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第104回助産師国家試験

午後問題
問 1
中高年女性の脂質異常症で適切なのはどれか。
  1. 総コレステロール値で診断される。
  2. 加齢に伴う耐糖能の上昇が原因である。
  3. 閉経前は生活習慣改善による非薬物療法が中心である。
  4. LDLコレステロール値の上昇が改善目標とされている。
3
問 2
胎児性アルコール症候群の児に生じる典型的な異常はどれか。
  1. 肢欠損
  2. 小頭症
  3. 眼間開離
  4. 脳室周囲白質軟化症
2
問 3
子宮の構造で正しいのはどれか。
  1. 子宮筋層は横紋筋からなる。
  2. 子宮頸部では弾性線維が乏しい。
  3. 生理的収縮輪は洞筋部に形成される。
  4. 子宮峡部は解剖学的内子宮口と組織学的内子宮口の間である。
4
問 4
性器ヘルペスについて正しいのはどれか。
  1. 再発例は初感染よりも重症化する。
  2. 妊娠中の抗ウイルス薬治療は避ける。
  3. 分娩時に外陰部に水疱がある場合は帝王切開を行う。
  4. 性器ヘルペスを合併した妊婦から出生した児は出生後にワクチンを投与する。
3
問 5
産婆の免状制を初めて規定したのはどれか。
  1. 医制
  2. 産婆規則
  3. 太政官布告
  4. 産婆名簿登録規則
1
問 6
臓器移植では拒絶反応の主要な要因となる分子であり、妊娠では絨毛細胞における特殊な発現様式が胎児に対する母体の免疫学的受容に深くかかわっているのはどれか。
  1. エストロゲン受容体
  2. プロゲステロン受容体
  3. ヒト白血球抗原〈HLA〉
  4. ヒト絨毛性ゴナドトロピン
3
問 7
抗RhD抗体陰性の妊婦に対して抗D免疫グロブリンを投与すべき時期はどれか。
  1. 陣痛発来時点
  2. 羊水穿刺の直後
  3. 正期産の産褥5日
  4. 妊娠5週での自然流産直後
2
問 8
在胎22週の胎児の状態はどれか。
  1. 音に対する明らかな反応がある。
  2. 全身に胎脂の付着を認める。
  3. 覚醒期が認められる。
  4. 呼吸様運動を認める。
4
問 9
出生直後の新生児の哺乳前行動で適切なのはどれか。
  1. 自分の手を吸啜する。
  2. 生後2時間以降に認める。
  3. 覚醒レベルのState6で認める。
  4. 分娩中の麻酔薬による影響は少ない。
1
問 10
助産師は、中学1年生の女子生徒30名を対象とした45分間の健康教育の依頼を受けた。養護教諭と担任教諭との事前打ち合わせで、中学1年生で月経が発来した生徒が約半数であること、月経前にイライラ感、頭痛などを訴える生徒が多いことがわかった。
今回の健康教育を行う内容で、優先度が高いのはどれか。
  1. 月経時の手当の仕方
  2. 月経前症候群の症状
  3. 基礎体温の測定
  4. 性感染症
2
問 11
産婦の状態と、産婦に勧める体位の組合せで適切なのはどれか。
1.
前回分娩所要時間が3時間の既往
座位
2.
第1期潜伏期に疲労が強い
側臥位
3.
第1期活動期に強い腰痛の訴えがある
仰臥位
4.
児娩出直後に胎盤剝離出血がみられる
四つん這い
2
問 12
Aさん(35歳、初産婦)。3,300gの児を正常分娩した。分娩所要時間は15時間30分で出血量は350mL。会陰裂傷はⅡ度で縫合術施行。分娩後1時間経過した時点で「縫ったところが、急にとても痛くなってきた。腟の奥も圧迫されてる感じがする」と訴えがあった。体温37.5℃、脈拍84/分、血圧122/66mmHg。出血量は35mL、子宮底は臍高で硬度は良好だった。
このときの助産師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. トイレで排尿を促す。
  2. 会陰および腟部を診察する。
  3. 鎮痛薬の処方を医師に依頼する。
  4. 1時間後に出血量を確認すると説明する。
2
問 13
早産期の前期破水について正しいのはどれか。
  1. 発症後分娩まで1週間以上かかることが多い。
  2. 診断後に頸管縫縮術を行う。
  3. 抗菌薬の投与を行う。
  4. 初産婦に多い。
3
問 14
Aさん(31歳、初産婦)。妊娠30週3日で下腹部痛を訴え、かかりつけ医を受診し、子宮口2cm開大、切迫早産のため周産期医療センターに搬送された。搬送後、分娩が進行し経腟分娩となった。Aさんは、助産師がバースレビューを実施した際に「早く産まれたのでNICUに入院して一緒にいられない。おっぱいは張ってきたけど飲ませてあげられない」と話した。
助産師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「無事に出産できたことを受け入れましょう」
  2. 「早産になってしまった原因について考えましょう」
  3. 「直接授乳できなくても搾乳した母乳はあげられます」
  4. 「お母さんは先に退院できるので、その間に体調を整えましょう」
3
問 15
妊産婦のための食事バランスガイドにおいて、母乳栄養を行っている褥婦の主食の1日付加量として適切なのはどれか。
  1. うどん1杯分
  2. おにぎり1個分
  3. もりそば1杯分
  4. ロールパン1個分
2
問 16
生後10か月の男児。これまで乳児健康診査や予防接種は遅滞なく受けている。7か月児健康診査では特に問題は指摘されていない。
10か月児健康診査で社会性発達を評価する項目として適切なのはどれか。
  1. 身ぶりをまねする。
  2. あやすと声を出して笑う。
  3. 鏡に映った自分の顔に反応する。
  4. おむつをはかせるとき両足を広げる。
1
問 17
家庭内で幼児が誤飲した。児の全身状態は良好で、嘔気はみられない。
受診前の初期対応として催吐が禁忌になるのはどれか。
  1. 灯油
  2. たばこ
  3. 向精神薬
  4. アルコール飲料
1
問 18
周産期医療体制整備における地域周産期母子医療センターについて正しいのはどれか。
  1. 周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設である。
  2. 平成30年(2018年)には全国で500施設が設置されている。
  3. 総合周産期母子医療センターと同数が整備される。
  4. 三次医療圏の範囲を基準に設置が検討される。
1
問 19
産科病棟で、正常新生児用のクリニカルパスを導入した。
期待できる効果はどれか。
  1. 個別性のある授乳指導ができる。
  2. 新生児の取り違えが防止できる。
  3. 児に関する情報を母親と共有できる。
  4. 先天性甲状腺機能低下症が早期発見できる。
3
問 20
日本において婚姻届が受理される状況はどれか。
  1. 夫婦別姓
  2. 証人が未成年
  3. 三親等内の傍系血族間の結婚
  4. 妊娠していない女性が離婚日の翌日に届出
4
問 21
Aさん(28歳、初産婦)。妊娠16週0日。分娩予約の目的で病院を1人で受診した。外来受診時に助産師は、Aさんの顔面の出血斑に気付き、ドメスティックバイオレンス〈DV〉を疑った。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。
  1. 顔面の出血斑の原因を聞く。
  2. ソーシャルワーカーを紹介する。
  3. 配偶者暴力相談支援センターに連絡する。
  4. 次回の妊婦健康診査時にDVスクリーニングを行う。
1
問 22
助産所について正しいのはどれか。
  1. 開設した場合は所在地の市区町村長に届け出る。
  2. 分娩を扱わない助産所でも産後ケアを行える。
  3. 開設者は助産師でなければならない。
  4. 入所者数の上限は12名である。
2
問 23
大規模災害が発生した。病院は停電・断水となった。建物の倒壊はない。入院中の褥婦に退院先の状況を確認したところ、全員から、停電・断水中だが居住可能な場所に退院する、との返答があった。
明日退院予定で混合栄養を行う褥婦に説明する内容で適切なのはどれか。
  1. 児は退院まで新生児室で預かる。
  2. 哺乳瓶の代わりに紙コップも使用できる。
  3. 母乳分泌量に関わらず母乳栄養は中止する。
  4. 調乳にはミネラルウォーター(硬水)を使用する。
2
問 24
出生前に行われる遺伝学的検査について正しいのはどれか。
  1. 検査後に遺伝カウンセリングを開始する。
  2. マススクリーニングとして実施される。
  3. 確定的検査と非確定的検査がある。
  4. 妊娠22週以降には実施しない。
3
問 25
分娩誘発・促進の方法で正しいのはどれか。
  1. メトロイリンテルの挿入後、子宮収縮薬を併用する時は30分あける。
  2. プロスタグランジンFは気管支喘息の合併妊婦には使用できない。
  3. 吸湿性頸管拡張材は子宮収縮薬投与中であっても使用できる。
  4. プロスタグランジンE2錠は30分後に1錠追加できる。
  5. オキシトシンの開始時投与量は5~15mIU/分である。
2
問 26
切迫早産で入院中の妊婦。持続点滴静脈内注射で硫酸マグネシウムの投与が行われている。
高マグネシウム血症のリスクが高まる状態はどれか。
  1. 肥満
  2. 不眠
  3. 便秘
  4. 尿量減少
  5. 羊水過少
4
問 27
正常な妊娠経過の経産婦に認められる所見と妊娠週数の組合せで正しいのはどれか。
1.
Piskacek〈ピスカチェック〉徴候
妊娠16週ころ
2.
胎動初覚
妊娠18週ころ
3.
前駆陣痛
妊娠24週ころ
4.
組織学的内子宮口開大
妊娠28週ころ
5.
産徴
妊娠34週ころ
2
問 28
40歳の初産婦。妊娠経過は順調であったが、妊娠38週の妊婦健康診査で血圧が140/95mmHgとなり、分娩誘発が行われて順調に経腟分娩した。産褥1日目に突然「胃のあたりが痛い」と訴え、苦悶様表情を浮かべている。意識は清明で血圧170/110mmHg、脈拍100/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)である。
直ちに行うべき検査はどれか。
  1. 上部消化管内視鏡検査
  2. 胸部エックス線撮影
  3. 肝機能の血液検査
  4. 血液ガス分析
  5. 脳波検査
3
問 29
日齢5の正期産新生児。哺乳は良好だが、胸部聴診で収縮期心雑音を聴取した。聴取した心雑音の最強点を図に示す。バイタルサインは、体温37.2℃、呼吸数80/分、心拍数150/分(整)、血圧65/40mmHg、下肢の経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%(room air)であった。
問29の画像
心雑音の原因として最も考えられるのはどれか。
  1. 機能性心雑音
  2. 重症肺動脈狭窄症
  3. 心室中隔欠損症
  4. 総肺静脈還流異常症
  5. 動脈管開存症
3
問 30
Aさん(31歳、既婚)。妊娠歴なし。会社の子宮頸がん検診で細胞診異常の指摘を受けた。その後、挙児希望があり、婦人科外来を受診した。子宮頸部組織検査で軽度異形成(CIN1)、ヒトパピローマウイルス〈HPV〉核酸検査で16型陽性であった。
助産師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 「出産後には自然治癒します」
  2. 「定期的に産婦人科に通院しましょう」
  3. 「妊娠のためには人工授精が必要です」
  4. 「頸部病変の悪化がなければ妊娠することができます」
  5. 「すぐに子宮頸癌のワクチンの接種を受けてください」
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1-30
31-55