えていない」と言う。
夫への対応で適切なのはどれか。
  1. 「療養型の入院医療機関を探しましょう」
  2. 「Aさんの通所介護は、週7日にしたほうがいいですね」
  3. 「専門医療機関の主治医に在宅療養担当医を決めてもらいましょう」
  4. 「Aさんと娘さんも一緒に担当の介護支援専門員と話し合いましょう」
4
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
 人口20万人のA市。保健センターの保健師は、潰瘍性大腸炎の患者を対象にした勉強会を企画した。市民病院の専門外来を中心に広報したところ、15人の申し込みがあった。勉強会の内容は、前半の1時間は市民病院の専門医による疾患の特徴、診断や治療法などについての講義、後半の1時間は保健師によるセルフケア能力の向上のためのグループワークとした。
問 41
グループワークで最も学習効果の高い方法はどれか。
  1. 参加者の達成目標を統一する。
  2. 専門医の講義で不明だった点の説明をする。
  3. 具体的な話し合いの内容は参加者が決める。
  4. 日常生活の留意点を網羅した詳細な資料を配布する。
3
問 42
勉強会の後、IT企業に勤める参加者のBさん(30歳)から、同じ病気で悩んでいる人と情報共有や交流をしたいという希望があった。保健師は、Bさんに患者会の立ち上げを勧めることにした。
この時期の保健師からの提案で最も適切なのはどれか。
  1. 他県の難病の患者会と交流する。
  2. 対象はA市在住の患者に限定する。
  3. 運営が安定するまでは保健師が中心となる。
  4. インターネットを活用したコミュニケーションとする。
正答なし
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
採点対象から除外する。
2)理由
設問および選択肢が不十分なため、採点対象から除外する。
問 43
約2年間、患者会は順調に運営された。3年目になって、会の活動への参加者は少なくなり、会費収入が減少して赤字になった。世話人代表のBさんは、1人で会の存続を目指して運営の工夫を行ってきたが、なかなかうまくいかないと保健師に相談に来た。保健師は「大変でしたね」と苦労をねぎらった。
次に行う助言として最も適切なのはどれか。
  1. 「私が世話人を引き受けます」
  2. 「赤字の分は市の予算を活用できます」
  3. 「他の会員と今後について一緒に考えましょう」
  4. 「せっかくの会なので解散しないことが重要です」
  5. 「会員のCさんに世話人を代わってもらいましょう」
3
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
 Aさん(33歳、女性)。3歳6か月の長男と9か月の双子を育てている。長男はこれまでの健康診査で、異常は認められず順調に成長している。双子は在胎38週で生まれ、1人は出生体重2,600g、現在はいはいしている。もう1人は出生体重2,200g、3日前に1人座りができるようになった。2人とも体重増加は順調である。
問 44
Aさんは長男の3歳児健康診査に来所した。「離乳食も夫のお弁当も手作りしたいし、長男は家中におもちゃを散らかすし、毎日追われた感じで疲れます。長男に再び夜尿がみられるようになったり、双子の1人はなかなかお座りしなかったり気がかりです」と話す。
保健師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「1人座りできたのが遅いですね」
  2. 「夜尿は専門の医師に診てもらいましょう」
  3. 「お子さんには平等に接してあげてください」
  4. 「家事の負担を減らす方法について検討しましょう」
4
問 45
半年後、Aさんから「長男が幼稚園に入園し、子育ての大変な時期を乗り越えることができた。自分の経験を子育て中の人に伝えたい」と相談があった。保健師は、子育ての仲間づくりを目的に「ふたご子育ての集い」を企画し、Aさんを含め3人から申し込みがあった。
集いの初日の保健師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「機関誌を発行しましょう」
  2. 「子育て体験を話しましょう」
  3. 「もっと会員を増やしましょう」
  4. 「父親にも参加してもらいましょう」
  5. 「1か月に2回保健センターに集まりましょう」
2
問 46
この後半年、集いは順調に実施されている。保健師は自主的なグループ運営ができるよう「他の機関にも協力してもらいましょう」とグループに助言した。
協力を求める機関として適切なのはどれか。
  1. 児童相談所
  2. 都道府県保健所
  3. 母子福祉センター
  4. 子育て支援センター
4
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
 Aさん(40歳、女性)。特定健康診査の結果は、身長155cm、体重70kg、BMI29、腹囲90cm、血圧136/80mmHg、中性脂肪160mg/dL、HDLコレステロール38mg/dL、空腹時血糖95mg/dL、喫煙なしであった。積極的支援レベルに該当した
ため、保健指導の利用を勧めたところ「運動も嫌いだし、食事も変えたくない。少し太っているかもしれないけれどどこも悪くない」と言っていたが、保健師の働きかけで初回面接の約束ができた。
問 47
初回面接ではAさんの思いを受け止めながら生活を振り返った。
併せて行う対応で最も適切なのはどれか。
  1. 食事の改善方法を提案する。
  2. 毎日体重を測ることを勧める。
  3. 運動に取り組んでいる自主グループを紹介する。
  4. 減量のメリットをAさんの興味に合わせて伝える。
4
問 48
面接で、Aさんから「1か月に1kgの体重減少を目標に、食事と運動の改善に取り組んでみたい」という発言が聞かれ、主食の量と間食を減らして毎日20分歩くことにした。初回面接から2週後に電話連絡したところ、Aさんは「ご飯を減らして間食もしないように気をつけているが、運動は3日しか続かなかった。体重も全然減らない。やっぱり私はだめなのだろうか」と話した。
保健師の最初の対応として最も適切なのはどれか。
  1. 体重を朝晩測定することを勧める。
  2. スポーツジムに通うことを提案する。
  3. 食事を減らす努力をしていることを認める。
  4. 食事と運動を併せて取り組む必要性を話す。
3
問 49
6か月後の最終評価面接では、体重65kg、腹囲85cmであり、Aさんは「何度も挫折しそうになったが、保健師さんに励まされてなんとか続けられた」と話した。Aさんは、翌年の特定健康診査を受診し、身長155cm、体重67kg、BMI28、腹囲86cm、血圧134/80mmHg、中性脂肪146mg/dL、HDLコレステロール45mg/dL、空腹時血糖90mg/dLという結果であった。
Aさんへの今後の対応として適切なのはどれか。
  1. 再度「積極的支援プログラム」の利用を勧める。
  2. 「動機付け支援プログラム」の利用を勧める。
  3. 「情報提供」を行う。
  4. 今年度は支援の非該当であると伝える。
2
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
 人口12万人、高齢化率23%のA市。要介護者が増加傾向にある。国内で発生した震災を機に1人暮らしの高齢者から市役所に災害時の対応について相談が寄せられた。市は地域福祉計画の中に、災害時の1人暮らし高齢者への対策を盛り込むことを予定している。
問 50
A市は、すでに氏名、住所、生年月日の記載された1人暮らし高齢者のリストを保持している。
今後、災害発生直後の対応のために収集する情報はどれか。2つ選べ。
  1. 家族の連絡先
  2. 最終学歴
  3. 自力歩行の可否
  4. 住居の所有状況
  5. 経済状況
13
問 51
さらにニーズ把握のための聞き取り調査も実施することになった。
この調査の実施対象として優先度の高いのはどれか。
  1. 商工会議所の会員
  2. 肥満予防教室の参加者
  3. スポーツクラブの会員
  4. 介護予防事業の教室参加者
4
問 52
地域福祉計画が立案され、災害時の要援護者対策として、地域での1人暮らし高齢者の見守り体制を強化することにした。
保健師の活動で適切なのはどれか。
  1. 防災用品についての広報
  2. 高齢者への声かけボランティアの育成
  3. 避難所に指定されている施設のバリアフリー化
  4. 災害時の健康管理に関する市民向け講演会の開催
2
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
 保健所に市内の介護老人保健施設から「本日20時ころから、下痢、嘔吐の症状がある入所者が多数いる。職員も数名が発症している」と 22時に通報があった。保健所は食中毒を疑い、直ちに調査に入った。
問 53
昼食を検食した職員4名も腹痛、下痢の症状があり、夕食前に退所した者からも発症者が出たため、当日の昼食について喫食調査を行った。昼食の喫食状況と発症状況を表に示す。
問53の画像
原因として最も疑わしいメニューはどれか。
  1. ハンバーグデミグラスソース
  2. アサリと青菜のあえもの
  3. 煮豆
  4. フルーツポンチ
1
問 54
10 人の発症者の便からウェルシュ菌が検出されたので、食中毒と判断された。考えられるのはどれか。
  1. 嘔吐物から二次感染が起こる。
  2. 不顕性感染から二次感染が起こる。
  3. 3日目以降、有症状者が増加する。
  4. ほとんどの発症者は軽症で経過する。
4
問 55
この施設への保健所の対応で適切なのはどれか。
  1. 発症者を隔離する。
  2. 調理器具の変更を指導する。
  3. 調理従事者の就業制限を行う。
  4. 食材の保存方法について指導する。
4
1-30
31-55