第107回保健師国家試験
午前問題
問 31
平成28年度(2016年度)の国民医療費について、傷病大分類別の医科診療医療費が最も多いのはどれか。
- 新生物〈腫瘍〉
- 呼吸器系の疾患
- 循環器系の疾患
- 内分泌、栄養及び代謝疾患
- 筋骨格系及び結合組織の疾患
3
問 32
母子健康手帳に記載されている「保護者の記録【3歳の頃】」で、正しいのはどれか。2つ選べ。
- はさみを上手に使えますか。
- 片足でケンケンをしてとびますか。
- はっきりした発音で話ができますか。
- 衣服の着脱をひとりでしたがりますか。
- 手を使わずにひとりで階段をのぼれますか。
45
問 33
平成29年(2017年)の日本における出生の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 出生順位別構成割合は第1子が50%を上回っている。
- 母の年齢別にみた出生率は30~34歳が最も高い。
- 都道府県別合計特殊出生率は沖縄県が最も低い。
- 出生率は8.0(人口千対)を下回っている。
- 純再生産率は1を超えている。
24
問 34
人口10万人の市の保健師が担当地区の地域診断を行った。
情報分析の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。
情報分析の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 出生数を県全体の数値と比較した。
- 妊産婦死亡率を学校区別に比較した。
- 地区組織の代表者からの意見を分析した。
- 住民登録者のない地区をアセスメントから除外した。
- 子育てニーズを母親の就労の有無などの属性別に集計した。
35
問 35
難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針で定める内容はどれか。2つ選べ。
- 発症の予防
- 就労の支援
- 医療費の適正化
- 対象疾患の拡充
- 療養生活の環境整備
25
問 36
放射線被ばくによる影響で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 肝硬変の原因となる。
- クラッシュ症候群を起こす。
- 晩発症状として不妊が起こる。
- 早期症状に白血球の減少が起こる。
- 胎児期の被ばくでは精神発達遅滞のリスクが高まる。
45 または 34 または 35
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
3通りの解答を正解として採点する。
2)理由
3つの選択肢が正解であるため。
採点除外等の扱いをした問題
1)採点上の取り扱い
3通りの解答を正解として採点する。
2)理由
3つの選択肢が正解であるため。
問 37
衛生管理者について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 国家資格である。
- 労働安全衛生法に規定されている。
- 安全に関する技術的事項を管理する。
- 作業者の健康障害を防止するための作業指揮を行う。
- 常時100人以上の労働者を使用する事業場は専任とする。
12
問 38
保健師が行う事例管理はどれか。2つ選べ。
- 継続的な支援が終了した家庭訪問記録を定められた期間保存する。
- 精神疾患を有する妊婦の支援方法について精神科医に相談する。
- 退院後の支援体制構築のため入院中にケア会議を開催する。
- 介護支援専門員への情報提供について本人の同意を得る。
- 運動習慣啓発のためのシンポジウムを開催する。
23
問 39
市町村保健師が実施する保健サービスで保健師が知り得た秘密を漏らしてはならないことについて規定している法律はどれか。2つ選べ。
- 母子保健法
- 地域保健法
- 地方公務員法
- 保健師助産師看護師法
- 次世代育成支援対策推進法
34
問 40
人口10万人のA市におけるある年度の死亡数は1,000人であった。悪性新生物の罹患数は300人であり、その死亡数は200人であった。
死亡に占める悪性新生物の相対頻度を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:①②%
死亡に占める悪性新生物の相対頻度を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:①②%
① | ② |
0 | 0 |
1 | 1 |
2 | 2 |
3 | 3 |
4 | 4 |
5 | 5 |
6 | 6 |
7 | 7 |
8 | 8 |
9 | 9 |
20
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
Aさん(32歳、女性、会社員)。夫と長男のBちゃん(3歳、男児)との3人暮らし。Bちゃんは保育所に通っている。Aさんから「Bは保育所でたびたび他の子どもたちが遊んでいるおもちゃを取り上げ泣かせてしまい、保育士が止めに入ると、Bはキーと奇声をあげ走り回っていたり、遊びの時間が終わっても1人でミニカーを並べることにこだわっているようです。保育士から保健師に相談してみてはどうかと言われました」と市保健センターの地区担当保健師へ電話相談があった。
Aさん(32歳、女性、会社員)。夫と長男のBちゃん(3歳、男児)との3人暮らし。Bちゃんは保育所に通っている。Aさんから「Bは保育所でたびたび他の子どもたちが遊んでいるおもちゃを取り上げ泣かせてしまい、保育士が止めに入ると、Bはキーと奇声をあげ走り回っていたり、遊びの時間が終わっても1人でミニカーを並べることにこだわっているようです。保育士から保健師に相談してみてはどうかと言われました」と市保健センターの地区担当保健師へ電話相談があった。
問 41
Aさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。
- 公園で遊ばせることを勧める。
- 保育所を休ませるよう勧める。
- 家での様子をみるために家庭訪問をする。
- ファミリーサポートセンター事業を紹介する。
3
問 42
1か月後。Bちゃんは、3歳児健康診査のために市保健センターに来所した。健康診査の医師は、Bちゃんは発達に問題がある可能性があると話した。Aさんは「Bは発達障害なのでしょうか。どうしたらいいのでしょうか」と保健師に話した。
Aさんへの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。
Aさんへの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。
- 児童館の利用を促す。
- 保健師による継続訪問をする。
- 心理相談を受けることを勧める。
- 地域の育児サークルを紹介する。
3
問 43
Bちゃんは、その後自閉症スペクトラム障害であると診断を受けた。保健師は、Aさんの承諾を得てBちゃんが通っている保育所にBちゃんの3歳児健康診査の結果を情報提供した。その際に、保育所の所長からBちゃんへの関わり方について相談があった。
保健師から所長への助言で適切なのはどれか。
保健師から所長への助言で適切なのはどれか。
- 保育室の出入口を施錠する。
- 毎日新しい遊びを取り入れる。
- Bちゃんに一人で食事をさせる。
- Bちゃんへの説明は絵も活用する。
4
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
人口70万人のA市。8月のある日、深夜から早朝にかけ大規模災害が発生し、市内で家屋の倒壊、道路の陥没・停電・断水等の被害があり、特にB地区で甚大な被害が出た。
B地区を管轄する保健センターの職員は全員A市に住んでいる。
人口70万人のA市。8月のある日、深夜から早朝にかけ大規模災害が発生し、市内で家屋の倒壊、道路の陥没・停電・断水等の被害があり、特にB地区で甚大な被害が出た。
B地区を管轄する保健センターの職員は全員A市に住んでいる。
問 44
発災当日の朝、B地区を管轄する保健センターに出勤できた保健師は16名中3名だった。
発災当日、出勤した保健師の行動で適切なのはどれか。
発災当日、出勤した保健師の行動で適切なのはどれか。
- 福祉避難所の開設
- 市災害対策本部の立ち上げ
- 管内医療機関の位置図の作成
- 医療機器を使用する難病患者の安否確認
4
問 45
発災後2日、B保健センターの保健師が避難所の一つである市民センターを初めて訪問した。避難所の管理者より、避難所の建物に入らず市民センターの駐車場に車中泊をしている世帯が多数あり、炊き出しやトイレ以外は終日車の中で過ごし、あまり外に出てこないようだとの声が聞かれた。そのため、保健師は車中泊の避難者も巡回することにした。
巡回時の確認事項で最も優先度が高いのはどれか。
巡回時の確認事項で最も優先度が高いのはどれか。
- 食事内容
- 水分摂取量
- 車内換気の頻度
- 他者との交流の頻度
2
問 46
発災後2か月、仮設住宅の入居が始まっている。B保健センターには、県外の保健師による派遣チームが入り、協働で災害支援活動を行っている。派遣チームの保健師は、B保健センターの職員から「被災した住民の話を聞いていると自分も気持ちが落ち込む」「仮設住宅に入居できない住民の苦情を聞くのがつらい」「住民のために活動したいが、自分は無力だと感じる」等の声を多く聞いた。
派遣チームの保健師が、B保健センターの職員への支援についてB保健センターの管理者に提案する内容で最も適切なのはどれか。
派遣チームの保健師が、B保健センターの職員への支援についてB保健センターの管理者に提案する内容で最も適切なのはどれか。
- 健康診断の実施
- 人事異動の提案
- 精神科の受診勧奨
- 職員同士で語り合う場の用意
4
次の文を読み47~49の問いに答えよ。
Aさん(55歳、男性)は1人暮らし。10年前に振戦を主症状としてParkinson〈パーキンソン〉病と診断されたが、これまでは自立した日常生活を送っていた。最近、身体の両側の振戦に加えて、動作が徐々に遅くなりはじめ、歩行にも不安を感じる時があり外出や受診に介助が必要になった。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類でステージⅡ、生活機能障害度2度と診断しており、2か月に1度の定期受診で経過をみている。
Aさん(55歳、男性)は1人暮らし。10年前に振戦を主症状としてParkinson〈パーキンソン〉病と診断されたが、これまでは自立した日常生活を送っていた。最近、身体の両側の振戦に加えて、動作が徐々に遅くなりはじめ、歩行にも不安を感じる時があり外出や受診に介助が必要になった。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類でステージⅡ、生活機能障害度2度と診断しており、2か月に1度の定期受診で経過をみている。
問 47
現在のAさんが対象となるのはどれか。
- 後期高齢者医療制度
- 特定疾病療養費制度
- 身体障害者手帳の交付
- 重度障害者等包括支援サービス
3
問 48
Aさんは運動障害に加えて非運動症状が出現するようになり、治療薬の副作用も出たことから薬剤調整のために入院した。入院中に自ら外出する必要があり、転倒の危険性から付き添いの援助を希望した。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類でステージⅢ、生活機能障害度2度と診断している。
Aさんが付き添いを依頼できる障害福祉サービスはどれか。
Aさんが付き添いを依頼できる障害福祉サービスはどれか。
- 移動支援
- 行動援護
- 生活介護
- 同行援護
1
問 49
退院後、Aさんは自宅で療養することになった。今後もParkinson〈パーキンソン〉病の症状の進行が予想される。
Aさんに対して、身体機能の維持のための日常生活上の指導で適切なのはどれか。
Aさんに対して、身体機能の維持のための日常生活上の指導で適切なのはどれか。
- 食事介助を受ける。
- 移動時は電動車椅子を利用する。
- 訪問入浴介護サービスを利用する。
- ストレッチ等で体を動かす習慣を作る。
4
次の文を読み50、51の問いに答えよ。
Aさん(52歳、女性)。1人暮らし。5年前に仕事を解雇されて以降、自宅に引きこもっている。母親は2年前に他界し、その頃より「外出するとストーカーに追われる」「赤外線で狙われて怖い」と他県に住む姉に訴えるようになった。姉が受診を勧めたが「私は病気じゃない」と言う。
Aさんは、3日前に隣人宅に来た郵便配達員を見て「お前がストーカーだな」と隣人宅に怒鳴り込み、警察に通報された。
Aさん(52歳、女性)。1人暮らし。5年前に仕事を解雇されて以降、自宅に引きこもっている。母親は2年前に他界し、その頃より「外出するとストーカーに追われる」「赤外線で狙われて怖い」と他県に住む姉に訴えるようになった。姉が受診を勧めたが「私は病気じゃない」と言う。
Aさんは、3日前に隣人宅に来た郵便配達員を見て「お前がストーカーだな」と隣人宅に怒鳴り込み、警察に通報された。
問 50
警察から連絡を受けた姉が保健所へ相談に来た。翌日、姉と保健師でAさん宅を訪問すると、Aさんは「買い物や仕事を探しに行きたいが、ストーカーのせいで外出できない」「ストレスで眠れない」と話した。
Aさんへの保健師の声かけで、最も適切なのはどれか。
Aさんへの保健師の声かけで、最も適切なのはどれか。
- 「ストーカーは存在しないので安心してください」
- 「眠れないことについて医師に相談しましょう」
- 「解雇された理由を振り返りましょう」
- 「一緒にハローワークへ行きましょう」
- 「お姉さんと一緒に暮らしましょう」
2
問 51
その後、Aさんは統合失調症と診断され入院した。徐々に症状も落ち着き、2か月後には退院が決まったが「外出するとストーカーに追われないか心配です」と話した。退院に向け、病院の相談員から保健師に相談があった。保健師は退院後の生活について、Aさんを含めたケア会議を開催することとした。
Aさんにケア会議の出席者として提案する者で適切なのはどれか。
Aさんにケア会議の出席者として提案する者で適切なのはどれか。
- 隣人
- 警察官
- 公共職業安定所の相談員
- 訪問看護ステーションの看護師
- 地域生活定着支援センターの職員
4
次の文を読み52、53の問いに答えよ。
A市B地区。県庁所在地のベッドタウンであり市外に通勤・通学する者が多く居住している地区である。B地区の1990年から2018年までの人口と高齢者人口に関するグラフを示す。
A市B地区。県庁所在地のベッドタウンであり市外に通勤・通学する者が多く居住している地区である。B地区の1990年から2018年までの人口と高齢者人口に関するグラフを示す。
問 52
B地区の高齢者について正しいのはどれか。
- 1990年の老年人口割合は2018年より高い。
- 2000年には前期高齢者人口が人口の30%を超えた。
- 2015年の高齢者人口における後期高齢者の占める割合はおよそ20%である。
- 2018年の高齢化率は全国の高齢化率よりも高い。
3
問 53
A市のB地区を担当する保健師は、地区住民の自治会加入率が減少しており、自治会が主催している高齢者サロンの参加者が減っていることが気になっていた。そこで地域包括支援センターと協働し、サロンの活性化とともにB地区全体の地区組織活動の促進につなげていくことができないか検討していくことにした。
保健師が最初に取り組むこととして最も適切なのはどれか。
保健師が最初に取り組むこととして最も適切なのはどれか。
- サロンのチラシを住民に配布する。
- サロンと地域の子ども会との交流会を企画する。
- サロン及び自治会の担当者と話し合う場を設定する。
- 自治会と一緒に住民向けの介護予防の講演会を開催する。
3
次の文を読み54、55の問いに答えよ。
人口2万人のA市。高齢化率が34.7%で、高齢者福祉計画では「高齢者が安心・安全に暮らせるまちづくり」を目標に掲げている。A市の高齢者対策を担当するのは高齢福祉課、市直営の地域包括支援センターと社会福祉協議会であり、実務担当者が参加する地域ケア会議は毎月開催している。A市では、認知症高齢者の増加と徘徊などの問題が増えている。
人口2万人のA市。高齢化率が34.7%で、高齢者福祉計画では「高齢者が安心・安全に暮らせるまちづくり」を目標に掲げている。A市の高齢者対策を担当するのは高齢福祉課、市直営の地域包括支援センターと社会福祉協議会であり、実務担当者が参加する地域ケア会議は毎月開催している。A市では、認知症高齢者の増加と徘徊などの問題が増えている。
問 54
A市の課題に対する地域包括支援センターの取り組みで、優先するのはどれか。
- 地域ケア会議に参加する関係者を増やす。
- 認知症高齢者の見守り体制を強化する。
- 高齢者の健康増進対策を推進する。
- 介護予防事業を拡大する。
2
問 55
A市は、今年度から、住民が携帯電話から登録できる「安心・安全ネット」を導入した。このシステムでは災害情報、行方不明者の情報、不審者・空き巣の発生など多様な情報を発信できる。システム始動から半年、「安心・安全ネット」の登録者は住民の約2割で、毎日メールが配信され、認知症高齢者を探している内容が多かった。
行方不明になった認知症高齢者を保護するためにA市が取り組む事業で適切なのはどれか。2つ選べ。
行方不明になった認知症高齢者を保護するためにA市が取り組む事業で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 認知症予防教室を開催する。
- 認知症の家族会を立ち上げる。
- 広報誌に「安心・安全ネット」の登録方法を掲載する。
- 認知症高齢者を発見したときの連絡先をポスターで掲示する。
- 高齢者にMini-Mental State Examination〈MMSE〉の質問紙を郵送する。
34
1-30
31-55