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第98回助産師国家試験

午後問題
問 31
常位胎盤早期剥離を示唆する所見はどれか。2つ選べ。
  1. 単一臍帯動脈
  2. 胎盤母体面の凝血塊の付着
  3. 胎盤実質内の石灰沈着
  4. 胎盤実質内の梗塞
  5. 血性羊水
25
問 32
子宮筋腫合併妊娠で起こりやすいのはどれか。2つ選べ。
  1. 早産
  2. 耐糖能異常
  3. 細菌性腟炎
  4. HELLP症候群
  5. 胎盤の位置異常
15
問 33
新生児の体温について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 褐色脂肪組織で熱産生を行う。
  2. 成人に比べ輻射による熱喪失が小さい。
  3. 環境温度が低いと酸素消費量が小さくなる。
  4. 低体温は代謝性アルカローシスの原因となる。
  5. 出生直後に羊水を拭くことで熱喪失が予防できる。
15
問 34
在胎38週0日、体重2,800gで出生した児。蘇生の初期処置を終えたところ、あえぎ呼吸で心拍数は6秒間に9回であった。
新生児蘇生法ガイドライン2010に基づいて管理する場合、このときの処置で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. パルスオキシメータの装着
  2. フリーフローでの酸素投与
  3. バッグ・マスク換気
  4. アドレナリンの投与
  5. 胸骨圧迫
13
問 35
平成24年(2012年)の母子保健統計について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 出生数は過去10年で最低である。
  2. 自然死産率は人工死産率よりも高い。
  3. 妊産婦死亡数は200人を超えている。
  4. 人工妊娠中絶数は前年に比べ増加している。
  5. 第1子出生時の母の平均年齢は30歳を超えている。
15
次の文を読み36~38の問いに答えよ。
 Aさん(40歳、女性)。39歳のときに43歳の男性と結婚し、1年間基礎体温を記録して妊娠のタイミングをはかっていた。妊娠に至らなかったため、不妊症の検査を希望して来院した。
問 36
不妊症の検査を始めるときの指導で最も適切なのはどれか。
  1. 「あなたの検査に夫の同意が必要です」
  2. 「42歳を超えたら治療をやめたほうがよいです」
  3. 「一度治療を始めたら途中で休んではいけません」
  4. 「高齢の妊娠では母体と胎児に異常が生じるリスクが高くなります」
  5. 「不妊期間が2年になるまで排卵日に合わせて性交渉を行いましょう」
4
問 37
Aさんの既往歴に特記すべきことはなく、理学的所見も正常である。基礎体温は二相性であった。2回目の受診時にAさんは「結婚してしばらくは排卵日に性交渉をもつようにしていましたが、夫が3か月くらい前から疲れているという理由で性交渉をもつことを拒否するようになりました。夫は容器に精液を採ることはできると言っています」と打ち明けた。
Aさんに勧める内容で最も適切なのはどれか。
  1. 「あなたへの検査は中止しましょう」
  2. 「夫婦でカウンセリングを受けましょう」
  3. 「夫にもっと協力するよう話しましょう」
  4. 「夫が採取した精液を腟内に自己注入しましょう」
2
問 38
夫の精液検査を行ったところ、容器内に4.0mLの精液が採取されていたが、精液中に精子を全く認めなかった。射精感はあったという。1週後に再検査したが同様の結果であった。
Aさん夫婦に勧める内容で適切なのはどれか。
  1. 養子縁組をする。
  2. 精巣生検を受ける。
  3. 精子の提供者を探す。
  4. 受精卵の提供者を探す。
2
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
 28歳の初産婦。妊娠39週5日。妊娠経過は順調であった。午後5時に陣痛発来し、午後8時に夫に付き添われて入院した。入院時、内診所見は子宮口3cm開大、展退度60%、Station-3、子宮頸管の硬度は中、子宮口の位置は中央、矢状縫合は横径に一致し、小泉門は9時の方向に触れ、未破水である。陣痛間欠5分、陣痛発作20~30秒。胎児心拍数基線は145bpmであった。夫は産婦の様子をみて心配している。
問 39
入院時の助産診断で正しいのはどれか。
  1. 第1頭位である。
  2. 児頭最大径は骨盤
  3. Bishop〈ビショップ〉スコアは9点である。
  4. Friedman〈フリードマン〉曲線の潜伏期である。
4
問 40
翌日午前8時40分の内診所見は、子宮口8cm開大、展退度90%、Station+1、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は前方、大泉門を1時方向に触れ、未破水である。陣痛間欠2分、陣痛発作60秒。体温37.2℃、呼吸数20/分、脈拍95/分、血圧160/100mmHg。上腹部痛を訴えている。頭痛や気分不快、手指の震えはない。濃縮尿がみられる。
このときの所見で直ちに対応が必要なのはどれか。2つ選べ。
  1. 血圧
  2. 脈拍数
  3. 呼吸数
  4. 濃縮尿
  5. 上腹部痛
15
問 41
午前10時の内診所見は、子宮口全開大、展退度100%、子宮頸管の硬度は軟、Station+3、大泉門が先進し0時方向にあり、産瘤が形成されている。陣痛間欠1分30秒~2分、陣痛発作70~80秒。5分前に自然破水し、羊水の混濁はなかった。陣痛間欠時の血圧は130/90mmHgであり、上腹部痛は消失した。陣痛発作時は上手に怒責を逃がす呼吸をしている。胎児心拍数陣痛図で早発一過性徐脈が認められる。陣痛発作時の産婦の表情を見た夫は助産師に「妻のあのようなつらい表情を見たのは初めてです」と戸惑った表情で言った。
このときの夫への対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「このくらいの痛みは普通です」
  2. 「一緒に呼吸をしてあげてください」
  3. 「帝王切開になる可能性が高いです」
  4. 「お疲れでしょうから、別室で待機してください」
2
次の文を読み42~44の問いに答えよ。
 32歳の初産婦。身長155cm、非妊時体重68kg、非妊時BMI28.3。妊娠12週0日、初診時の妊婦健康診査の血液検査データは、随時血糖85mg/dL、HbA1c5.5%であった。
問 42
妊娠33週0日。妊娠12週以降初めて病院を受診した。体重82kg。尿糖2+。子宮底長35cm。胎児推定体重は2,600g、羊水量は多めであった。
この時点での母児の状態について正しいのはどれか。
  1. 妊娠糖尿病である。
  2. 羊水検査が必要である。
  3. 耐糖能検査を行う必要がある。
  4. 胎児推定体重は正常範囲である。
3
問 43
妊娠39週4日。陣痛発来し午前4時に入院した。入院時、血圧135/82mmHg。尿蛋白(-)、尿糖2+。午前10時に自然破水し、午後5時に子宮口全開大となったが、微弱陣痛のためオキシトシン点滴静脈内注射による陣痛促進が行われた。午後10時46分、4,150gの女児を経腟分娩した。Apgar〈アプガー〉スコアは、1分後8点、5分後9点。午後10時52分に胎盤が娩出され、子宮内に遺残はなかったが、子宮底部は臍よりも高い位置に軟らかく触知された。腟口から持続的な出血が認められ、午後11時15分の時点で総出血量が1,400mLとなった。
出血量の増加に関係した可能性が高いのはどれか。
  1. 児の体重
  2. 破水の時期
  3. 母体の身長
  4. 母体の血圧
1
問 44
午後11時20分、性器出血が持続し総出血量1,800mLとなり、気分不快を訴えた後、名前の呼びかけに対する応答が困難となった。体温37.1℃、呼吸数25/分、脈拍130/分、血圧74/35mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%であった。
この時点での判断で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 輸血を準備する必要がある。
  2. 痛み止めの坐薬が必要である。
  3. 子宮収縮抑制薬の使用が必要である。
  4. 仰臥位低血圧症候群の可能性が高い。
  5. ショックインデックスは1.5を超えている。
15
次の文を読み45~47の問いに答えよ。
 Aさん(33歳、経産婦、銀行員)。妊娠28週0日。妊婦健康診査で、身長160cm、体重70kg(非妊時体重58kg)。血圧136/90mmHg。尿蛋白+、尿糖(-)。下肢に浮腫と静脈瘤は認めない。Hb11.5g/dL、Ht34%。胎児推定体重1,200g、AFI8.0、子宮頸管長35mmであった。前回の妊婦健康診査までは異常は指摘されていない。
問 45
この時点の母体のアセスメントで適切なのはどれか。
  1. 正常経過
  2. 切迫早産
  3. 妊娠貧血
  4. 妊娠高血圧症候群
  5. 胎児発育不全〈FGR〉
4
問 46
Aさんは「職場のストレスのために甘いものを食べ過ぎてしまい、急に体重が増えすぎたと反省しています」と話した。
Aさんに勧める摂取エネルギー量の計算式として適切なのはどれか。
  1. 20kcal×非妊時体重(kg)
  2. 30kcal×非妊時体重(kg)
  3. 30kcal×理想体重(kg)+100kcal
  4. 30kcal×理想体重(kg)+200kcal
4
問 47
Aさんは「できる限り仕事を続けたいと思っているのですが、1日中顧客の苦情を聞いている仕事なので、最近では夕方になると疲れて頭が痛くなります」と話した。助産師は母性健康管理指導事項連絡カードを発行した。
母性健康管理指導事項連絡カードを活用してAさんが申請できる措置はどれか。2つ選べ。
  1. 勤務時間の短縮
  2. 横になっての休息
  3. 週1回の妊婦健康診査
  4. 緊張を多く感じる作業の制限
  5. 同一姿勢を強制される作業の制限
14
次の文を読み48~50の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、1回経産婦)。妊娠38週5日。午後1時に外陰部に液体の流出を感じ、おりものパッドが濡れていたため午後2時に来院した。今回の妊娠経過中に妊娠33週ころからくしゃみをすると尿漏れがしばしば生じていた。
問 48
尿漏れと破水の鑑別診断において最も適切な方法はどれか。
  1. 腟分泌物の細菌培養検査を行う。
  2. おりものパッドに流出した液体の量を計測する。
  3. 腟鏡診にて後腟円蓋に液体貯留があるかを確認する。
  4. BTB試験紙をおりものパッドに付けて色調の変化を確認する。
3
問 49
Aさんは破水と診断されて入院した。入院時の内診所見は、子宮口3cm開大、展退度50%、Station-2であった。午後5時に規則的な陣痛が出現して次第に増強した。午後9時に子宮口8cm開大、Station+1、小泉門が10時方向に触れた。Aさんは陣痛時につらそうな表情を浮かべている。体温37.2℃、脈拍80/分、血圧120/75mmHg。胎児心拍数陣痛図で、胎児心拍数基線は正常、子宮収縮のピークと一致する最下点90bpmで持続時間10秒の一過性徐脈が出現している。
午後9時の助産診断で正しいのはどれか。
  1. 正常経過
  2. 回旋異常
  3. 微弱陣痛
  4. 子宮内感染
  5. 児頭は骨盤内に未固定
1
問 50
午後10時、急速に児頭が下降し、午後10時10分に排臨となり、午後10時11分に児頭から肩甲まで娩出し、3,260gの男児を正常分娩した。Apgar〈アプガー〉スコアは、1分後7点、5分後9点であった。児娩出後1分に480gの胎盤を自然に娩出した。腟と会陰に裂傷が生じ、肛門括約筋に損傷があったが、直腸粘膜面には達していない。
このときの状態の判断として正しいのはどれか。
  1. 会陰裂傷第3度が生じている。
  2. 分娩後に便失禁が生じることはない。
  3. 胎盤の娩出時に裂傷が生じた可能性が高い。
  4. 肛門括約筋は縫合せず自然治癒を待つのが良い。
1
次の文を読み51~53の問いに答えよ。
 Aさん(35歳、初産婦)。妊娠41週0日。身長158cm、体重80kg(非妊時体重75kg)。午後7時に陣痛発来し、午後10時に入院した。現在は1時間前に比べて陣痛間欠が短縮したと自覚がある。胎児心拍数陣痛図はreassuring fetal statusであった。体温36.6℃、脈拍78/分、血圧134/80mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。Seitz〈ザイツ〉法(±)。妊娠40週3日の妊婦健康診査で胎児推定体重3,800g、BPD9.7cm、AFI8.0であった。
問 51
入院時の助産診断で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 過期産である。
  2. 巨大児と推定される。
  3. 遷延分娩の可能性がある。
  4. 妊娠高血圧症候群である。
  5. 母児の健康状態は良好である。
35
問 52
分娩第2期になり2時間が経過し、微弱陣痛のためオキシトシン点滴静脈内注射が開始された。その後、順調に分娩が進行し、オキシトシン点滴静脈内注射の開始後30分に児頭まで娩出した。その後、前在肩甲娩出術を試みたが娩出しない。
このときの対応として正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 子宮底部を圧迫する。
  2. 強く児頭を牽引する。
  3. 恥骨上縁圧迫法を行う。
  4. オキシトシンを増量する。
  5. McRoberts〈マックロバーツ〉体位をとらせる。
35
問 53
4,032gで出生した男児。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。出生時に羊水混濁はなかった。
まず確認する児の異常はどれか。2つ選べ。
  1. 鎖骨骨折
  2. 腕神経叢麻痺
  3. 顔面神経麻痺
  4. 帽状腱膜下出血
  5. 胎便吸引症候群
12
次の文を読み54、55の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、初産婦)。夫と2人暮らし。両親と姉とが近隣に住んでいる。夫は長距離トラックの運転手をしており、自宅に帰る時間は不規則である。妊娠24週2日、初めて妊婦健康診査を受診し、計画していない妊娠だと話した。その後、妊婦健康診査を3回受診し、妊娠38週0日に正常分娩した。入院中の母児の状態は良好であった。産後5日、産後の生活の手伝いが決まらないまま退院した。病院の助産師は、市町村保健センターに連絡し、依頼を受けた地域の助産師が産後8日に訪問した。
問 54
訪問すると「家事と育児は1人でしています。夜も授乳でゆっくり眠れていません」と言う。
最初の対応で適切なのはどれか。
  1. 児童相談所に相談するよう説明する。
  2. 夫に育児を手伝ってもらうよう話す。
  3. 家事を手伝ってくれる者を確認する。
  4. 子育て中の親子が集うサークルを紹介する。
3
問 55
地域の助産師は、初回訪問で授乳方法を指導し、産後11日にAさんを再訪問した。児の体重は1日30g増加している。児の栄養は母乳栄養のみであった。児の抱き方はぎこちなく、オムツ交換に時間がかかっている。オムツ交換の回数を確認すると1日6回程度という。
このときの対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「育児を頑張っていますね」
  2. 「人工乳を足した方がいいですね」
  3. 「オムツ交換は手早く行いましょう」
  4. 「その抱き方では腱鞘炎になりますよ」
1
1-30
31-55