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第99回助産師国家試験

午前問題
問 31
日本の平成25年(2013年)の年齢階級別がん死亡部位内訳において、40歳以上50歳未満の女性で、死亡数が最も多いがん発生部位はどれか。
  1. 子宮
  2. 乳房
  3. 肝臓
4
問 32
保健師助産師看護師法に定められていないのはどれか。
  1. 助産所開設の届出
  2. 異常死産児の届出
  3. 業務従事者の届出
  4. 出生証明書の交付
  5. 臨床研修の努力義務
1
問 33
助産師外来の活動内容として適切でないのはどれか。
  1. 胎児の先天奇形の診断
  2. 夫の育児参加への助言
  3. 予防接種についての情報提供
  4. 妊娠中の適切な体重管理の指導
  5. 正常な妊娠経過からの逸脱のアセスメント
1
問 34
妊娠の成立に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 受精は子宮腔内で起こる。
  2. 受精卵は桑実胚期に着床する。
  3. 受精後3日目に透明帯が消失する。
  4. 子宮内膜の分泌期に受精卵が着床する。
  5. 子宮内膜の増殖はエストロゲンの作用である。
45
問 35
妊婦の伝染性紅斑について適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 胎児水腫が発生する危険がある。
  2. 感染予防のためのワクチンがある。
  3. 皮疹の出現中は他者への感染力が強い。
  4. ヒトパルボウイルスB19による感染である。
  5. 胎児死亡率は妊娠20週以降に感染したとき高率である。
14
問 36
バイオフィジカルプロファイルスコアの評価で正常と判断するのはどれか。2つ選べ。
  1. 5cmの羊水ポケットが確認できる。
  2. 四肢の運動が30分間に1回確認できる。
  3. 手掌の開閉運動が30分間に3回確認できる。
  4. NSTで一過性頻脈が20分間に1回確認できる。
  5. 20秒続く呼吸様運動が30分間に1回確認できる。
13
問 37
胎児体重の推定に用いられるのはどれか。2つ選べ。
  1. 頭殿長
  2. 大腿骨長
  3. 上腕骨長
  4. 児頭大横径
  5. 児頭大斜径
24
問 38
経腟分娩後に正常に経過している産褥週の褥婦の状態で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 子宮の重さは約70gである。
  2. 外子宮口は2cm開いている。
  3. 血液凝固機能は亢進している。
  4. 循環血液量は非妊時より多い。
  5. 腎血流量は非妊時の状態に回復している。
15
問 39
マタニティブルーズについて正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 幻覚妄想状態となる。
  2. 産後4週以降に発現する。
  3. 身体的不調の原因となる。
  4. 一過性の情動の障害である。
  5. 抗うつ薬による治療が必要である。
34
問 40
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律において、性別の取扱いの変更を家庭裁判所で審判することができる条件はどれか。2つ選べ。
  1. 現に未成年の子がいないこと
  2. ホルモン治療を受けていること
  3. 性染色体の核型が正常ではないこと
  4. 生物学的性と同一の性への恋愛感情を有すること
  5. 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
15
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
 Aさん(37歳、女性)。常勤の会社員。結婚して2年間、基礎体温を記録して排卵に合わせて性交渉を行っていたが、妊娠に至らなかった。義母の強い勧めがあり、Aさん1人で不妊専門クリニックを受診した。月経周期は28日型、持続日数は5日、基礎体温は二相性である。
問 41
初診時に確認すべき情報で最も優先されるのはどれか。
  1. 経済力
  2. 仕事の継続の意思
  3. 不妊治療に対する義母の考え
  4. 不妊治療に関する夫婦の合意
4
問 42
初診時の診察では、子宮や卵巣に形態異常はなかった。Aさんは月経4日目に再受診した。
Aさんに行う検査で適切なのはどれか。
  1. 子宮卵管造影
  2. フーナー試験
  3. 卵管通水検査
  4. ホルモン基礎値の測定
4
問 43
その後、Aさんは2年間外来で治療を受けたが妊娠には至らなかった。夫婦で相談し、体外受精を試みることにした。
Aさんへの説明で正しいのはどれか。
  1. 「採卵のタイミングに合わせて夫に採精してもらう必要があります」
  2. 「Aさんの場合、妊娠する確率は60%以上です」
  3. 「妊娠した場合、流産する確率は10%以下です」
  4. 「胎児の心奇形の発生率は自然妊娠より高くなります」
1
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
 Aさん(40歳、初産婦)。半年間の不妊治療を受け、クエン酸クロミフェンの内服によって妊娠に至った。経腟超音波検査で子宮内に胎囊が3つ認められ、三胎妊娠と診断された。妊娠 9週で総合周産期母子医療センターの産科に紹介され受診した。
問 44
妊娠25週5日、Aさんは少量の出血があり、救急外来を受診した。「今朝から時々下腹部が硬くなる感じがして、痛いときもありました」と言う。救急外来受診時の経腟超音波検査の写真(別冊No.2)を別に示す。子宮頸管長は23.4mmであった。
Aさんに認められる所見はどれか。2つ選べ。
問44の画像
  1. 内子宮口の開大
  2. 頸管長の短縮
  3. 辺縁前置胎盤
  4. 胎胞の膨隆
12
問 45
Aさんは入院し、リトドリン塩酸塩の点滴静脈内注射が開始された。しかし、開始翌日から全身の発疹と肝機能異常とが出現したため、リトドリン塩酸塩は中止となり、マグネシウム硫酸塩の点滴静脈内注射に変更された。助産師が訪室するとAさんは「ずっと全身がほてって、だるい感じです」と訴えた。体温36.7℃、脈拍80/分、血圧128/80mmHg。
今後最も注意すべき所見はどれか。
  1. 手指の振戦
  2. 下腿の浮腫
  3. 腱反射の消失
  4. 耳下腺の腫脹
  5. 両側の視野狭窄
3
問 46
妊娠31週1日。Aさんに38.2℃の発熱がみられた。感冒様症状や尿混濁はない。診察したところ腟内に血液の混じった液体の貯留があり、破水検査の判定結果は陽性であった。子宮口は1cm開大しており、最も下降している胎児の先進部は両足である。児の推定体重はそれぞれ1,560g、1,400g、1,320gであった。抗菌薬の点滴静脈内注射が開始された。血液検査の結果、白血球15,500/µL、CRP5.8mg/dLであった。
Aさんに行われると予想される治療はどれか。
  1. 1日3回の腟内洗浄
  2. 抗菌薬腟錠の挿入
  3. リトドリン塩酸塩の再開
  4. 子宮頸管縫縮術
  5. 帝王切開術
5
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
 Aさん(32歳、初産婦)。病院で妊婦健康診査を受けており、妊娠経過は順調であった。妊娠35週3日、妊婦健康診査で行われたスクリーニング検査で、肛門周囲からB群溶血性レンサ球菌〈GBS〉が検出された。Aさんは児への感染を心配している様子である。
問 47
Aさんへの説明で最も適切なのはどれか。
  1. 「分娩のときに抗菌薬の点滴で予防します」
  2. 「抗菌薬を1週間、毎日内服してください」
  3. 「手洗いを徹底してください」
  4. 「性交渉は控えてください」
  5. 「週に1回腟洗浄をします」
1
問 48
妊娠37週3日に妊婦健康診査を受診した。子宮底長34cm、第1頭位。経腹超音波検査では胎児の推定体重は2,850gで、胎盤位置は子宮底部で羊水量は正常である。内診所見は、子宮口2cm開大、展退度50%、Station-2。胎児心拍数陣痛図(別冊No.3)を別に示す。
胎児心拍数陣痛図で認められる所見はどれか。
問48の画像
  1. 胎児心拍数基線の上昇
  2. 基線細変動の減少
  3. 変動一過性徐脈
  4. 遅発一過性徐脈
  5. 一過性頻脈
5
問 49
妊娠39週1日、Aさんは自宅にて睡眠中に突然下着とシーツとが濡れて目が覚め、受診している病院に電話連絡した。子宮収縮の自覚はなく、いつもどおりの胎動を感じている。性器出血はない。
電話を受けた助産師の指示で最も適切なのはどれか。
  1. 「規則的におなかが張ってくるようなら来院してください」
  2. 「尿漏れかもしれないので様子をみてください」
  3. 「出血があればまた電話で連絡してください」
  4. 「今すぐ来院してください」
4
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
Aさん(32歳、2回経産婦)。これまでの出産はいずれも正常分娩であった。診療所に通院し、今回妊娠経過中に特に異常の指摘はなかった。妊娠41週1日、前期破水にて入院。入院時の内診所見は、子宮口4cm開大、展退度60%、Station-2、子宮頸管の硬度は中、子宮口の位置は後方であった。
問 50
入院後12時間が経過し、内診所見は、子宮口8cm開大、展退度80%、Station+1、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は前方であった。陣痛間欠4分、陣痛発作60秒で、大泉門が先進し1時方向に触れる。
この時点でのアセスメントで正しいのはどれか。
  1. 正常経過
  2. 微弱陣痛
  3. 高在縦定位
  4. 前方前頭位
  5. 後方後頭位
4
問 51
子宮口全開大後2時間、大泉門が先進し0時方向に触れる。産瘤が形成されており、発作時には恥骨結合後面下縁のみを触れる。陣痛発作のたびに最下点90bpm前後の変動一過性徐脈がみられているが、間欠時には回復している。助産師は吸引分娩となる可能性を考え、準備を始めた。
現在、児頭最大径が位置すると考えられる骨盤の位置はどれか。
  1. 入口部
  2. 濶部
  3. 峡部
  4. 出口部
2
問 52
分娩第2期遷延、分娩停止のため吸引分娩が施行され、4回の吸引によって、3,880gの男児が娩出された。羊水混濁2+、出生直後から啼泣があり、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後7点(皮膚色-2点、筋緊張-1点)、5分後8点(皮膚色-1点、筋緊張-1点)、臍帯動脈血pH7.20であった。クベースに収容され、経過観察となった。出生後2時間、頭部に暗赤色で骨縫合を超える腫瘤が認められ、指で押すと陥凹した。体温37.0℃、呼吸数70/分、脈拍170/分。鼻翼呼吸がみられる。
この新生児に必要となる対応はどれか。2つ選べ。
  1. 光線療法
  2. 腫瘤の穿刺
  3. 脳低温療法
  4. 静脈路の確保
  5. NICUへの搬送
45
次の文を読み53~55の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、1回経産婦)。妊娠41週2日、陣痛発来にて入院した。陣痛発来から6時間後に破水し、羊水混濁を認めた。胎児心拍数陣痛図では高度の変動一過性徐脈を認め、吸引分娩で3,700gの児を娩出した。出生直後に啼泣はなく、出生から30秒後にはあえぎ呼吸で筋緊張が低下していたため人工換気を開始した。このときの心拍数は6秒間に4回であった。
問 53
新生児蘇生法ガイドライン2010に基づいて新生児蘇生を行う場合、この時点で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. CPAPを開始する。
  2. 気管挿管を検討する。
  3. あえぎ呼吸は無呼吸と判断する。
  4. アドレナリンの投与を検討する。
  5. 胸骨の上部3分の1の部位を圧迫する。
23
問 54
すべての蘇生処置が終了した直後の児の呼吸数は90/分、陥没呼吸が著明で、聴診では呼吸音に伴ってラ音と捻髪音とが広範囲に聴取された。この時点で撮影した児の胸部エックス線写真(別冊No.4)を別に示す。
この児に最も疑われる疾患はどれか。
問54の画像
  1. 気胸
  2. 心不全
  3. 肺低形成
  4. 胎便吸引症候群
  5. 先天性横隔膜ヘルニア
4
問 55
出生後1時間が経過した。中心性チアノーゼが改善せず、NICUを有する周産期母子医療センターへの児の搬送が決定された。
この時点でのAさんへの説明で最も適切なのはどれか。
  1. 「赤ちゃんはすぐによくなります」
  2. 「医師からの説明は搬送の後に行います」
  3. 「赤ちゃんの説明はまずお父さんに行います」
  4. 「赤ちゃんと一緒に転院できるか確認します」
  5. 「処置中の赤ちゃんには会わないようにしましょう」
4
1-30
31-55