第96回助産師国家試験
午前問題
問 1
世界保健機構〈WHO〉が提唱しているリプロダクティブ・ヘルスの基本的四大要素で正しいのはどれか。
- 健全な家族関係を維持できる。
- 婦人科系がんの早期発見ができる。
- 思春期の人たちの栄養状態を適切に保つ。
- すべての女性が安全な妊娠と出産を享受できる。
4
問 2
尖圭コンジローマで正しいのはどれか。
- 男性は感染しない。
- 一度罹患すれば再発しない。
- ワクチンで感染を予防できる。
- 妊婦が罹患すれば分娩後に治療する。
3
問 3
プロスタグランディンF2αの投与が禁忌である産婦の内科合併症はどれか。
- 糖尿病
- 気管支喘息
- 甲状腺機能低下症
- 特発性血小板減少性紫斑病
2
問 4
成人T細胞白血病ウイルス陽性の母親から出生した児への対応で正しいのはどれか。
- 入院中は他の児と隔離する。
- 抗体検査は新生児期に実施する。
- 毎月外来受診するよう母親に指導する。
- 乳児期の予防接種は通常どおり実施する。
4
問 5
母体血中の糖を胎児に転送する作用を持つホルモンはどれか。
- エストロゲン
- プロゲステロン
- hPL〈ヒト胎盤性ラクトゲン〉
- hCG〈ヒト絨毛性ゴナドトロピン〉
3
問 6
妊娠に伴う腟の変化で正しいのはどれか。
- 分泌物のpHが低下する。
- 色が薄いピンク色に変化する。
- 上皮のグリコゲン含有量が減少する。
- Döderlein〈デーデルライン桿菌〉が減少する。
1
問 7
妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸を十分に摂取することで発症を低減できる胎児合併症はどれか。
- 心奇形
- 胎児水腫
- 胎児発育不全
- 神経管閉鎖障害
4
問 8
甲状腺疾患合併妊娠について正しいのはどれか。
- 甲状腺ホルモン製剤内服中は授乳を禁止する。
- Basedow〈バセドウ〉病は妊娠中期以降に改善傾向を示す。
- 橋本病は分娩を契機に甲状腺クリーゼを発生するリスクが高い。
- プロピルチオウラシルを内服していた場合、授乳中はチアマゾールに切り替 える。
2
問 9
5名の経産婦に対して、上の子どもへの対応をテーマに育児教室を開催することになった。
参加者を中心とした方法で最も適切なのはどれか。
参加者を中心とした方法で最も適切なのはどれか。
- シンポジウム
- バズ・セッション
- デモンストレーション
- パネルディスカッション
2
問 10
母体保護法に定められた不妊手術について正しいのはどれか。
- 卵巣摘出術が含まれる。
- 配偶者の同意は不要である。
- 母体保護法指定医以外は実施できない。
- 都道府県知事に実施報告をしなければならない。
4
問 11
Traube〈トラウベ〉聴診器とその聴診法との写真(別冊No.1 ①~④)を別に示す。写真の右下が妊婦の頭側である。
聴診法で正しいのはどれか。
聴診法で正しいのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
2
問 12
妊娠中の運動の説明で適切なのはどれか。
- 「妊娠16週以降は、仰向けで実施できる運動をしましょう」
- 「運動するときは、1分間に140回くらいの脈拍が目安です」
- 「妊娠高血圧症候群の予防としてウォーキングをしましょう」
- 「適度な運動をしておけば、お産が長引くことはありません」
2
問 13
帝王切開既往妊婦が経腟分娩する際の管理で正しいのはどれか。
- 陣痛発来した時点で帝王切開の術前検査を行う。
- 微弱陣痛ではプロスタグランディン製剤を用いる。
- 分娩第2期遷延でも吸引分娩は行わない。
- 分娩後1時間は頻回に母体の血圧測定を行う。
4
問 14
30歳の初産婦。身長158cm、体重68kg。推定児体重3,800g。第1頭位。陣痛間欠2分、発作50秒で、肛門圧迫感が強く努責がかかっている。内診所見は、子宮口8cm 開大、展退度80%、Station±0、小泉門が5時方向に触れる。
このときにとる体位として最も適切なのはどれか。
このときにとる体位として最も適切なのはどれか。
- 坐位
- 蹲踞位
- 左側臥位
- 四つん這い
4
問 15
在胎38週で出生した児。出生体重2,600g、身長48cm。分娩時に羊水混濁を認めた。出生直後、体温37.1℃、心拍120/分、呼吸数52/分。中心性チアノーゼはなく、活気があって筋緊張は良好である。
アセスメントで正しいのはどれか。
アセスメントで正しいのはどれか。
- このまま経過観察する。
- 酸素投与が必要である。
- 口腔内吸引が必要である。
- 保育器への収容が必要である。
1
問 16
オキシトシンによる分娩誘発法で正しいのはどれか。
- 希釈法は、5単位のオキシトシンを 500mLの5%ブドウ糖液に溶解する。
- 分娩監視装置は、子宮収縮薬投与開始時から装着する。
- オキシトシンを増量するときは15分ごとに行う。
- 血圧と脈拍測定は2時間ごとに行う。
1
問 17
授乳時の乳頭痛の予防で適切なのはどれか。
- 児が泣き始めてから授乳する。
- 児に吸啜させる時間を1回3分とする。
- 児の唇を巻き込むように乳頭をくわえさせる。
- 児の胸を母親の身体にぴったりとつけるように抱く。
4
問 18
新生児蘇生におけるフリーフローによる酸素投与の写真(別冊No.2 ①~④)を別に示す。
正しいのはどれか。
正しいのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
1
問 19
1か月健康診査における診察所見で直ちに専門的な検査・治療が必要となるのはどれか。
- 臍ヘルニア
- 停留睾丸
- 陰囊水腫
- 白色便
4
問 20
地域において保健福祉活動を行う機関と事業の組合せで正しいのはどれか。
1. | 市町村 | 養育医療の給付 | |
2. | 福祉事務所 | 助産施設への入所措置 | |
3. | 助産所 | 自立支援医療 | |
4. | 児童相談所 | ファミリーサポートセンター事業 |
2
問 21
病院で助産師外来を開設することになった。
目標管理過程のPDCAサイクルの組合せで適切なのはどれか。
目標管理過程のPDCAサイクルの組合せで適切なのはどれか。
1. | P | 調査結果を参考に助産師外来の時間を変更する。 | |
2. | D | 助産師外来の運営方法や人員配置について計画する。 | |
3. | C | 利用者満足度調査を実施する。 | |
4. | A | 助産師外来を実施する。 |
3
問 22
助産所の管理で正しいのはどれか。
- 妊産婦の入所数は1~19人である。
- 開設者と管理者は同一人物でなければならない。
- 開設者は嘱託医師名を都道府県知事に届け出る。
- 業務に従事する助産師の略歴を広告してはならない。
3
問 23
大地震が発生した。地区の電気・水道の使用ができなくなった。病院建物の倒壊はない。余震は続いている。
褥婦に説明する内容で適切なのはどれか。
褥婦に説明する内容で適切なのはどれか。
- 避難する際は新生児を助産師に預ける。
- 食事が十分に摂れなくても母乳哺育を続ける。
- お湯を沸かせないときはミルクを水で溶かす。
- 母子の家族を病院に呼んで一緒に生活してもらう。
2
問 24
肺胞内圧を高く維持して肺胞の虚脱を防止する新生児の呼吸症状はどれか。
- 呻吟
- 多呼吸
- 陥没呼吸
- 鼻翼呼吸
- シーソー呼吸
1
問 25
32歳の経産婦。妊娠36週1日。妊婦健康診査に来院した。体重52kg。血圧136/82mmHg。尿蛋白+、尿糖(-) 。下浮腫+。内診所見は、子宮口閉鎖。推定児体重は2,680g。超音波検査では30分間に明瞭な四肢の動きを2回認め、そのうち1回は脚をすばやく伸展して屈曲位に戻す運動であった。この間、胎児呼吸様運動は認めない。36mmの羊水ポケットを認めた。NSTはreassuring fetal statusであった。
対応で適切なのはどれか。
対応で適切なのはどれか。
- オキシトシン点滴静脈内注射
- 24時間後の超音波検査
- 1週後の超音波検査
- ラミナリア桿挿入
- 帝王切開術
2
問 26
30歳の初産婦。昨日午後10時に内診所見子宮口2cm 開大で入院した。本日午前7時、陣痛間欠2分、陣痛発作50~60秒。内診所見は、子宮口9cm 開大、Station+1。胎児心拍数陣痛図では正常波形。時々悪心があり、陣痛に関係なく、ベッド上で体を丸めてベッド栅にしがみついている。
産婦への援助で最も適切なのはどれか。
産婦への援助で最も適切なのはどれか。
- 入浴を促す。
- 乳頭刺激を行う。
- 力を抜くよう促す。
- 坐位になるよう促す。
- 朝食の全量摂取を促す。
3
問 27
新生児の呼吸窮迫症候群〈RDS〉で正しいのはどれか。
- 女児に多い。
- 肺表面活性物質は過剰である。
- 母親が糖尿病であると発症しやすい。
- 破水から出生までの時間が長いほど発症しやすい。
- 新生児へのステロイド治療によって症状が軽減する。
3
問 28
2000年に策定された「健やか親子21」における2014年までの目標として正しいのはどれか。
- 10代の飲酒率を半減する。
- 10代の人工妊娠中絶をなくす。
- 朝食を欠食する子どもの割合を半減する。
- かかりつけの小児科医を持つ親の割合を100%にする。
- 不妊治療のカウンセリングを受けられる割合を倍増する。
4
問 29
「母性健康管理指導事項連絡カード」について規定している法律はどれか。
- 労働基準法
- 母子保健法
- 母体保護法
- 国民健康保険法
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
5
問 30
トキソプラズマ症で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 妊婦の尿検査によって診断する。
- 胎児への感染は母体経腟上行感染である。
- 妊婦の初感染は胎児感染のリスクが高い。
- 胎児に感染した場合は心室中隔欠損を生じる。
- 感染した動物の糞尿に妊婦が触れることによって感染する。
35
1-30
31-55