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第99回助産師国家試験

午前問題
問 1
親性について正しいのはどれか。
  1. 養育行動に影響する。
  2. 社会的な性役割を含んでいる。
  3. 母性と父性とを統合した概念である。
  4. 子どもが生まれると自然に獲得される。
1
問 2
精巣に最も近い精子の輸送路はどれか。
  1. 精囊
  2. 精管
  3. 射精管
  4. 精巣上体
4
問 3
最も母体側に位置する卵膜の構造物はどれか。
  1. 羊膜
  2. 脱落膜
  3. 絨毛膜
  4. 子宮漿膜
2
問 4
生後1週の新生児の生理的な睡眠について正しいのはどれか。
  1. 睡眠周期は約4時間である。
  2. 1日の睡眠時間は12時間以下である。
  3. ノンレム睡眠が睡眠時間全体の70%以上を占める。
  4. 周期性呼吸はノンレム睡眠よりもレム睡眠のときに多い。
4
問 5
6か月齢以下の乳児に対しRSウイルス感染症の予防のために投与するパリビズマブの適応はどれか。
  1. 出生体重2,500g未満
  2. 在胎35週以下での出生
  3. Turner〈ターナー〉症候群
  4. 風疹抗体が陰性の母体からの出生
2
問 6
高校2年生100人を対象に、助産師3人で全3回の性教育を行うことにした。第1回目は性に関する知識を獲得することを目標に専門家による講義を行った。第2回目は性感染症が自分にも起こりうる問題として捉えられることを目標に設定した。
第2回目の健康教育の方法で最も適切なのはどれか。
  1. 助産師が講義を行う。
  2. 1人の生徒が体験談を話す。
  3. 少人数でのグループワークを行う。
  4. 男女を1人ずつ選びロールプレイを行う。
3
問 7
Aさん(17歳、女子、高校生)。月経不順のため受診した。「付き合っている彼が、最近メールの返信が遅れると怒るので怖い」と診察後に助産師に話した。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
  1. 「気にし過ぎではないですか」
  2. 「彼とは別れたほうがいいですね」
  3. 「もう少し詳しく聞かせてください」
  4. 「私が彼に怒らないように言いましょう」
3
問 8
成熟期女性の健康問題で正しいのはどれか。
  1. 早発閉経では骨量が増加する。
  2. るいそうでは月経不順が生じる。
  3. 未産婦では子宮体癌のリスクが低い。
  4. 子宮腺筋症では過少月経が生じやすい。
2
問 9
受胎調節実地指導員について正しいのはどれか。
  1. 母体保護法に定められている。
  2. 少子化の改善を目的としている。
  3. 子宮内避妊器具〈IUD〉を挿入できる。
  4. 厚生労働大臣の認定する講習を受ける必要がある。
1
問 10
Aさん(28歳、初産婦)。分娩開始から8時間が経過した。内診所見は、子宮口7cm開大、展退度80%、Station±0。陣痛間欠3~4分、陣痛発作40秒。Aさんは「手がしびれて、なんだか頭がボーッとします」と言った。体温36.8℃、呼吸数48/分、脈拍80/分、血圧134/70mmHg。
Aさんの状態として最も考えられるのはどれか。
  1. 代謝性アシドーシス
  2. 代謝性アルカローシス
  3. 呼吸性アシドーシス
  4. 呼吸性アルカローシス
4
問 11
胎盤、臍帯および卵膜の写真(別冊No.1)を別に示す。
胎盤、臍帯および卵膜の所見で正しいのはどれか。
問11の画像
  1. 周郭胎盤
  2. 膜状胎盤
  3. 臍帯の過捻転
  4. 臍帯の卵膜付着
4
問 12
Aさん(27歳、女性、未婚)。2年前から精神科に通院し、うつ病の診断にて選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉を内服している。発症時には希死念慮があったが、現在の症状は内服によって落ち着いている。最終月経から5週経っても月経がなく、市販の妊娠検査薬で陽性であったため産婦人科を受診した。経腟超音波検査で子宮腔内に15mmの胎囊を認めた。Aさんは「うつ病があるので今後どうなるか不安です」と言う。
助産師の説明内容で適切なのはどれか。
  1. パートナーとの入籍を勧める。
  2. 人工妊娠中絶の適応となると伝える。
  3. 薬の内服をいったん中止するよう勧める。
  4. 薬について精神科の主治医に相談するよう勧める。
4
問 13
日本の平成22年(2010年)以降の母子保健統計について正しいのはどれか。
  1. 自然死産率は人工死産率よりも高い。
  2. 妊産婦死亡率は緩やかに低下を続けている。
  3. 乳児死亡の原因で最も多いのは不慮の事故である。
  4. 母の年齢階級別出生率が最も高いのは30~34歳である。
4
問 14
助産録について正しいのはどれか。
  1. 記載事項は医療法に定められている。
  2. 帝王切開術の場合は記載義務はない。
  3. 電子カルテの場合の保存期間は3年である。
  4. 記載義務は保健師助産師看護師法に定められている。
4
問 15
助産所における嘱託医師および嘱託医療機関について正しいのはどれか。
  1. 嘱託医療機関には小児科がなくてもよい。
  2. 嘱託医師は産科または産婦人科の医師でなくてもよい。
  3. 分娩を取り扱わなくても嘱託医師および嘱託医療機関の確保が必要である。
  4. 包括的指示書の変更は、その旨を記載して嘱託医師および嘱託医療機関と共有する。
4
問 16
産科病棟における管理について適切なのはどれか。
  1. 管理者は助産師でなければならない。
  2. 助産師の配置数は年間分娩数によって決められている。
  3. ハイリスク妊娠管理加算は算定できる日数に制限がある。
  4. 総合周産期医療特定集中治療室管理料の施設基準では入院患者5人に助産師1人の勤務が必要である。
3
問 17
着床前診断の対象となるのはどれか。
  1. 年齢35歳以上の女性
  2. 遺伝性婦人科癌の家族歴がある女性
  3. Down〈ダウン〉症候群の児の分娩歴がある女性
  4. 体外受精を繰り返しても妊娠しない着床不全の女性
  5. 均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産の女性
5
問 18
常染色体劣性遺伝疾患はどれか。
  1. アンドロゲン不応症
  2. 先天性副腎過形成症
  3. Down〈ダウン〉症候群
  4. Turner〈ターナー〉症候群
  5. Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー
2
問 19
正常新生児の呼吸循環生理で正しいのはどれか。
  1. 肺水の大部分は児の口鼻腔から排出される。
  2. 出生直後から肺血管抵抗は上昇する。
  3. 出生直後の肺胞の拡張には10cmH2Oの圧力が必要である。
  4. 生後の動脈血酸素分圧〈PaO2〉の上昇によって動脈管が開く。
  5. 生後の肺血流量の増加によって卵円孔が閉鎖する。
5
問 20
28歳の初産婦。妊娠初期に検査した随時血糖の値は正常であった。妊娠20週0日、尿糖が陽性であったため血液検査を実施し、空腹時血糖140mg/dL、HbA1c7.0%であった。今まで糖尿病と診断されたことはなかった。
この妊婦の現在の状態のアセスメントとして正しいのはどれか。
  1. 血糖に異常はみられない。
  2. 糖尿病の前段階である。
  3. 妊娠による一時的な耐糖能異常である。
  4. 妊娠糖尿病である。
  5. 妊娠時に診断された明らかな糖尿病である。
5
問 21
出生後30分の正期産児で異常所見はどれか。
  1. 体温37.3℃
  2. 心拍数80/分
  3. 呼吸数45/分
  4. 末P性チアノーゼ
  5. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%
2
問 22
新生児生理的黄疸について正しいのはどれか。
  1. 母乳性黄疸と同義である。
  2. ALT〈GPT〉の上昇を伴う。
  3. 生後24時間以内に出現する。
  4. 間接ビリルビン優位の黄疸である。
  5. 母がO型で児がA型の血液型で発症しやすい。
4
問 23
狭骨盤の定義における産科的真結合線の値で正しいのはどれか。
  1. 7.5cm未満
  2. 8.5cm未満
  3. 9.5cm未満
  4. 10.5cm未満
  5. 11.5cm未満
3
問 24
分娩第期における産婦の体位と起こりやすい異常との組合せで正しいのはどれか。
1.
座 位
微弱陣痛
2.
仰臥位
血圧上昇
3.
蹲踞位
分娩時異常出血
4.
側臥位
第3度以上の会陰裂傷
5.
四つんばい
腟壁血腫
3
問 25
32歳の初産婦。喘息を合併している。妊娠28週のときに喘息発作を起こした。現在はステロイド吸入薬を使用し、症状は落ち着いている。妊娠39週5日、陣痛発来で入院した。内診所見は、子宮口4cm開大、展退度60%、Station-2、未破水であった。その後、陣痛の増強はなく内診所見も変化がない。胎児心拍数に異常はなく、微弱陣痛のため分娩を促進することになった。
適切な方法はどれか。
  1. 人工破膜
  2. ラミナリア桿の挿入
  3. メトロイリンテルの挿入
  4. オキシトシンの点滴静脈内注射
  5. プロスタグランディンFの点滴静脈内注射
4
問 26
妊婦が順調に母親役割を獲得することを目標とした母親学級の開催方法で適切でないのはどれか。
  1. 個別相談の場を設ける。
  2. 新生児用品について説明する。
  3. 初産婦と経産婦とに分けて開催する。
  4. 参加者同士が交流できる時間を設ける。
  5. ベビー人形を使った演習を取り入れる。
3
問 27
34歳の褥婦。産褥1日。腟壁に血腫が認められ、切開し縫合手術を行うことになった。手術前に、セフェム系の抗菌薬の点滴静脈内注射を開始した直後から呼吸困難と悪心とを訴え、顔面にチアノーゼがみられた。
このときの第一選択薬として正しいのはどれか。
  1. ヘパリン
  2. アドレナリン
  3. 抗ヒスタミン薬
  4. グルココルチコイド
  5. プロスタグランディン
2
問 28
入院中の正常新生児の清潔ケアで正しいのはどれか。
  1. 胎脂を積極的に拭き取る。
  2. ドライテクニックは低体温を予防する。
  3. 沐浴での入湯の時間は10分以上かける。
  4. ポビドンヨードで臍帯切断面を消毒する。
  5. 排便後は毎回、殿部を石けんで洗浄する。
2
問 29
在胎38週3日、出生体重2,800gで出生した男児。生後4日、助産師は「赤ちゃんがずっと眠っていて、母乳を飲んでくれません」と母親から相談を受け、新生児を診察した。児は体温36.5℃で下肢に末梢冷感があり、呼吸数60/分で異常呼吸音はない。心拍数180/分で心雑音はないが、下半身にチアノーゼが認められたため、医師に診察を依頼した。
最も考えられる疾患はどれか。
  1. 敗血症
  2. 低体温症
  3. 先天性心疾患
  4. 新生児一過性多呼吸
  5. 脳室周囲白質軟化症
3
問 30
1か月児健康診査時の予防接種に関する保健指導で正しいのはどれか。
  1. 「BCGは生後12か月から接種が可能です」
  2. 「肺炎球菌ワクチンは定期接種ではありません」
  3. 「Hibワクチンは生後2か月から接種が可能です」
  4. 「生ワクチンと不活化ワクチンとの同時接種はできません」
  5. 「インフルエンザワクチンは生後1か月から接種が可能です」
3
1-30
31-55