第88回助産師国家試験
午前問題
問 31
正期産の新生児で異常と判断するのはどれか。
- 生後12時間の血糖値が25mg/dL
- 生後24時間の血清カルシウム値が10mg/dL
- 生後24時間のヘマトクリット値が55%
- 生後3日の血清総ビリルビン値が8mg/dL
1
問 32
新生児の所見と疾患との組合せで正しいのはどれか。
1. | 胆汁性嘔吐 | 腸回転異常症 | |
2. | 腹部膨隆 | 先天性横隔膜ヘルニア | |
3. | 吐血 | 肥厚性幽門狭窄症 | |
4. | 口腔内の泡沫状唾液貯留 | 先天性食道閉鎖症 |
2
問 33
在胎26週、820gで出生した児に起こりにくいのはどれか。
- 呼吸窮迫症候群
- 胎便吸引症候群
- 動脈管開存症
- 未熟網膜症
2
問 34
乳幼児期に嘔吐をきたす疾患はどれか。
- 食道静脈瘤
- 臍ヘルニア
- 腸重積
- 髄膜炎
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
4
問 35
図は分娩期の胎児心拍陣痛図である。
正しいのはどれか。
- 胎児心拍数基線細変動が消失している。
- 胎児心拍数基線は正常である。
- 早発一過性徐脈がみられる。
- 過強陣痛が疑われる。
2
問 36
両親学級で適切でないのはどれか。
- 夫が出産に立ち会うことを前提に参加する。
- リラクゼーションや呼吸法を夫婦で体験する。
- 主体的に取り組めるように夫婦でバースプランを作成する。
- 陣痛室や分娩室を見学しイメージ作りを行う。
1
問 37
思春期女子の月経困難症で正しいのはどれか。
- 器質性月経困難症の方が機能性月経困難症より多い。
- 器質性月経困難症には心理療法が有効なことが多い。
- 機能性月経困難症は初経直後から始まることが多い。
- 機能性月経困難症には鎮痛薬の与薬が有効なことが多い。
4
問 38
経済的理由による人工妊娠中絶で正しいのはどれか。
- 手術時期は妊娠13週ころが望ましい。
- 手術費用は健康保険が適用になる。
- 手術直後にうつ傾向になることが多い。
- 手術後約1か月で月経をみることが多い。
4
問 39
避妊法で正しいのはどれか。
- 基礎体温法では高温相となったら妊娠の可能性はない。
- 産後のIUDは産後6~8週以降の月経直後に挿入する。
- 低用量ピルの効果に乳癌の予防がある。
- ペッサリーは性交後3時間を過ぎてから取り出す。
2
問 40
妊娠期の身体的変化で正しいのはどれか。
- 妊娠初期に拡張期血圧は上昇する。
- 妊娠初期の膣粘膜は血管の増生によって赤色を呈する。
- 基礎体温は妊娠16週ころから次第に下降する。
- 乳房は妊娠20週ころから増大する。
3
問 41
BPS(Biophysical Profile Scoring)に含まれる項目はどれか。
- 筋緊張(四肢の運動)
- 胎動
- 臍帯動脈拡張期逆流
- CST(contraction stress test)
1. a、b2. a、d3. b、c4. c、d
1
問 42
妊婦のマイナートラブルへの対応で正しいのはどれか。
- 腰背部痛には安静臥床を勧める。
- 胸やけには糖質の多い食事を勧める。
- 下肢の静脈瘤には下肢を挙上して休むことを勧める。
- 下肢のけいれんにはカリウムの多い食事を勧める。
3
問 43
出産手当金で正しいのはどれか。
- 出産前42日から出産後56日の間で支給される。
- 労働基準法によって支給される。
- 出産費用にかかわらず定額で支給される。
- 被保険者が未婚の場合は支給されない。
1
問 44
26歳の初産婦。妊娠20週の定期健康診査の超音波検査で前置胎盤の疑いと診断され、2週後再検査することになった。
これからの生活で適切なのはどれか。
これからの生活で適切なのはどれか。
- 特に制限はない。
- 外出を控える。
- 自宅安静とする。
- 入院安静とする。
1
問 45
妊娠中毒症の予防で用いられる低用量アスピリンの使用目的はどれか。
- 鎮静
- 血栓溶解
- 血小板凝集抑制
- 浸透圧利尿
3
問 46
妊娠38週0日。図は外来での胎児心拍陣通図である。
最も適切な対応はどれか。
- 1週後にNST再検査
- 翌日にNST再検査
- 入院し厳重監視
- 緊急帝王切開術の準備
4
問 47
夫立ち合い分娩への助産師の対応で最も適切なのはどれか。
- 立ち合いは産婦の希望よりも夫の希望を優先する。
- 児の娩出場面は直接見せないようにする。
- 夫婦で感動を分かち合っている場に参加する。
- 夫が産婦への援助に関われるようにする。
4
問 48
胎児ジストレス(胎児仮死)のない児の臍帯動脈血pHの平均値はどれか。
- 7.15
- 7.25
- 7.35
- 7.45
2
問 49
28歳の経産婦。妊娠37週3日で3,600gの児を分娩所要時間6時間で経膣分娩した。麦角薬を注射し、胎盤は8分後に自然娩出した。胎盤娩出直後の子宮底は臍下1横指、硬度は中、子宮底を圧すると少量の流血があった。分娩第3期までの出血量は350mLである。
このときの対応で優先されるのはどれか。
このときの対応で優先されるのはどれか。
- 静脈路の確保をする。
- 麦角薬を静脈内注射する。
- 腹部の冷罨法をする。
- 絶飲食とする。
3
問 50
羊水混濁がある時の出生直後の児へのケアで優先度が高いのはどれか。
- 足底を刺激して呼吸を誘発する。
- 鼻腔、口腔の羊水を吸引する。
- 臍帯を切断する。
- 酸素投与を行う。
2
問 51
分娩の介助法で適切でないのはどれか。
- 側臥位では児頭が見え始めたら産婦の上側の脚を保持し娩出を助ける。
- スクワット(蹲踞位)は外陰部の浮腫をきたしやすいため短時間にする。
- 努責がかかりにくい産婦に坐位を勧め娩出力を効果的にする。
- 立位では児娩出後そのまま同一姿勢で胎盤娩出する。
4
問 52
29歳の初産婦。妊娠39週5日。陣痛が発来したため入院した。入院時の内診所見は子宮口3cm開大、展退度30%、Station-1であった。2分30秒間欠、発作30秒の良好な陣痛が持続した。6時間後の内診所見は子宮口8cm開大、展退度90%、Station-1であった。
対処で適切なのはどれか。
対処で適切なのはどれか。
- 経過観察
- エックス線骨盤計測
- 和痛による休息
- 陣痛促進
2
問 53
妊娠39週2日の経産婦。第2頭位。昨日19時ころから8分間欠、発作30秒の陣痛があり、21時に入院した。朝方、子宮収縮は不規則となった。9時ころから再び8分間欠で陣痛が始まり、18時現在の陣痛は6分間欠、発作30秒。内診所見は子宮口7cm開大、展退度70%、Station-1、小泉門が10時に触れる。
現在の判断で正しいのはどれか。
現在の判断で正しいのはどれか。
- 正常経過
- 微弱陣痛
- 回旋異常
- 分娩遷延
2
問 54
陣痛促進薬の点滴静脈内注射によって陣痛を誘発する場合の対応で適切なのはどれか。
- 分娩監視装置を装着し過強陣痛に注意する。
- 点滴静脈内注射を行っている間はベッド上排泄とする。
- 有効陣痛が出現した場合、点滴静脈内注射を中止する。
- 点滴静脈内注射は自然滴下で行う。
1
問 55
胎児娩出後、胎盤が娩出されなかった。臍帯を膣入口部付近で持ち、他手は指を揃えて伸ばし、恥骨結合直上に置き腹壁上から子宮下部を圧し、子宮体部を後上方になで上げた。臍帯は引き上げられないことを確認して、子宮下部を後上方に圧し同時に臍帯を軽く引いた。
この方法はどれか。
この方法はどれか。
- クレーデ(Crede)法
- ベーア(Behr)法
- ブラント・アンドリュース(Brandt-Andrews)法
- ジョンソン(Johnson)法
3
問 56
母乳が足りていると判断できるのはどれか。
- 生後2日で授乳間隔が6時間である。
- 生後4日で胎便がでる。
- 生後6日で尿の回数が4、5回/日である。
- 生後12日で出生体重に戻っている。
4
問 57
ヘモグロビン値が最も低いのはどれか。
- 分娩直後
- 分娩2時間後
- 産褥3日
- 産褥10日
3
問 58
産褥7日で分泌過多による乳房緊満が強い褥婦への対応で適切なのはどれか。
- 乳房の温罨法
- 乳房基底部マッサージ
- 頻回の授乳
- 授乳後の搾乳の制限
4
問 59
マタニティブルーズで正しいのはどれか。
- 産褥2週以降に発現する。
- 妄想を伴う場合が多い。
- 経産婦は初産婦より発症しやすい。
- 我が国の発生率は欧米より低い。
4
問 60
産後うつ病の危険因子はどれか。
- 統合失調症の既往
- 高学歴
- 夫の支援の欠如
- 高齢初産
3