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第103回看護師国家試験(追加試験)

午後問題
次の文を読み91~93の問いに答えよ。
 Aさん(45歳、男性、システムエンジニア)は、最近1か月仕事が忙しく疲労が蓄積していることを自覚していた。本日、起床時にめまいがして右耳の聞こえが悪く感じたため受診した。検査の結果、突発性難聴と診断され、医師から入院治療を勧められた。仕事を休むのは気になったが、職場の上司に相談して入院した。
問 91
入院してすぐに点滴治療が始まった。Aさんは「入院したときよりも、めまいは良くなりました。トイレに行きたいです」と訴えた。病室内のトイレまでの歩行は許可されている。
この時点の看護師の対応で適切なのはどれか。
  1. トイレまで付き添う。
  2. 背筋を伸ばして歩くよう説明する。
  3. 耳栓をすると効果的であると説明する。
  4. 点滴スタンドは中央より上を持つよう指導する。
1
問 92
入院当日の夕食後にAさんは「耳鳴りはするけど、仕事はできそうです。今は、仕事が忙しい時期で、みんなに迷惑をかけたくないので、明日にでも退院したい」と看護師に話した。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 気分転換を勧める。
  2. 仕事に対する気持ちが治癒を早めると励ます。
  3. 後遺症を残さないために今の治療が大切であることを伝える。
  4. 入院中に病室でできる仕事について上司に相談することを勧める。
3
問 93
点滴治療が終了し退院が決まったが、耳鳴は持続している。Aさんは「耳鳴りはいつまで続くのでしょうか。とても気になります」と看護師に話した。
看護師の対応として最も適切なのはどれか。
  1. イヤホンで音楽を聴くことを勧める。
  2. 仕事に復帰すれば気にならなくなると話す。
  3. 退院時の不安は誰でも持つものだと伝える。
  4. 耳鳴があることで困りそうなことは何か尋ねる。
  5. 医師に症状軽減のための薬剤の使用を相談する。
4
次の文を読み94~96の問いに答えよ。
 Aさん(46歳、女性)は糖尿病神経障害による左下腿壊疽のため、左下腿切断術を受けた。術後の経過は順調である。Aさんは術前から松葉杖歩行をしていた。Aさんは「傷の痛みは動いたときだけです。看護師さんは転ばないようにと何度も言うけど、手術前と何も変わらないから転ばないと思いますよ」と話した。
問 94
切断肢の拘縮予防のポジショニングで正しいのはどれか。
  1. 右側臥位を禁止する。
  2. 切断肢の内側に砂のうを置く。
  3. 切断肢の膝関節を伸展させる。
  4. 切断肢の大腿の下にクッションを置く。
3
問 95
Aさんは自分で切断肢に弾性包帯が巻けるようになったため、退院に向けて断端部のセルフケアについて指導を受けることになった。
看護師がAさんに説明する内容で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 断端部は硬い布で覆う。
  2. 断端部の浮腫の状態を観察する。
  3. 弾性包帯を巻いたまま運動しない。
  4. 弾性包帯は断端部の形が整うように巻く。
  5. 自宅にいるときは弾性包帯を巻かなくてもよい。
24
問 96
Aさんは看護師に見守られ、松葉杖歩行でリハビリテーション室へ移動しているが、方向転換時に時々ふらつきがみられる。Aさんは「足があったときと同じように勢いをつけるとふらつくことがあります」と言う。
この時点の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「義足を早く作りましょう」
  2. 「歩行器で歩行の練習をしましょう」
  3. 「身体のバランスのとり方を練習しましょう」
  4. 「リハビリテーション室への移動は車椅子を使いましょう」
3
次の文を読み97~99の問いに答えよ。
 Aさん(78歳、男性)は、1人で暮らしている。県外にいる娘が月に2、3回来て、世話をしている。Aさんが半年前に比べて食欲が低下し痩せてきて、平日に毎日通っていた老人福祉センターも行かなくなって心配だと、娘から地域包括支援センターに相談があった。Aさんは半年前の健康診査では高血圧以外には異常は指摘されていない。
問 97
地域包括支援センターの看護師がAさんについてまず収集する情報として適切なのはどれか。
  1. 食事の嗜好
  2. 上腕周囲長
  3. 半年前の体重
  4. 上腕三頭筋皮下脂厚
3
問 98
Aさんは要介護認定を申請し、要支援2の認定を受けた。Aさんの娘は「父は買い物に行くのを面倒に感じています」と看護師に話した。
Aさんへの支援として最も適切なのはどれか。
  1. 訪問介護の導入を提案する。
  2. 配食サービスの利用を提案する。
  3. 高蛋白栄養補助食品のサンプルを渡す。
  4. 娘に乾麺をまとめて買っておくよう提案する。
2
問 99
Aさんは、食欲が回復し元気になってきたと話した。
今後のAさんの運動機能の維持・向上のための支援で最も適切なのはどれか。
  1. 週に1回の散歩を勧める。
  2. 訪問リハビリテーションの利用を勧める。
  3. 運動に関する講演会への参加を勧める。
  4. 老人福祉センターの利用の再開を勧める。
4
次の文を読み100~102の問いに答えよ。
 Aちゃん(6歳、男児)は、3歳ころから扁桃炎を繰り返し、今回、扁桃摘出術を受けるために入院した。Aちゃんに入院経験はあるが、手術を受けるのは初めてである。
Aちゃんは検査を抵抗することなく受けている。
問 100
看護師が入院時のオリエンテーションを行うと、Aちゃんは緊張した様子もなく、おもちゃで遊びながら「手術って何するの」と聞いてきた。
Aちゃんへの説明で最も適切なのはどれか。
  1. 「眠っている間に終わるよ」
  2. 「Aちゃんは強いから大丈夫だよ」
  3. 「のどの腫れているところを取るよ」
  4. 「全身麻酔をかけて扁桃を摘出するよ」
3
問 101
手術は無事に終了し、Aちゃんは病室に戻ってきた。バイタルサインは安定している。
Aちゃんへの看護で適切なのはどれか。
  1. 前頸部に冷罨法を行う。
  2. 頭部を動かさないように伝える。
  3. 口腔内の分泌物は飲み込むように伝える。
  4. Aちゃんが声を出さないように声かけを控える。
1
問 102
術後6日、経過は良好である。
退院後の留意点として母親に説明する内容で適切なのはどれか。
  1. 「入浴はさせないでください」
  2. 「痛みは我慢させてください」
  3. 「固い食べ物は避けましょう」
  4. 「横向きで寝かせるようにしましょう」
3
次の文を読み103~105の問いに答えよ。
 Aちゃん(1歳2か月、男児)は、口唇口蓋裂のため生後3か月で口唇裂の手術を行い、今回は口蓋裂の手術のために入院した。体重は順調に増加しているが、これまでに2回、細気管支炎で入院したことがあり、母親は手術が予定どおり実施されるか心配している。他に疾患や障害はない。
問 103
入院初日、看護師がバイタルサインを測定するために訪室すると泣き出した。母親は「以前の入院のときには全然泣かなかったのに。最近、人見知りが激しくなったみたいです」と言う。
この時の看護師の対応で適切なのはどれか。
  1. そのまま測定する。
  2. 母親に退室してもらう。
  3. Aちゃんが落ち着いてから測定する。
  4. 別の看護師にAちゃんの身体を抑えるよう依頼する。
3
問 104
バイタルサインを測定すると、体温37.0℃、呼吸数32/分、心拍数110/分であった。母親は「口の奥でゴロゴロと音がします」と伝えた。Aちゃんの顔色は良好である。
アセスメントで適切なのはどれか。
  1. 咽頭の雑音
  2. 呼吸窮迫
  3. 肺炎
  4. 頻脈
1
問 105
手術は無事に終了した、術後3日、母親は「声を出すのですが、まだはっきりした言葉が聞き取れません」と看護師に話した。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「何も心配する必要はありません」
  2. 「発音の障害は残りますよ」
  3. 「1歳2か月では、はっきりした言葉はまだ話せませんよ」
  4. 「すぐに言語聴覚士に相談してみましょう」
3
次の文を読み106~108の問いに答えよ。
 Aさん(25歳、初産婦、会社員)は、最終月経から50日経っても無月経のため、市販の妊娠検査薬で妊娠を確認したところ陽性で夫婦で喜んでいた。しかし、産婦人科を受診すると、超音波検査で胎嚢が確認されず、少量の性器出血が認められた。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。Aさんは、血圧118/60mmHgであった。
問 106
この時点の Aさんのアセスメント項目で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 浮腫
  2. 嘔吐
  3. 頭痛
  4. 出血量
  5. 下腹部痛
45
問 107
1週後、Aさんは下腹部痛が増強し産婦人科を受診した。診察の結果、流産の進行が認められたため、子宮内容除去術を受けた。
帰室したAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
  1. 「今は少し休みましょう」
  2. 「今日の出来事は忘れましょう」
  3. 「次の妊娠に望みをかけましょう」
  4. 「ご家族に申し訳ないことをしましたね」
1
問 108
子宮収縮薬が処方され、帰宅前にAさんは「これからどんなことに注意すればよいでしょうか」と聞いてきた。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「性交は明日からしてもよいです」
  2. 「仕事の復帰は1週後にしてください」
  3. 「血の塊が出てきたときは連絡してください」
  4. 「痛みが少しでもあるときはベッドに横になりましょう」
3
次の文を読み109~111の問いに答えよ。
 Aさん(24歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。境界性人格〈パーソナリティ〉障害で入院した。Aさんは、話を聞いてほしいと1日に何度もB看護師に訴えていた。これまで、B看護師は「時間を決めてお話ししましょう」と対応していたが、本日、Aさんはシャープペンシルの先で手首に擦過傷を作り、B看護師に見せに来た。
問 109
この時点のB看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. Aさんの責任で問題を解決するように話す。
  2. Aさんの発言や行動は適切ではないと伝える。
  3. 自らを傷つける行為は、してはいけないことだと注意する。
  4. 看護師の対応として、できることとできないことがあると伝える。
4
問 110
入院後1週、Aさんは無断外泊し翌日に戻ってきた。C看護師が無断外泊について話を聞くと「看護師のBさんはいつも自分の話を聞いてくれないので信用できません。あなたは立派な看護師で信頼ができます」と言う。
今後の病棟看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. Aさんに関わる時間を増やす。
  2. 主治医に行動制限を提案する。
  3. C看護師が問題行動に対応する。
  4. 病棟看護師の対応を統一する。
4
問 111
入院後1か月、問題行動はみられなくなり、Aさんは落ち着いて過ごしており、退院の予定である。
夫への説明として最も適切なのはどれか。
  1. 「治ったので治療の必要はありません」
  2. 「Aさんの要望には、できるだけ対応してあげてください」
  3. 「家族の問題が影響しているので、家族で解決しましょう」
  4. 「Aさんの訴えに振り回されず、長期的な対応を一緒に考えましょう」
4
次の文を読み112~114の問いに答えよ。
 Aさん(35歳、男性)は、統合失調症で被害妄想が増悪し、入院している。入院後2か月、精神状態は安定してきたが、看護師に「どうして自分だけが薬のことばかり言われるのか。薬はもう飲まない。あなたが私を悪くしている」と被害的な発言をするようになった。
問 112
看護師の最初の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 「主治医に報告します」
  2. 「薬はきちんと飲んでください」
  3. 「薬を飲んだか確認させてください」
  4. 「薬を飲むと具合が悪くなるのですか」
4
問 113
看護師は、Aさんが薬を口に入れた後すぐにトイレに行き、薬を吐き出すところを見た。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 水薬を食物に混ぜて投与する。
  2. Aさんが薬を嚥下するまで見守る。
  3. 薬剤師の服薬指導を受けるよう勧める。
  4. Aさんに服薬を自己管理するよう勧める。
2
問 114
Aさんは拒薬がみられなくなり、精神状態も安定してきた。看護師に「あなたのせいで悪くなったと言ってしまってすみませんでした」と話した。
看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 「服薬するときは口の中を確認しますね」
  2. 「服薬自己管理教室へ参加してみませんか」
  3. 「退院したら家族に薬を管理してもらいましょう」
  4. 「お薬についての話し合いはこれで終わりにしましょう」
  5. 「そう思えるようになったのは、薬の効果だと思いますよ」
25
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
 Aさん(70歳、男性)は、3か月前に事故で妻を亡くしてから1人で暮らしている。子どもはいない。3年前に高血圧を指摘され、降圧薬の内服を開始したが、服薬しないことが多かった。Aさんは、脳出血の既往があり、1か月前に再び脳出血のため入院した。Aさんは右片麻痺があるが、要介護1の認定を受け自宅へ退院した。退院後は週2回の訪問介護で食事や外出支援のサービスと、週1回の訪問看護を利用する
予定である。入院前は、家事に不慣れで食事を食べないことがあった。
問 115
退院後1週、訪問看護師がAさんを訪問した。
訪問看護師が行うアセスメント項目で優先度が高いのはどれか。
  1. 金銭管理の状況
  2. 食事摂取の状況
  3. 近隣との人間関係
  4. 社会的活動への参加状況
2
問 116
退院後2か月、訪問看護師はAさんに物忘れが多くなったことに気が付いた。
訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 通所サービスの利用を提案する。
  2. 金銭管理のサポート体制を整える。
  3. Aさんと服薬の自己管理の方法を検討する。
  4. 短期入所〈ショートステイ〉の利用を検討する。
3
問 117
退院後3か月、Aさんは「近ごろあまり眠れません、毎日が楽しくありません」と訪問看護師に話した。訪問看護師が日常生活について尋ねると、日中はぼんやりとしており、閉じこもりがちであると言う。
訪問看護師が最初に行うのはどれか。
  1. 外出の機会を増やすよう勧める。
  2. 眠れなくなったきっかけがあるかを尋ねる。
  3. 好きな食事への変更を訪問介護員に依頼する。
  4. 主治医に相談し、睡眠導入薬を処方してもらう。
2
次の文を読み118~120の問いに答えよ。
 Aさん(52歳、女性)は、5年前に糖尿病と診断され、自宅近くの診療所で通院治療を続けていたが、徐々に血糖コントロールが悪化し、HbA1cが8%台となったため、本日入院した。
問 118
入院当日、Aさんの受け持ちとなった看護師が、医師の診療録を確認したところ、診療所からの紹介状にこれまでの血糖値とHbA1cの推移、治療内容についての記載があった。
看護計画の立案のため、看護師が医師に確認すべき情報で優先度が高いのはどれか。
  1. 家族歴
  2. 治療方針
  3. 持参した薬
  4. 退院予定日
2
問 119
入院後3日、夜勤の看護師が、朝食前にAさんを訪室すると、夜には無かったお菓子の袋がゴミ箱に捨ててあるのに気が付いた。Aさんは現在1,200kcalの糖尿病食で、それ以外の間食はしないように伝えられている。
この時点の看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. その場で、間食してはいけないと伝える。
  2. 医師に連絡を取り状況を伝える。
  3. 日勤の看護師にAさんと話をするよう伝える。
  4. Aさんから打ち明けられるのを待つ。
正答なし
採点除外等の扱いをした問題
1) 採点上の取り扱い
採点対象から除外する。
2) 理由
選択肢が不明確で、正解が得られないため。
問 120
入院後5日、Aさんは1日3回のインスリン療法が開始された。看護師が退院後の生活についてAさんに尋ねると「合併症が出ないように頑張ります。ビル清掃の仕事をしているので、昼食の時間は入院中より30分くらい遅くなるときがあります。夕方になるとかなりおなかが空きます」と話した。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 管理栄養士に退院後の食事指導を一任する。
  2. 退院後のエネルギー消費量の情報を他職種と共有する。
  3. 医師に退院時のインスリン量の増量を検討してもらう。
  4. 職場の上司にインスリン療法が開始になったことを伝える。
2